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5月に入って3回も「売りシグナル」点灯の
ユーロ/ドルは「売り」しか思いつかない!

2011年05月25日(水)東京時間 12:57

■例年どおりの特殊な相場となった今年のGW

 まずは、ユーロ/米ドルの週足チャートをご覧いただきたい。

 これは300本足(300週分)のチャートだ。

ユーロ/米ドル 週足(クリックで拡大)

 ユーロ/米ドルは、赤の破線で示した中長期のレジスタンスラインを4月上旬に上抜けた。ちなみに、赤の破線(細線)は赤の破線(太線)の平行線である。

 このレジスタンスラインを上抜けた時点で、「買いシグナル」を発したと考えている。

 このように、ユーロが4月上旬に対米ドルで上昇した要因は、米国(米ドル)が政策金利(短期金利)引き上げを実施しない一方で、欧州(ユーロ)は今後も政策金利(短期金利)を引き上げるという思惑によるものと考えている。

 4月中のマーケットは、「ユーロ買い・米ドル売り」が一段と進んだ格好になった。

 ところが、ゴールデン・ウィーク中の5月5日(木)のマーケットにおいて、ECB(欧州中央銀行)は政策金利を1.25%で据え置くことを決定した。

 このこと自体は市場予想のとおりだが、その後の記者会見で、トリシェ総裁が「物価安定に関して動向を非常に注意深く監視する(monitor very closely)」と発言した。

 翌月の利上げの「暗号」とされる「強い警戒(strong vigilance)」という表現が使用されなかったため、ECBに対する早期利上げ期待が後退し、ユーロ/米ドルが急落したと見ている。

 5月5日(木)のユーロ/米ドルは、高値は1.4900ドルレベル(1.4898ドル)、安値は1.4500ドルレベル(1.4509ドル)で、感覚的には「400ポイントもの急落」と感じる。

 ゴールデン・ウィーク中で市場参加者が薄いところをフリー・フォールしたように思えるが、実際のところは、1.48ドル台ミドルから1.45ドル台前半への急落であった。

 なお、5月5日(木)のユーロ/米ドルの下落の原因については、銀(シルバー)相場や金(ゴールド)相場、オイル関連相場といったコモディティ(商品相場)の急落も挙げられるだろう。

 筆者は、ユーロ/米ドルの短時間での急落を見て、「今年のゴールデン・ウィークの相場も、例年どおりの特殊な相場だ」と感じている。

 このように、ユーロ/米ドルは5月5日(木)以降、大きく急落している。したがって、週足チャートには、中長期のレジスタンスラインとして、青の破線(太線)を加筆することができる。青の破線(細線)は青の破線(太線)の平行線である。

「ヘッド&ショルダー」完成の可能性は十分に高い

 続いては、ユーロ/米ドルの300本足(300週分)の週足チャートをご覧いただきたい。

ユーロ/米ドル 週足(クリックで拡大)

 ユーロ/米ドルの中長期のチャートの形状から「ヘッド&ショルダー(※)の可能性を考えていたが、目先、ユーロが1.18ドル台から大きく上昇しているため、微妙になっていた。

 個人的な思惑だが、5月4日(水)の高値である1.4940ドルが右肩の高値となるケースを想定して、「ヘッド&ショルダー」の「3つの山」を示唆している。

 このコラムにも何度か書いているように、「ヘッド&ショルダー」は、それが完成した時点で粛々と対応すればよい。だから、現時点で「ヘッド&ショルダー」を想定するのは時期尚早なのだが…

 つまり、「ヘッド&ショルダー」はネックラインを明確に割り込んだ時点で対応するべきであり、「ヘッド&ショルダーを作るかもしれない」といった予見(予測)でポジションを取ると、失敗することがよくある。

 引き続き、「ヘッド&ショルダー」を完成させる可能性は十分に高いと考えている。

 しかし、その時期は、当初考えていたパターンよりも大きく先送りされたようだ。

 繰り返すが、「ヘッド&ショルダー」は、それが完成した時点で粛々と対応すればよいだけのことだ。

(※編集部注:「ヘッド&ショルダー」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされている。人の頭と両肩に見立てて「ヘッド&ショルダー」と呼び、仏像が3体並んでいるように見えるため「三尊」と呼ぶこともある)

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松田哲の「FX一刀両断!」
松田 哲 (まつだ・さとし)

早稲田大学法学部卒業。三菱信託銀行、フランス・パリバ銀行、クレディ・スイス銀行などを経て、オーストラリア・コモンウェルス銀行のチーフ・ディーラーとして活躍。現在は松田トラスト&インベストメント代表取締役として、法人・個人向けコンサルティング業務を行っている。著書『外貨崩落』(技術評論社)などで米ドル/円相場、クロス円相場の下落を見事的中。近著に『1勝9敗でも勝てる松田式FX!』(ダイヤモンド社)がある他、『FXで稼ぐ人はなぜ「1勝9敗」でも勝つのか?』(技術評論社)、『FXの教科書』(扶桑社)、『投資で浮かぶ人、沈む人』(PHP研究所)、『FX「シグナル」を先取りして勝つ!』(技術評論社)などの著書がある。

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