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9月FOMCで何が出ても円高・ドル安か。
ただし、76~77円台では売る気にならない

2011年09月21日(水)東京時間 14:33

 引き続き、米ドル/円に対する考え方は変わっていない「ドル/円はさらに最安値を更新か。ただし、『抱き線』出現で売り方も無理はできない」を参照)

 2007年6月以来、ずっと「米ドル安・円高トレンド」が続いており、現在に至るまで、一度として転換したことはない。

 まる4年もの間、「米ドル安・円高トレンド」のままであり、このことが大前提となる。当然のことながら、今現在も、トレンドは「米ドル安・円高」である。

日本以外のG7諸国は円高に関心を持っていない

 フランス・マルセイユで開催されたG7(主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議)後の記者会見で、安住財務相は「円高懸念を明確に主張し、各国と緊密に協議し、適切に行動することで合意した」と述べた。

 しかし、日本以外のG7諸国は、現在の円高に関心を持っていないと考えている。

 米国にとっては、自国(米国)の景気回復が遅れ、雇用が回復していない状況下で、今後の金融緩和政策(つまり、金利水準がゼロなので、量的緩和政策を行うこと)について各国に理解を求め、米国債の格下げは事実上影響がないと説明することが主なテーマだっただろう。

 また、欧州にとっては、ギリシャ問題に起因する不良債権問題への対応が、主なテーマだっただろう。

 だから、日本の出席者は円高懸念をG7で訴えたが、他国からは相手にされなかったと推測する。

日本国内向けの発表だけでは、G7は理解できない

■レジスタンスを上抜けると「買いシグナル」が点灯するが…

 それでは、米ドル/円の週足チャートからご覧いただきたい。

 これは300本足(300週分)のチャートだ。

米ドル/円 週足(クリックで拡大)

 現在のレジスタンスラインを緑の破線(太線)で示したが、米ドル/円は、2007年6月から現在に至るまで、ずっと、この緑の破線(太線)のレジスタンスラインに従っていることがわかる。

 だから、週足チャートを見るかぎりでは、米ドル/円のトレンドは「米ドル安・円高」で変わっていないことになる。

 しかし、米ドル/円がこの緑の破線(太線)のレジスタンスラインを明確に上抜ける場合は「買いシグナル」が点灯する。

 この緑の破線(太線)のレジスタンスラインは、現時点ではまだ有効であり、上にブレイクされていないし、ブレイクされたこともない。現在のトレンドは「米ドル安・円高」のままで変化はない。

 つまり、2007年6月から2011年7月に至るまでの4年以上の間、「米ドル安・円高トレンド」のままで、今のところ、一度も「反転のシグナル」を発したことがないということになる。

 また、週足チャートには、大台である80.00円と、今のところの歴史的最安値である75.95円に水平線を引いた。節目の80.00円や、安値更新の場合のその新値水準は、大きく注目される。だから、便宜的にその水準を表示した。

 しかし、誰もがすぐに相場の水準に慣れるため、80.00円といった数値(数字)は、すでに特別な意味がないと考えたほうがよいだろう。

 さらに、便宜上の下値のラインとしてピンクの破線を加筆したが、現在の米ドル/円は、緑の破線(太線)のレジスタンスラインとピンクの破線にしたがって、一定のスピードで下落していると断言できる。

 米ドル/円の週足チャートを見ると、今回の米ドル/円の下落の起点が2007年6月高値の124円台であることがわかる。それから4年以上もの間、このレジスタンスラインの傾きに従って、一定のスピードで下落を続けている。

 なお、週足チャートで明確な「反転の兆し」というには、この緑の破線(太線)のレジスタンスラインを上抜ける必要を感じている。

マスコミや一部のコメントで「急激な円高」と表現されることが多々見受けられるが、チャートを見るかぎり、「急激」ではなく、明らかに「一定のスピード」で円高が進んでいる。

 マスコミや一部のコメントは、米ドル/円が80円を割り込んだとか、70円台とか、75円台とか、その絶対値に反応しているだけで、科学的ではない。

冷静に分析できなければ、次の動きやマーケットの変化に気がつくはずもなく、対応できなくて当たり前だ

 もちろん、未来永劫、円高が続くはずはない。気を抜かずに、冷静に相場を見て、マーケットの変化に留意すべきである。

■引き続き、86.00円を明確に上抜けられるかに注目

 次に、米ドル/円の日足チャートをご覧いただきたい。

 これは300本足(300営業日分)のチャートだ。

米ドル/円 日足(クリックで拡大)

 米ドル/円は、3月のG7による協調介入をきっかけに上昇が続き、チャートポイントであった84.50円を4月上旬に明確に上抜け、それからすぐに85.50-55円の高値をつけた。この84.50円はすでにチャートポイントではなくなったが、日足チャートにはピンクの破線の水平線で表示した。

 この時点では上昇傾向が強く、次のターゲットとして、2010年9月15日に行われた日本の当局(日銀・財務省)による単独介入の際につけた85.94円の高値が意識された。

 つまり、4月上旬の時点では、85.94円を明確に上抜けられるか、否かに注目が集まっていた。

 ちなみに、為替レートのチャートポイントというのは正確な数値ではない。だから、目安(メド)として、86.00円を明確に上抜けるかが注目された。日足チャートには、86.00円をピンクの破線で表示した。

 しかし、米ドル/円は85.94円(86.00円)に届くことなく下落に転じており、目先の高値は4月6日(水)につけた85.50-55円となった。

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松田 哲 (まつだ・さとし)

早稲田大学法学部卒業。三菱信託銀行、フランス・パリバ銀行、クレディ・スイス銀行などを経て、オーストラリア・コモンウェルス銀行のチーフ・ディーラーとして活躍。現在は松田トラスト&インベストメント代表取締役として、法人・個人向けコンサルティング業務を行っている。著書『外貨崩落』(技術評論社)などで米ドル/円相場、クロス円相場の下落を見事的中。近著に『1勝9敗でも勝てる松田式FX!』(ダイヤモンド社)がある他、『FXで稼ぐ人はなぜ「1勝9敗」でも勝つのか?』(技術評論社)、『FXの教科書』(扶桑社)、『投資で浮かぶ人、沈む人』(PHP研究所)、『FX「シグナル」を先取りして勝つ!』(技術評論社)などの著書がある。

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