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サプライズはあるか!? 火曜日だけど今夜、
米雇用統計発表! QE縮小はどうなる?

2013年10月22日(火)13:17公開 (2013年10月22日(火)13:17更新)
ザイFX!編集部

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■米雇用統計、火曜日だけど今夜発表予定!

 一連の米諸問題を受けて発表が見送られていた9月の米雇用統計が異例ではありますが、本日2013年10月22日(火)午後9時30分に発表される予定になりました。ちなみに、10月分は当初予定されていた11月1日(金)から11月8日(金)午後10時30分発表へと延期されています(いずれも日本時間)。

 今回のように、米雇用統計の発表が延期されたのは、1995年~96年に起こった米政府機関の閉鎖の時、以来だそうです。めったにないことだとは思いますが、前例はあるんですね…。

 当記事では、9月の米雇用統計の注目ポイントと今後のマーケット動向のカギを握りそうな注目材料について、ざっくりと確認しておきたいと思います。

■米財政協議は妥協案で合意に至ったが…

 2013年10月17日(木)、予想どおり土壇場で米財政協議が合意に至り、課題は残すものの債務上限問題も一応の決着をみて、とりあえず米国は目先のデフォルト危機を脱しました。

 ただ、今回の合意内容をみると、債務上限は2014年2月7日(金)までの引き上げ、政府資金は1月15日(水)までしか手当てされていないというもの。これは、あくまで暫定措置に過ぎない状況です。次回は今回ほど混乱しないのではないか? との見方もあるようですが、根本的な解決に至ったワケではありませんので、今後も注意が必要と言えますね…。

【参考記事】
台風一過で米国デフォルトひとまず回避。レンジは逆張り。豪ドルは押し目買いを!(10月17日、今井雅人)
米国の債務上限問題は事態が好転!利下げが遠のいた豪ドルの回復に注目!(10月17日、西原宏一)

 こうした不安材料を抱えていることもあって、目先の最悪の事態は回避できたにも関わらず、マーケットの反応はちょっと冷ややかなものとなりました。材料の出尽くし感もあったのでしょうか。

米ドルVS世界の通貨 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足

 米ドル売りに傾いていたマーケットは、一気に米ドル買いへ! とはいかず、やや膠着状態に陥っています。

■政府機関の再開で雇用統計も遅れて発表! 予想は…?

 もう1つ忘れてならないのが、デフォルト回避とともに16日間に渡って行われた米政府機関の閉鎖が解除され、やっと正常になったということ。閉鎖中は、重要指標の発表が延期されるなどイレギュラーな事態が続いていましたね。

 なんでも、政府機関の閉鎖で自由の女神や国立公園などの公開も中止され、観光客から多数のクレームが寄せられていたんだとか…。長引けば、観光業へ与える影響も大きくなる可能性があったのかも…。閉鎖が解除されて良かったです。

【参考記事】
自由の女神閉鎖で観光客の怒り買う米国。米ドル/円97円台は買い方針だけど…(10月3日、今井雅人)

 冒頭にお伝えしたとおり、政府機関再開を受け、一連のドタバタ劇の影響で発表が見送られていたキング・オブ経済指標、9月の米雇用統計が、本日10月22日(火)、午後9時30分に発表される予定です。

 ここで、最近の非農業部門雇用者数変化、失業率の予想と前回までの推移をチェックしておきましょう。

【9月米雇用統計 予想&前回】

非農業部門雇用者数変化
前回:+16.9万人 予想:+18.0万人
失業率
前回:7.3% 予想:7.3%

米雇用統計の推移

 ここまで発表されている9月米雇用統計の主な先行指標、ADP雇用統計や新規失業保険申請件数、ISM非製造業景況指数は、以下のとおり。

【米雇用統計の主な先行指標データ】

米ADP雇用統計(10月2日発表分)
前回:17.6万人(その後、発表された修正値:15.9万人) 予想:18.0万人 結果:16.6万人

米新規失業保険申請件数(9月第1週~10月第1週発表分)
9月第1週:29.2万件(その後、発表された修正値:29.4万件)
9月第2週:30.9万件(その後、発表された修正値:31.0万件)
9月第3週:30.5万件(その後、発表された修正値:30.7万件)
9月第4週:30.8万件
10月第1週:37.4万件(その後、発表された修正値:37.3万件)

ISM非製造業景況指数(10月発表分)
前回:58.6 予想:57.0 結果:54.4
☆雇用指数 前回:57.0 結果:52.7

 ご覧のとおり、大きな落ち込みは見せないものの、それほど芳しい数値が出てきているわけでもないようです。これを見ると、今回の米雇用統計も、そこまで良い結果は期待できなさそうな気がしますが…果たしてどうなるのでしょうか?

 米雇用統計の結果は、再び注目が集まっている米QE縮小開始時期の問題へ直結することからも、ぜひチェックしておきたいところですね。

 ちなみに、米雇用統計以外にも発表が延期されていた9月米卸売物価指数は10月29日(火)、9月米消費者物価指数は10月30日(水)に発表される予定ですので、あわせてチェックしてください。

■マーケットの注目はQE縮小開始時期へ移行!

 話は少し遡りますが…10月9日(水)、オバマ米大統領は、2014年1月に任期切れとなるバーナンキ氏の後任のFRB議長に、ハト派で有名なイエレン氏を指名。就任すれば、FRB初の女性議長誕生となります。

【参考記事】
米FRB初女性議長は雇用重視のハト派!大きく株高・円安が進まない理由とは?(10月10日、今井雅人)
豪ドルが欧州通貨に対し急反発。債務上限問題が収まれば対円、対米ドルでも反発か(10月3日、西原宏一)
米国債がデフォルトすることはあり得ない!新興国投資からなぜ、撤退すべきなのか?(10月16日、松田 哲)

 イエレン氏の指名そのものは織り込み済みだったため、マーケットに大きな反応はありませんでしたが、ハト派のイエレン氏が次期FRB議長に正式に指名されたことで、一時的ではあるものの、金融緩和が長引くのでは? との期待からマーケットは少し株高へ傾きましたね。

 それが、米財政問題のゴタゴタ劇を経た今、金融緩和が長期化するとの見方がさらに強くなってきているようなのです。

 16日間におよぶ政府機関の閉鎖が、米景気回復の勢いを削いだとの声も聞かれるなか、緩和継続期待を背景に米ドル売りが進み、10月18日(金)に、ユーロ/米ドルは1.37ドルを超える展開に。

ユーロ/米ドル 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 4時間足

 米ドルは、他の主要通貨に対しても下落し、全面安の様相となりました。

米ドルVS世界の通貨 4時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足

 「米国の金融緩和が長期化するのでは」との見方が強まったわけなので、株価の方は比較的、堅調に推移しています。特にNYダウよりもナスダックが順調に上昇してますね。

参考:米国株(US30) 日足

(出所:米国FXCM

参考:米国株(NAS100) 日足

(出所:米国FXCM

■米雇用統計でQE縮小開始への期待感が変わりそう

 とはいうものの、今のところマーケットに大きな方向感は感じられず、冒頭でお伝えしたとおり、やや膠着状態。やはりポイントとなるのは、米雇用統計の結果と、その先にあるQE縮小開始時期についてでしょうか。

 2013年12月にもQE縮小が開始されるのでは? との見方もあるものの、年内の縮小開始は難しいのでは? との声もここへ来て、多く聞かるようになりました。

米雇用統計の結果が弱いものになれば、12月の縮小開始も見送られるとの見方がさらに優勢になるのかもしれません。逆に良い結果になれば、12月に縮小が開始されるのでは? との期待感が息を吹き返す可能性もありそう…。

 11月8日(金)に予定されている10月の米雇用統計は、政府機関閉鎖の影響を反映したものですので、一部では、本日10月22日(火)に発表される9月の米雇用統計以上に注目されているようですが…。どちらも見逃せないイベントであることに違いはありませんね。イレギュラーな状況だけに、いつも以上に注意しておいて損はなさそうです。

■10月の米FOMCにも注目!

 そして、雇用統計が終われば、次の注目イベントは、10月29日(火)~30日(水)に予定されている米FOMC(米連邦公開市場委員会)! 万が一ここで縮小開始が発表されたら、それこそサプライズ!

 なのですが、11月8日(金)に10月の米雇用統計発表を控えるなかでのFOMCでもありますので、さすがにサプライズな内容は出てこないのではないか? ともみられているようです。いったいFRB(米連邦準備制度理事会)は、QE縮小に関してどんなスタンスを示すのか、いずれにしてもその内容には注目したいですね。

 ということで、今夜は火曜日ですが、午後9時30分には9月米雇用統計の発表が予定されています。サイバーエージェントFXなどでは、緊急のウェブセミナーが開催されるなど特別イベントを企画するFX会社もチラホラ…。チェックしてみてもおもしろいかもしれませんよ!

 繰り返しになりますが、今後のマーケット動向を握る重要なポイントであるとともに、イレギュラーな状況のなかでの発表ですので、いつも以上にマーケットの動きには注意しましょう!

(ザイFX!編集部・向井友代)

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