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NYダウは6週続落で「陰の極」を示唆。
ならば金利底打ちで、ドル安は最終局面か

2011年06月14日(火)東京時間 13:11

 米国で株式市場が軟調となり、金利低下も続いていますから、なかなか米ドルは上がりません。ただ、私は米国の金利低下は最終局面にあり、「陰の極」にあると考えています。

 今回はこのことについて、ユーロ/米ドルを中心に考えてみたいと思います。

■なぜ7月利上げが示唆されたのにユーロは反落したのか

 先週木曜日、6月9日のECB(欧州中央銀行)理事会にかけて、ユーロは早期利上げ期待などから一時1.47ドル近くまで上昇しました。

 しかし、市場関係者の期待どおりに7月利上げの可能性が高まったものの、理事会後は反落に転じ、1.43ドル台まで「ユーロ安・米ドル高」が進みました。

 なぜ、期待どおりに早期利上げの可能性が高まったにもかかわらず、ユーロは反落に転じたのでしょうか?

 ニュースなどでいくつかの解説がなされていますが、私は基本的に、原油が「影の主役」だと思っています。

 ちょっと自慢になってしまいますが、このECB理事会のあった日に、私はあるFX会社のオンラインセミナーで講師をしていました。「トリシェ発言を受けたユーロの行方についてライブ解説」といったテーマでした。

 最近、こんなふうに注目イベントの結果判明後にライブで解説してほしいとのリクエストが多く、米国雇用統計のときも別のFX会社で数カ月続けて解説を担当しています。

 その6月9日(木)のECB理事会ですが、その後に行われるトリシェECB総裁の記者会見前に、私がオンラインセミナーで指摘した内容は、ほとんどそのとおりになりました。

 私が指摘したのは、具体的には次のようなことでした。

「まず、トリシェ発言はユーロにあまり影響ないだろう。それでも、あえていえば、トリシェは来月利上げを示唆する可能性が高いだろう。ただ、それでもユーロ買いとはならず、むしろユーロ反落となった場合に大相場になる可能性があるだろう

 なぜ、来月利上げ示唆でもユーロ一段高にならないかといえば、そもそもこの1カ月、ユーロはECBの利上げを材料視せず、それが急に材料視するとは考えにくい

 その間、ユーロと同じ方向に動くと言った具合に一定の影響を与えてきたのは原油価格だが、その原油価格から見ると、最近のユーロは上がり過ぎの可能性があるから、むしろ反落となった場合に大相場になるのではないか

■相場予想の秘訣は「プライムムーバーの見極め」

 6月9日(木)のECB理事会後の記者会見で、トリシェ総裁は、翌月の利上げを示唆するときに使うとマーケットで理解されているコードである「ビジランス」という言葉を使いました

 これにより、多くの市場関係者の期待どおりに7月利上げの可能性が高まりました。

それにもかかわらず、「ユーロ買い」はすぐに行き詰まると、私の予想どおりに急落へと転じ、ユーロは一時1.44ドル台へ、さらに週末には1.43ドル台へ一段安になりました。

 このユーロの急反落をもたらしたのが、私が指摘した原油価格の影響かはわかりませんが、いずれにせよ、結果はほぼ予想どおりの展開となりました。

 もちろん、私はここで自慢話をするのが目的ではありません。この件はもう終わったことで、ある意味どうでもよいことだと思っています。ただ、この中から予想が当たるコツを見つけることができれば、それは今後に活用できるでしょう。

 これは今回に限ったことではないのですが、私が為替を予想する上でとても重視しているのは、「プライムムーバーの見極め」ということです。「プライムムーバー」とは、相場を動かしている主役という意味です。

 相場が動くとき、いろいろなものが材料になると言われます。今回の場合なら、トリシェ発言は気になるし、ギリシャなど欧州財政問題はどうか、原油価格も気になる、米国の金利も気になる…といった具合です。

 こんなにたくさん注目しなければならないことがあると、本当に大変ですね。

 ただ、こういったケースでは、私は「最近の動きを説明できる一貫性のあるものは何か」を考えます。そこで次の「資料1」をご覧ください。

資料1

 これはECBの金融政策を織り込むドイツの1年もの国債の利回りです。5月初めにECBの早期利上げ期待がいったん後退し、ドイツの金利も急低下しましたが、その後はすぐに元の水準まで上昇してきました

 その意味では…

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吉田 恒 (よしだ・ひさし)

1985年、立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長、また、投資情報事業を展開するT&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役などを歴任。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。また、「M2J FX アカデミア」の学長も務めている。
一方、国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的におこなっている。2000年のITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年の円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。著書に『さよなら円高』『YENの悲劇』(ともに廣済堂出版)、『投資に勝つためのニュースの見方、読み方、活かし方』(実業之日本社)、『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)、共著に『通貨大動乱』(総合法令)がある。また、DVDに『こうすればFX予想は当てられる!』(パンローリング)がある。

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