■米雇用統計は微妙な数字も「利上げOK」な水準
先週、10月7日(金)に発表された米雇用統計のNFP(非農業部門雇用者数)は予想よりも少し悪い15.6万人の増加。微妙な数字ですね。
「12月の利上げが遠のいた」なんて考えるアナリストもいるようです。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 米国主要経済指標の推移)
強い数字ではありませんが、12月の利上げを否定するほどの数字でもありませんからOKでしょう。
ただし9月も雇用統計が悪くない数字だったのにその後の経済指標が悪く利上げ見送りとなった経験がありますから、もちろん今後の経済指標次第。
市場が利上げを織り込みにいかないようなら見送るのでしょうが、OIS(金利スワップ市場)での12月利上げ織り込み度は61%。いい水準です。
■サウジアラビアの態度軟化が原油に追い風
動きが出ているのがコモディティ市場。先週(10月3日~)はWTI原油価格が1バレル50ドルを突破する瞬間もありました(※)。
(※編集部注:この対談は10月10日(月)の東京時間に行なっています。WTI原油価格は、同日の海外時間に入り一時、51ドル台後半まで上昇しました)

(出所:CQG)
大橋さんが先週、10月3日(月)の対談で予想したとおりの展開ですね。
【参考記事】
●日銀決定は実質ヘリマネとの見方ジワリ。異様に底堅いドル/円の100円台は買いか(10月3日、西原宏一&大橋ひろこ)
アメリカの原油在庫を見ても減少してきていますし、なによりサウジアラビアが態度を変えたことが大きい。
イランが増産した分をサウジアラビアが減産するとまで軟化させています。サウジアラビアは今年(2016年)、イランと国交を断絶したばかりなのに…。
原油とは反対に、ゴールドは200日移動平均線を割ってきました。

(出所:CQG)
原油が上昇して、ゴールドが売られて、コモディティを為替の先行指標と考えるならリスクオンとなりそうですね。
原油がしっかり推移していることで米国株のサポートとなる局面もありましたし。

(出所:CQG)
株が底堅いのでリスクオンとも言えますが、一方で英ポンドが急落。リスクオン的なクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の円安はともなっていません。
為替を見ると総じて米ドル買いの動き。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 4時間足)
英ポンド/米ドル暴落の影響で英ポンドが微妙なため、クロス円の上値は重いかもしれないですが、米ドル/円には好材料です。
(次ページでは原油のターゲットや外国人の日本株売りの話題が…)
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