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今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

米緩和縮小期待の高まりは誤った判断!
なぜ株高・円安? 11月相場はまだ伸びる

2013年11月21日(木)18:32公開 (2013年11月21日(木)18:32更新)
今井雅人

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■国内外の投資家が株を買い、円を売る理由

 11月20日(水)、公的年金などの資産運用の改善策を検討する政府の有識者会議が最終報告書を取りまとめました。対象は、独立行政法人・国立大学法人などが運用する総額200兆円を超える資金で、なかでも国民年金と厚生年金の積立金120兆円を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が中心となっています。

 その中で、運用の内容と運用の体制について議論されていますが、内容では、ポートフォリオの見直しが提言されています。

 具体的に見ると、

1. 国内債券の比率を引き下げる
2. 分散投資で収益最大化に努力する
3. 運用対象に不動産投資信託、インフラ、未公開株、商品などを加えることを検討
4. 株式などの個別銘柄を選ぶアクティブ運用の比率引き上げを検討
5. 株式指数に連動した成績を目指すパッシブ運用では、高収益企業を選んだ新指数の採用を検討

 などとなっています。

 簡単に言えば、今まで安全な運用を基本として、国内の債券、とりわけ国債を中心に投資してきましたが、これからは、もう少しリスクのある投資もやっていこうということです。

 こうした報告書を受けて、GPIFなどの運用機関が投資方針を変えると決まっているわけではありません。GPIFは、厚生労働省の所管であり、この役所は非常に慎重な考え方を持つ省でありますから、かなりの抵抗も考えられ、ここは安倍総理のリーダーシップが問われることになるでしょう。

■市場は期待で動くもの。12月の決算前にもう一勝負あるか

 しかし、市場は期待で動くもの。今回の報告書を受けて、さっそく国内外の投資家は日本株を買い、海外投資も増えるとの思惑で円を売っているようです。

日経平均株価 日足

(出所:株マップ.com

世界の通貨VS円 1時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 1時間足

 海外の投資家は12月の決算の前にもう一勝負、仕掛けてくるということもあるでしょう。

■FOMCで高まった緩和縮小期待は間違い!

 また、11月20日(水)のニューヨーク時間には、10月29日(火)、30日(水)開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録が発表されました。

「もし経済の状況が正当化されれば、数カ月以内の資産購入ペースの減速を決定できるとおおむね予想した」という表現が盛り込まれています。これを市場関係者は、「金融緩和縮小の可能性が高まってきた」と判断したようですが、それは誤った判断だと思っています。

 まず、バーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、2014年の1月末で退任するため、彼の任期中に大きな政策変更をするとは考えづらいです。新しくFRB議長に就任する予定のイエレン氏は、以前も紹介したとおり、かなりのハト派です。最近の発言でも、現在の米国の失業率は高過ぎると発言しています。

 ご存知のとおりFRBの役割には、物価の安定とともに、雇用の最大化ということが明記されています。失業率が高過ぎるという発言をしている限り、やはり失業率が6%台半ばになるか、あるいは、そうなることが確実視されなければ政策変更はしないでしょう。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移

 チャート的には、株、為替ともにもみ合いを抜けているので…


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