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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

スイス高抑制策と日銀の介入で相場急変。
これで相場の大きな流れは変わるのか?

2011年08月04日(木)16:38公開 (2011年08月04日(木)16:38更新)
西原宏一

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■そして、日銀もついに介入へ

 連日メディアで円高が報じられる中、本日の東京市場前場に日銀が市場介入を断行。

日銀は78円台前半から途切れなく米ドル買いを続けているようで、本稿執筆時点では、79.37円まで米ドル/円を押し上げている模様。 

米ドル/円 1時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足

 野田佳彦財務相の記者会見によれば、介入は「単独介入」

 加えて「日銀も問題意識は共有している。適時適切な対応をしていただけるものと期待している」ともコメントしているので、本日の日銀金融政策決定会合の後、日銀からなんらかの金融緩和策が発表される見込み(※)。

(※編集部注:本稿寄稿後に、日銀は資産買い入れ等基金の総額を40兆円から50兆円に増額する、さらなる金融緩和策を発表しました)

■なぜ、今回の「スイスフラン高抑制策」は効いたのか?

 さてこの通貨高抑制策の効果ですが、まずスイスフラン。

 思い起こされるのが、2010年のSNBによる介入。

 昨年、SNBは「ユーロ安・スイスフラン高」を抑制するために、断続的にスイスフラン売り介入を続けましたが、スイスフラン高は収まりませんでした。 

ユーロ/スイスフラン 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/スイスフラン 週足

 次第に国内から介入によるSNBの為替差損を非難する声が高まり、結局SNBは「介入でのスイスフラン高抑制策」を断念しています。

 マーケットでは、このことが記憶に新しいため、今回のSNBの通貨高抑制策についても疑問視する参加者が多数。

 ただ、今回の通貨高抑制策が行われたのが、ユーロ/スイスフランの1.08フランというレベルであることは要注意です。

 前述のとおりユーロ/スイスフランの1.08フランはいくつかのヘッジファンドのターゲット。

 そのためSNBの通貨高政策が発表になる前から、彼らはユーロ/スイスフランのショートを縮小し始めていました。

 通貨高抑制策に加え、彼らの利益確定によるスイスフラン売りも重なり、今回は、当面スイスフラン高を抑制できるのではないでしょうか?

 一方、米ドル/円も震災後の米ドルの安値76.25円近くまで下落した後の介入だったこともあり、本日の介入は非常に効果的。

■米ドル/円が80円台を回復できるか? それがカギを握る!

 ただ、グローバルな金融市場が混乱する中、スイスフランと円の大きな流れが変わるのかについては疑問。

米ドル/円 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足

 米ドル/円が本格的な反発に転じるには、「米経済の回復と、米金利の上昇」が重要なのですが、これについては8月5日(金)に発表される米雇用統計が重要なカギを握っています。

 ともあれ、当面の相場動向を探る上で、今晩のSNBの動向と、欧米市場での日銀の介入に注目。

 仮に欧米市場で、介入が続けられなければ、昨日のユーロ/スイスフランのように、米ドル/円が反落する可能性も。

 逆に今晩、米ドル/円が80円台を回復できれば、米雇用統計前に海外勢による米ドルのショートカバー(売りポジションの買い戻し)を誘引する可能性が高まります。

 今晩の海外市場の当局の対応に注目です。


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