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米国雇用統計が予想より悪かったのに
ユーロ売り・ドル買いに反応した理由とは?

2012年07月11日(水)東京時間 17:08

■EU首脳会議を契機にユーロ/米ドルが急騰!

 ユーロ/米ドルは、2012年6月29日(金)に強烈に上昇している。

 下の1時間足チャートをご覧いただきたい。

ユーロ/米ドル 1時間足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 欧州連合(EU)首脳会議1日目終了後の記者会見で、ファンロンパイEU大統領が、欧州安定メカニズム(ESM)による銀行への直接資本注入することを発表。

 さらに、ユーロ圏首脳はスペインの融資に関連し、優先権の放棄を発表した。

 これを契機に、ユーロは急騰した。

 事前の予想では、今回の欧州連合(EU)首脳会議で、有効な具体策は発表されないだろう、と考えていた向きが多く、想定外の「これらの策」がきっかけとなって、「ショート・スクイズ」(ユーロ売り持ちポジションの買戻し)を誘発した、と考える。

 しかし、「これらの策」がユーロ危機の根本的な解決策になるはずがない。

 6月29日(金)の値動きは、マーケットに溜まっていた「ユーロ売り持ちポジション」が、損切りをした(=買い戻した)ということにすぎない、と考える。

 よって、大局で判断すれば、引き続き「ユーロ売り」で戦うべき、と考える。

 しかし、基本戦略は変わらずに「ユーロ売り」と考えるものの、無理をせずにポジションを小さくし、反発局面があれば「売り増し」をできるように、言い換えれば、コストのよいところで「ユーロ売り」ができるように体制を整えておくことが大切とも考える。

 跳ね上がったところを売るのは精神的にもきつく、誰にとっても難しいことは十分に承知しているが、相場に立ち向かうことは、そういった困難にも耐えながら真正面からぶつかることだ。 

 この時点での相場で(目先のこの値動きで)、明確なストップ・ロス(損切り)のポイントは、1.28ドル台程度だった、と考える。

 つまり、2012年6月末から7月の最初の時点では、1.28ドル台前半程度にストップ・ロス(損切り)を置けばよい、と考えていた。

■米国独立記念日から夏休み相場がスタート

 先週の7月4日(水)は、米国独立記念日だった。毎年、夏休み相場の始まりは米国独立記念日からである。

 もちろん、7月4日(水)から、急激に市場参加者が少なくなる(休暇を取る)わけではない。8月中旬に向けて、徐々に市場参加者が減少していく。

 市場参加者が極端に少なくなると、通常のマーケットの経験則が効かなくなり、不規則で理屈の通らない値動きが多くなる。

7月4日(水)から夏休み相場がスタートしていることを意識して、相場に臨むべきであると考える

■欧州中央銀行の金利引き下げでユーロ/米ドルは急落

 2012年7月5日(木)の海外市場では、ECB(欧州中央銀行)が、ユーロの政策金利を0.25%引き下げ、0.75%にしたことを材料に、「ユーロ売り・米ドル買い」となった。

ユーロ/米ドル 1時間足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM

 このユーロ/米ドルの下落は、直近の安値1.24ドル台前半(1.2400ドル近辺)を下に抜けて、新値を更新している。新値更新の下落は、「売りシグナル」である。

■パッとしない米国雇用統計でもユーロ売りになったのは…

 7月6日(金)の東京市場、ロンドン市場は、ニューヨーク市場で発表される米国雇用統計(失業率)の発表を控えて小動きだった。

 米国雇用統計(失業率)での反応で、まず、注目すべきなのは、米ドル/円ではなく、ユーロ/米ドルだ、と考えていた(米ドル/円の反応よりも、ユーロ/米ドルの反応の方が激しいのではないか、と考えていた)。

 7月6日(金)のニューヨーク市場で発表された米国雇用統計(失業率)では、失業率は、事前予想どおりの8.2%であった。

 非農業部門雇用者数(NFP)は、事前予想の+10万人に対し、発表された数値は+8万人。トータルで見れば、事前予想よりも悪い数値となった。

事前予想+10万人に対し、+8万人であるから、少し悪かった、と考える。しかし、ものすごく悪いというわけではない、とも考えている。

 米国雇用統計(失業率)の結果が、事前予想よりも悪かったことを受けて、米ドル/円は下落したが、引き続き、「下値79.10ドル程度-上値80.10ドル程度のボックス相場」に収まっている。

米国雇用統計(失業率)に関しては、米ドル/円に特段の変化を与えていない、と考える。

 米国雇用統計(失業率)が悪かったのだから、米国経済がかんばしくない状況であることは事実であるが、だからといって、「この結果をもって、積極的に米ドルを売るわけにはいかない」と考える。

 7月6日(金)の米国雇用統計(失業率)での反応で、注目すべきなのは、米ドル/円ではなく、ユーロ/米ドルだ、と考えていた。

 現在の外国為替市場での最大のテーマは、「欧州債務危機」であり、米国雇用統計(失業率)が、「米ドル買い」を促す内容だったならば、米ドル/円よりも、ユーロ/米ドルが激しく反応するだろう、と考えたからだ。

 しかし、発表された7月6日(金)の米国雇用統計(失業率)は、米国経済の不調を示す内容で、「米ドル売り」を促すものであった。

 しかしながら、7月6日(金)の米国雇用統計(失業率)の発表後は、「(ユーロ買い)米ドル売り」に反応せず、むしろ、「ユーロ売り(米ドル買い)」に反応した

ユーロ/米ドル 1時間足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM) 

 これは、米国雇用統計(失業率)の数値に反応したのではなく、米国雇用統計(失業率)の発表と同時に米国雇用統計(失業率)のイベントが終わり、直ちにマーケットのテーマとして「欧州債務危機」に注目が移ったのだ、と考える。

 「欧州連合(EU)首脳会議の合意」を高く評価する向き(市場参加者)も多いようだが、私はまったくそのようには考えない。

 欧州債務危機の解決策は、いまだに示されていない。

 このところのさまざまなイベントで、ユーロがポジション調整で買い戻される場面もあったが、それは、しょせんポジション調整の域を出ていない、と考える。

 つまり、大局は欧州債務危機による「ユーロ下落」、と判断している。 

 それではいつものように、月足、週足、日足と順にチャート分析をしていこう。


■「高値圏の乱降下」は一般的に「売りシグナル」

 まずは、月足チャートからご覧いただきたい。

 基本的な考え方に変化はなく、大局で判断すれば、引き続き「ユーロ売り」で戦うべきと考えている。

 よって、チャートは更新しているが、月足の内容はこのところのコメントと同じである。

 月足チャートで見ると、ユーロ/米ドルは、0.8500ドル近辺(安値は0.8200ドル近辺)から1.6000ドル近辺まで、大きく上昇している。

 1.6000ドル近辺の高値をつけて以降は、安値1.2000ドル程度-高値1.6000ドル程度のゾーンで、大きく上下動を繰り返している。

ユーロ/米ドル 月足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM) 

 この「安値1.2000ドル程度-高値1.6000ドル程度のゾーンでの大きな上下動」は、個人的には「高値圏での乱高下」だと判断している

 必ずというわけではないが、一般的に「高値圏での乱高下」は「売りのシグナル」である

 つまり、この大きな上下動はいずれネック・ライン(=下限)を下に割り込むことを示唆しているのだろう、と推測している。

 当然ながら、このネック・ライン(=下限)は、1.2000ドル近辺のことで、ネック・ライン(=下限)を割り込む場合は、その後で大きく下落すると考えている。

 チャートには、サポート・ライン(ピンクの破線)を加筆した。2007年頃から現在(2012年)に至るまでで、大きく、頻繁に、激しい上下動を繰り返したことを示すために、加筆した。

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松田 哲 (まつだ・さとし)

早稲田大学法学部卒業。三菱信託銀行、フランス・パリバ銀行、クレディ・スイス銀行などを経て、オーストラリア・コモンウェルス銀行のチーフ・ディーラーとして活躍。現在は松田トラスト&インベストメント代表取締役として、法人・個人向けコンサルティング業務を行っている。著書『外貨崩落』(技術評論社)などで米ドル/円相場、クロス円相場の下落を見事的中。近著に『1勝9敗でも勝てる松田式FX!』(ダイヤモンド社)がある他、『FXで稼ぐ人はなぜ「1勝9敗」でも勝つのか?』(技術評論社)、『FXの教科書』(扶桑社)、『投資で浮かぶ人、沈む人』(PHP研究所)、『FX「シグナル」を先取りして勝つ!』(技術評論社)などの著書がある。

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