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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

ユーロ/米ドルは長期トレンドライン割れで
パリティも視野。FOMC利上げ100%織り込む!

2016年12月05日(月)19:30公開 (2016年12月05日(月)19:30更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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■ファンダ、テクニカルとも売りを示唆するユーロ

今朝(12月5日)のイタリア国民投票は否決。


早朝、ユーロが急落、米ドル/円も113円割れの場面がありましたが、何事もなかったかのように113~114円台へ戻しています。

米ドル/円 30分足
米ドル/円 30分足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 30分足

方向としては「ユーロ解体」に向かっていくのでしょうか?

イタリア国民投票はどちらに転んでもリスクが高まると思っていましたので、ここまでは予想どおりの展開。

【参考記事】
米国の感謝祭明けで相場のムード一変!? 米ドル/円はイベント次第も調整の1週間か(11月28日、西原宏一&大橋ひろこ)

否決ということでユーロ離脱の国民投票実施を要求しているポピュリズム政党の「5つ星運動」が勢力を増してくるのでしょう。


テクニカル分析面からも、注目していたユーロ/米ドルの超長期トレンドラインを割り込んで11月が終了。大きな下落の始まる可能性があるとみています。

【参考記事】
日銀の「指値オペ」、その真の意味とは? ユーロ/米ドルは超長期サポート割れ寸前(11月22日、西原宏一)

ユーロ/米ドル 月足
ユーロ/米ドル 月足

(出所:CQG)

超長期トレンドラインの起点となった安値後のもみ合い期間が20カ月。


足もとのもみ合い期間も20カ月を経過して、そろそろ動き出しそうな時期ですよね。


■8日のECB理事会では資産買い入れの期間延長へ

ただし、ユーロ/米ドルは1.05ドルに大きなオプション(※)が設定されています。


期限は今週、12月9日(金)。それまでは1.05ドルから大きく離れることはなさそうですが、昨年(2015年)安値の1.0470ドル、さらにはパリティ(=1.0000ドル)を目指していく可能性は高まっています。

(※編集部注:金融市場における「オプション」とは、ある特定の期日に、あらかじめ決められた価格で「買う権利」あるいは「売る権利」のこと)

ユーロ/米ドル 週足
ユーロ/米ドル 週足

(出所:CQG)

12月8日(木)にはECB(欧州中央銀行)理事会が開催されますよね。


テーパリング(※)か、資産買い入れの延長か、ドラギ総裁は12月に議論すると言っていましたが、テーパリングはないでしょうね。

(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)

エコノミストの予想でもテーパリングは極めて少数派。


資産買い入れの期間延長がコンセンサスとなっていますので、ファンダメンタルズから見てもユーロ/米ドルは売りがいいのだろうと思います。

■投機筋は円ロングを継続、上昇材料に

米ドル側の要因を見ても、先週末、12月2日(金)の米雇用統計も期待ほどの数字ではなかったものの無事に通過。

米非農業部門雇用者数の推移

(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 米国主要経済指標の推移

来週、12月13日(火)~14日(水)にかけて開催される、FOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げは確定ですよね。

織り込み度も100%。間違いなく利上げするのでしょう。

米国政策金利
米国政策金利

(詳しくはこちら → 経済指標/金利: 各国政策金利の推移

ここからはドットチャート(※)のほうへ注目が移りそうですね。

(※編集部注:「ドットチャート」とは、FOMCメンバーのFFレート誘導目標の見通しを分布図で示したもの)

アメリカが来年(2016年)、何度利上げするのか、コンセンサスとしては2回から3回程度です。


動きがあったのはIMM(国際通貨先物市場)のポジション。今年(2016年)、ずっと円ロングだったのが先週(11月28日~)、ネットで円ショートに転換しました。

IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況
IMM(国際通貨先物市場)のポジション状況

(詳しくはこちら → 経済指標/金利: シカゴIMM通貨先物ポジションの推移

ただ、建玉の詳細をみると、円ロングが減ったわけではなく、円ショートが増えたことによる転換です。


投機筋の円ロングはまだ切れたわけではないので、彼らが切ってきたとき、米ドル/円はもう一段の上昇余地がありそう。

今回の米ドル/円上昇はスピードが急だったために周囲を見ても買えていない人が多い。


モルガン・スタンレーが発表した来年(2017年)の注目トレードも米ドル/円のロング。この予想が発表されると、先取りする動きが出て、12月中から動き始める場合もあります。

【参考記事】
米次期財務長官は元GS・ムニューチン氏。強気材料豊富なドル/円、次は120円へ!(12月1日、西原宏一)

昨年(2015年)の英ポンド/円はその典型。12月後半からBrexit(英国のEU離脱)の動きを先取りして下げ始めました。


今年(2016年)も年末に向けて米ドル/円再上昇の可能性があります。


「115円でトップアウト」とのコメントも多いのですが、いずれ120円方向へ抜けていくイメージです。

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足

(出所:CQG)

ただ、目先のチャートを見ると115円がちょっと重たそうですね。

調整には時間による調整と値幅による調整があります。


今回は大きく下げずに高値圏でもみ合う時間的な調整を経て、米ドル/円は115円を抜いていくのかなと思います。


■米ドル/円の買い、ユーロ/米ドルの売りを継続

今週(12月5日~)はECB(欧州中央銀行)理事会だけでなく、明日、12月6日(火)にRBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])9日(金)はメジャーSQ(※)、10日(土)にはOPEC(石油輸出国機構)とOPEC非加盟国による会合があります。

(※編集部注:「SQ」とは日経225先物などの株価指数先物や株価指数オプションといった取引の最終決済を行なうための価格のこと。株価指数先物は3月、6月、9月、12月の第2金曜日、オプション取引は毎月第2金曜日がSQ算出日となっている)

先週、11月30日(水)のOPEC総会は予想外の減産合意でしたが、今回はロシアなどOPEC非加盟国が参加しての会合。ロシアも減産の意向を示しています。

RBAは無風でしょう。気になるのは日経平均。


12月に入りましたが、今月1万8818円を超えて終わると、年足が陽線となります。

一方で昨年(2015年)12月の米ドル/円は120円台。日経平均に比べると戻りが弱いんですよね。


昨年(2015年)と比べて今のほうが日米金利差も拡大しているのに…。

米10年物国債利回り&日10年物国債利回り 週足 
米10年物国債利回り&日10年物国債利回り 週足

(出所:CQG)

そうしたことから見ても米ドル/円は買いだし、ユーロ/米ドルは売り。米ドル買いのポジションでよさそうですね。

(構成/ミドルマン・高城泰)

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