昨日はアジア時間でクロス円に強烈に買いが入った。ユーロ円は123円台まで値を戻し、12月になってつけたBREXIT以来の戻し高値である124円台を目指す動きとなった。しかし海外市場では流れが逆転。クロス円は一斉に下げだした。
欧州時間まではドル円も上昇していたので、あまり気にも留めなかったが、ニューヨーク時間の午後になるとドル円も下げ傾向が鮮明になってきたので、円の全面高が顕著になってきた。
ドル円はここ最近の安値圏を形成している116円台にまで沈んだ。これは年末特有のリスク資産の手じまいなどがかさんで、米国株も久しぶりに大きく下げたためのリスクオフのせいである。
しかし116円台は上がっていくときに素通りしたところ。テクニカル的にいうとギャップが空いているようなものだ。だから簡単には埋まらないものとされている。その教科書通りに、116円台に入ってくると下げのテンポが遅くなった。そしてニューヨーククローズまでには117円台に上がって終了。
それを今日のマーケットでは円高方向に攻めている。午前中のうちに前日の安値を下回ってきていて、ちょっとだけだけだが下値不安が醸しだされている。今晩はイベントが少ない。
為替相場を見るうえで注意しないといけないのは、やはり続落している米国株の動向だろう。そしてマドとしてワークしているドル円の116円台という下値だろう。ドル円は115円台に突入しようものならば、結構、あっさりと2円くらいは深押しするのではなかとも思えるし、注意が必要だ。
さて今年の振り返りの最終回である。2016年の第4四半期だ。9月下旬から始まった大統領選挙のテレビ討論会では、クリントン候補の優勢が確実視されるのに役立った。あまりトランプ氏が彼らしい意見を述べなかったからだ。まともになったトランプ氏だったら、票を得ることは難しいだろうという評価が強まった。
そして本選にいたるまでクリントン氏が優勢という報道ばかりとなった。マーケットもクリントン氏が当選することを前提としていたので、大きな波乱はなし。相場が大きく崩れることもなかった。
しかし実際にはトランプ氏が当選。当日こそはリスク回避の動きが強まったが、それもすぐに流れは反転した。そしてトランプ相場というラリー状態が年末まで続くこととなった。
マーケットにとってトランプ氏の当選は悪材料だったはずなのに、公共投資の増大や減税など、いいところ取りを先にやったという形となっている。またOPECが原油生産に関して合意したことも原油相場を押し上げており、リスクテークが過剰気味で2017年を迎えることとなった。
日本時間 15時30分
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