■珍しいブラジルレアル/円が新たに取引できるようになった
4月12日(火)からIG証券では新たな通貨ペア、「ブラジルレアル/円」が取引できるようになった。
IG証券といえば、取扱い通貨ペアは90以上もあり、日本のFX会社の中ではサクソバンク証券に次ぐ通貨ペア数を誇る。

そんなIG証券でも、これまでブラジルレアルは対米ドルでの取扱いはあったが、対円での取扱いはなかった。
【参考記事】
●ワールドカップ開幕!日本の優勝確率は? ブラジルレアルが取引できる口座はある?
もっとも、対米ドルだろうが、対円だろうが、日本のFX会社でブラジルレアルを取引できること自体が珍しい。
上表にあるように、サクソバンク証券などは160以上もの通貨ペアを取扱っているのだが、同社を含め、日本のどのFX会社を見回しても、ブラジルレアルの取引をできるFX会社はIG証券以外にないのだ。
ブラジルはBRICs(※)の一角として、投資の世界でも注目されている国であるにもかかわらず、日本のFX会社でブラジルレアルを取扱っているのがIG証券だけというのはちょっと意外だ。
(※「BRICs」とは今後、大きな経済成長が見込まれる新興国で、ブラジル(B)、ロシア(R)、インド(I)、中国(C)の4カ国の頭文字をつなげた造語。最後の文字「s」を南アフリカとして、計5カ国を指す場合もある)
これまでもブラジルレアルを日本で唯一取引することができたIG証券だが、今回のリリースにより、今後は対米ドルも対円でもブラジルレアルの取引が可能になった。
■ブラジルの政策金利は14.25%とダントツ!
ブラジルレアルといえば、高金利通貨として有名だ。
以下は、主要国の政策金利をまとめたグラフだが、ブラジルの政策金利は14.25%とダントツ。高金利で知られる南アフリカやトルコといった国を大きく上回っている。

そこで気になるのがスワップ金利ということになる。
IG証券で提示されているブラジルレアル/円のスワップ金利だが、記者が取引システムにログインして調べてみたところ、4月25日(月)は買いポジション保有で0.82となっていた。
これだと、実際にスワップ金利をいくら受け取れるのかよくわからない。そこで、記者が問い合わせてみたところ、この場合だと、1万通貨の買いポジションを保有した場合、1日に82円程度を受け取れるそうだ。
1日=82円ということは、単純計算で、以下のようになる。
・ 82円×1カ月(30日) = 2460円
・ 82円×6カ月(180日) = 1万4760円
・ 82円×1年(365日) = 2万9930円
ブラジルレアル/円の為替レートは現在、1レアル=31円程度。ブラジルレアルを1万通貨持つと、31万円相当のポジションになる。それを1年間持てば、約3万円のスワップ金利が受け取れると聞くと、なかなか良さそうに思える。
ただ、スワップ金利は基本的に固定ではなく、マーケット状況に応じて変動するので、上の例は、あくまで82円に固定した場合の話であることにはご注意を。
また、ブラジルレアルのような新興国通貨は流動性が低いので、ちょっとした材料でも相場が急激に動いてしまうリスクもある。約3万円をタダもらいというわけにはいかない。スワップ金利以上に為替差損を被る可能性もあることには注意しておきたい(もちろん、相場が上昇して、スワップ金利と為替差益のダブルで儲かる可能性もある)。
ちなみに、以下はIG証券でブラジルレアル/円を取引する際のスプレッドなどの取引条件をまとめたものだ。
上表を見ると、スプレッドは標準で5銭、最小で3銭となっている。また、通常、FXは24時間トレードできるが、ブラジルレアル/円については、いつでも取引可能というわけではないのでご注意を。
次にブラジルレアルの通貨制度についてだが、こちらは1999年1月に自由変動相場制に…