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市場では、英国の中央銀行であるBOE(イングランド銀行)が早期に利上げをするとの期待感があり、それが1月下旬以降の英ポンド上昇の一因となっている(「消費者物価指数の伸びが加速しても、英中銀の利上げは微妙!そのワケとは?」も参照)。
以下、早期利上げ期待が浮上した理由と今後の注目指標を挙げたい。
■昨年12月のCPIは8カ月ぶりの高い伸びになった
1月18日に発表された2010年12月の英国の消費者物価指数(CPI)は、前年比+3.7%と11月の+3.3%から上昇率が加速し、2010年4月の+3.7%以来の高い伸びとなった。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:欧州主要経済指標の推移)
英国はインフレ目標を採用しており、BOEは前年比のCPI上昇率が+2%(上下1%が許容レンジ)になるように政策運営を行っている。
12月のCPIが目標を大幅に上回ったことで、市場で、インフレ抑制のためにBOEが早期に利上げに踏み切る可能性があるとの見方が浮上した。
■BOE議事録では、2名が利上げを主張したことが明らかに
その後、1月26日に公表されたBOE議事録が市場の早期利上げ期待を一段と強めた。
このBOE議事録で、1月の金融政策委員会(MPC)においてセンタンス委員とウィール委員が0.25%の利上げを主張し、ポーゼン委員が資産買い入れ枠の500億ポンド拡大を主張したことが明らかになった。
センタンス委員の利上げとポーゼン委員の資産買い入れ枠拡大の主張はこれまでと同様でサプライズではない。
ここで注目されたのは、新たにウィール委員が利上げを主張したことであり、これによって利上げ票が1名から2名へと増加した。
■2月の金融政策委員会では、政策金利の据え置きを予想
CPIの強い伸び&BOE議事録が、早期利上げ期待浮上の大きな要因となっている。
ただ、2月のMPC(9日&10日に開催、政策金利の発表は10日)でBOEが利上げに踏み切るとの見方は皆無であり、市場では、現行の0.50%に据え置かれるとの見方で一致している。