昨日はアメリカが休み。それで為替相場の動きも欧州時間で終了した。先週末のジャクソンホールでの講演が終わって、ユーロドルが1.2637まで上昇したのを確認した後、1.25台の後半で週が変わったので、その後の動きが気になるところだった。
このままズルズルと下がってしまうのか。それとも上げ基調に乗って、もう一度、上サイドをトライするのか。ユーロドルは8月上旬につけた戻し高値である1.2442を、21日の夜に越えて来て以来というもの、下がっても1.24台の後半である。かなり強力なネックラインになってしまったようである。
それがジャクソンホールで1.26台をアタックしたものの、押し戻されてしまった。ここから後の値動きを確認して、ユーロドルの相場は上昇基調なのか、それともただレンジのゾーンが1.2450-1.2650に変更されただけなのかを見極めないといけないところだ。
今週は後半に材料が多い。木曜日にはADP雇用指数があり、これはアメリカの雇用統計を読むうえで重要である。読む、といっても、雇用統計が出る前の心構えができる程度だが。ADP指数がかなり良ければ、実際の雇用統計がどうあろうとも金曜日までには追加緩和はないだろうということで落ち着きそうだ。
その際にはかなり強烈なドル買いが入るのかもしれない。ドル円も79円台を軽く戻しきって、ユーロドルも1.24台にまで突っ込みそうだ。そもそも13日のFOMCC自体が、金融緩和に動くよりも超低金利の期間を2015年にまで伸ばすだけだろうと思われている。緩和が出来ないだけの株高が続いており、理由には欠けるためだ。そのうえ、食料品なども高いまま。
債券購入など、量的緩和には踏み切れない状況だと思う。また政治的にも9月中旬は大統領選挙にも近いので、金融政策を動かすにはまことにまずい時期である。政治におもねったと捉えられかねない。やるならば8月までにやるべきである。でも実際に9月のFOMCで緩和がなくても、大統領選挙が終わった11月にやるだろうという期待がまた高まることになるのだろう。
もうひとつの材料は欧州である。7月26日にECB(欧州中銀)総裁自ら、「何でもやる」といってしまった以上、木曜日のECB理事会で何をやってくるのか見ものである。利下げをし、債券購入もし、一時期に騒がれた長期金利のターゲットもやるのだろうか。
アメリカが先延ばしになるだろうとの観測があるのに対して、ECBのほうは緩和をやるだろうとみられている。これだけでもドル買い材料であると同時に、ユーロ売り材料だ。それなのにユーロドルは堅調である。まるでECBは何もやらないだろうとでも言っているように。こういう事情から私個人としては、アメリカの政策よりもECBの金融政策のほうに強い関心を持っている。
今晩はアメリカのISMの景況観指数が出るが、マーケットは反応しづらいだろう。すでに明日からの一連の重要指標に注目が集まっているので、様子見の姿勢が強まりそうだ。私としても同じく状況を見ることに徹し、ユーロドルの1.26台が売り場なのか、買い場なのかを、今日のニューヨーククローズで判断したいと思う。
日本時間 17時30分
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