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76.25円=ドル円の史上最安値はウソ!?(2)
日本でハイパーインフレが起きた理由

2011年04月11日(月)東京時間 12:00

「76.25円=ドル円の史上最安値はウソ!?(1) 1ドル=1円の日本はどんな時代?」からつづく)

■日本から金が流出していった…

 明治のはじめから中頃にかけて、1ドル=1円から1ドル=2円へ向かって大幅に円安が進んだ要因について、前回の記事では西南戦争の戦費調達のために不換紙幣が大量発行されたことを挙げた(※)。

 この時代に円安が進んだ理由はもう1つあった。それは金(ゴールド)の価格と銀の価格を比べたとき、欧米主要国よりも日本では銀がより高く評価されていたことだ。

 このため、欧米から安い銀貨が持ち込まれ、それが日本で金貨に交換されたのち、欧米に流出してしまうということが幕末以降起こっていた。そして、日本には金(ゴールド)がなくなっていき、事実上、日本は銀本位制のようになっていったのだ。

 一方、その頃の欧米主要国では技術の進歩などで銀の生産量が増え、銀の価格は下がる傾向にあった。また、欧米主要国は金本位制に移行していき、銀よりも金(ゴールド)を重視するようになっていた。

 このため、事実上銀本位制となっていた日本円は、金本位制の欧米主要国の通貨に対して安くなっていくということが起こっていたのだ。

(※前回の記事同様、今回も故吉野俊彦氏による『円とドル』(NHK出版、1996)という書籍をおもに参考にさせていただきました)

■日清戦争の賠償金を得て、金本位制を採用

 さて、このような円安の流れがピタリ止まったのが、1897年(明治30年)のこと。下の米ドル/円チャートを見るとわかるとおり、このあたりから長い間、米ドル/円相場は1ドル=2円あたりでそれほど動かなくなっている。

戦前の米ドル/円 長期チャート

 では、1897年(明治30年)に何が起きたのか。

 日本ではこのとき、「貨幣法」が制定され、正式に金本位制が採用されたというのが大きな出来事だった。

 金(ゴールド)がどんどん海外へ流出していたというのに、なぜ日本はこのときになってきちんとした金本位制にこぎつけることができたのだろう?

 それは日清戦争に勝利したからだった。日清戦争に勝利した日本は清国から多額の賠償金を得た。賠償金は英ポンドで支払われたが、その英ポンドをロンドンで金(ゴールド)に換えて、日本に持ってきたのである。

 その金(ゴールド)が日本が金本位制をとるための基礎になったのだ。

■金本位制になると、為替はどうなる?

 この1897年(明治30年)の貨幣法では、金(ゴールド)750ミリグラム=1円と定められた。

 前回の記事で述べた1871年(明治4年)の新貨条例では、金(ゴールド)1500ミリグラム=1円だったから、同じ1円で半分の金(ゴールド)しか買えなくなったことになる「76.25円=ドル円の史上最安値はウソ!?(1) 1ドル=1円の日本はどんな時代?」参照)

 つまり、金(ゴールド)に対して、円の価値が半減するように法律で定められたのである。これは為替の実勢相場で明治初期以降、円安が進み、円の価値がすでに下がっていたことを追認したような形となった。

 ともあれ、この時点で同じく金本位制を採用していた米国との間の為替相場は落ち着くことになった。

 金本位制のもとでは、当該国の通貨と金の交換比率が定められる。その交換比率は変更されることもあるが、通常はそれほど頻繁には変更されない。となると、金(ゴールド)の価値は万国共通という認識のもと、金(ゴールド)を介して算出される通貨と通貨の交換比率(つまり、外国為替)も安定した推移を示すことになる。

 こうして、おおよそ1ドル=2円という米ドル/円レートの時代が結構長く続くことになったのだ。このように、各国の金と通貨の交換比率が変更されない限り、金本位制のもとでは為替は固定相場のようになるようだ。

■戦争のため紙幣が大量発行されて、激しく円安が進む

 このあとの米ドル/円相場は1923年(大正12年)の関東大震災後に震災復興のための輸入が大幅に増えたことで、円安が進んだりしたことがあった。これは東日本大震災後、いったんは円高になったものの結局は円安に動き出した今の相場と重なるものがあるかもしれない。

 また、それ以前には1914年(大正3年)からの第1次世界大戦への参戦に伴って、金本位制から離脱したり、それがまた復帰したりといった出来事がいろいろあった。

戦前の米ドル/円 長期チャート

 だが、決定的に円安が進み始めたのは上のチャートを見てわかるとおり、1931年(昭和6年)頃からだ。1931年(昭和6年)というと満州事変の起こった年。ここから日本は長い戦争の時代に入っていった。

 明治のはじめの名目だけの金本位制とは異なり、本格的な金本位制では、兌換紙幣と金の交換が常に保証される。だから、中央銀行が金の保有量に関係なく、無制限に紙幣を発行することはない。

 けれど、戦時色が強まり、膨大な軍事費が必要になってくると、紙幣は適切な量を発行するに止めておくわけにもいかなくなってくる。

 そんなわけで、日本は満州事変の起こった1931年(昭和6年)には事実上、金本位制を離脱した。また、1932年(昭和7年)には日本銀行が発行できる紙幣の限度額を大幅に引き上げた。

 そして、巨額の軍事費をまかなうため、赤字国債が大量に乱発され、日本銀行はそれを引き受けた。それによって、通貨の流通量が大幅に増えていったのである。

 お金が世の中にあふれれば、お金の価値は下がる。これは当然、円安要因になった。

■大恐慌で米国の金本位制はどうなった?

 では、この時期の世界情勢はどうだったのか?

 米国ではこの少し前、1929年(昭和4年)に大恐慌が起こっていた。1930年代はそれが世界へ広がっていた時期に当たる。このため、各国は金本位制から離脱し、通貨切り下げ競争が起こった。

 さらには、友好国同士のみで貿易を行うブロック経済が広がったあげく、最後は第2次世界大戦に突き進んでいったというのは歴史の教科書などによく出てくる話で、おそらく読者のみなさんもご存じのことだろう。

 ただ、大恐慌のお膝元、米国は意外と(?)頑張っていたようだ。金本位制から完全には離脱しなかったのである。

 米国は1933年(昭和8年)に米国国内での紙幣と金(ゴールド)の兌換を禁止はした。ただ、外国の政府や中央銀行が持っている米ドルに対しては、一定の条件のもとで、米ドルと金(ゴールド)を兌換することを維持したのである。つまり、条件つきではあるが、金本位制を一部維持したのだ。

 このとき、米国は金価格の切り上げ(つまり、米ドルの切り下げ)も行ってはいるが、金本位制を完全に離脱し、通貨の発行量が大幅に増えた日本などと比べると緩やかな処置だったと言える。

 この結果、結局、米ドル/円ではこのあたりから、急速な円安が進んでいくことになったようなのだ。

 この頃の米ドル/円チャートを今一度見てみよう。チャートは右肩上がりで急角度に上昇している。

戦前の米ドル/円 長期チャート

 これだけ、激しく円安が進行しているのは日本がそれだけ大変な戦争の時代へ突入していったことを象徴的に示しているように記者には感じられた。

 さて、激しく円安が進んだといっても、この頃は1ドル=4円台。これが戦後になって、なんで1ドル=360円というかけ離れた値になってしまったのか?

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