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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

ついに今週は米大統領就任式。ドル/円は
112円がトランプラリー継続の分水嶺

2017年01月16日(月)17:20公開 (2017年01月16日(月)17:20更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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■トランプの米ドル高牽制発言はまだ先か

日本時間1月20日(金)深夜26時、いよいよトランプさんが米大統領に就任します。


就任演説で何を話すのか、市場がどう反応するのかが、今週(1月16日~)最大の焦点ですね。


米ドル高への警戒感を示すのでは…との見方もありますが……。

1月20日(金)に米大統領に就任するトランプ氏。トランプ大統領は就任演説で何を話すのか? (C)Scott Olson/Getty Images

1月20日(金)に米大統領に就任するトランプ氏。トランプ大統領は就任演説で何を話すのか、そして、市場の反応は… (C)Scott Olson/Getty Images

アメリカの方向性は利上げ、減税、大規模財政出動といずれも米ドル高に帰結する政策ばかり。

【参考記事】
2017年のドル/円は調整あっても130円へ! リスクオフの円高が継続しないワケとは?(2016年12月22日、西原宏一)

これから政策を実行していこうという段階で米ドル高を牽制するというのも矛盾ですよね。


いずれ米ドル高牽制発言が出てくる可能性はありますが、今の段階では考えづらい。米ドル高のデメリットに対しては「国境税」で対応していくのでしょう。

【参考記事】
トランプ氏の記者会見は期待はずれだが、国境税に注目! 中期ドル買いの好機到来(1月12日、西原宏一)

トランプさんの性格からすると今後、政策が思うように進まなくなったときに「悪いのは米ドル高だ!」と責任転嫁の材料に使うのかもしれないですね。


ただ、ようやく米大統領就任という段階の「今」じゃない。それはたぶん、かなり先のリスクじゃないかと思います。


今週(1月16日~)は世界の首脳や経済界の要人が集結する「ダボス会議」が始まるのですが、トランプ政権は代表を派遣しないようです。


■習近平が参加、トランプ政権は欠席するダボス会議

一方で中国の習近平は中国の国家主席として初めてダボス会議に参加し、講演します。


ダボス会議といえば、政治経済のグローバル化をめざす人たちが集結する場。


そこへ中国首脳が参加し、アメリカ首脳が欠席するというのはおもしろい構図ですね。

昨年(2016年)、中国人民元がSDR(IMFが設定した特別引き出し権)に採用されましたから、習近平さんとしては国際社会の一員となったことを誇示したいのでしょうし、中国経済の先行きについての焦りもあるのかもしれないですね。


習近平さんのスピーチがクローズアップされるようなら石炭や鉄鉱石、銅などのコモディティが動く可能性がありそうです。

NY銅先物 日足
NY銅先物 日足

(出所:Bloomberg)

■Brexitで右往左往しても結局はトランプ

今週(1月16日~)はECB(欧州中央銀行)理事会もありますが開催は19日(木)。


つまり、米大統領就任式の前日ですから、このタイミングで政策を変更することは考えづらい。

最近ではユーロ圏の経済指標が良好でインフレの兆候もあり、今年(2017年)はテーパリング(※)がテーマとして浮上してきそうです。そうなるとユーロは下がりにくいのかもしれません。


でも前回のECB理事会で量的緩和の延長を決めたばかり。ドラギ総裁が「テーパリングなんて考えてもいない」と語気を強めるようならユーロが動く可能性がありそうです。

 

年末年始はユーロのパリティ(=1.0000ドル)予想が大勢でしたが、一筋縄ではいかないムードですね。

 (※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足

(出所:Bloomberg)

あとは英ポンドですね。今朝(1月16日早朝)、ハードブレグジット(※)への懸念から英ポンドは大きく下窓を開けて始まりました。

(※編集部注:「ハードブレグジット」とは、英国がEUを離脱することに伴って、移民制限を優先し、EUへの単一アクセスを断念することを指す)

英ポンド/米ドル 1時間足
英ポンド/米ドル 1時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 1時間足

英ポンド/円 1時間足
英ポンド/円 1時間足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 1時間足

1月17日(火)にはイギリスのメイ首相がBrexit(英国のEU離脱)についてのスピーチを行ないます。


ただ、ユーロにしても英ポンドにしても個別の材料で動いたところで大きな流れを決めるのは結局、トランプのひと言。しばらくはトランプを注視していればいいのでしょう。


■ドル/円は112円がトランプラリー継続の分水嶺に

米ドル/円チャートを見ると、トランプラリーでの23.6%である114.50円を下抜け。


次は38.2%の112円を試すことになります。ここで下げ止まらないと、上昇トレンドの継続に疑問符がついてしまいますよね。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:Bloomberg)

昨年(2016年)前半の円高局面では「アベノミクスの終焉」と囃されましたが、アベノミクス円安の50%がサポートとなり円安が再燃しました。

【参考記事】
ヘリコプターマネーの憶測でアベノミクスに反撃の兆し? ドル/円は107円が焦点!(2016年7月14日、西原宏一)

必ずしも、米ドル/円が38.2%を下抜けしたら、それがトランプラリーの終焉とは思いません。


中期的な方向としては米ドル高が継続すると考えています。


ただ、118円台ミドルでダブルトップとなっていることもあり、112円を割ってしまうと混沌としてきそう。112円が重要な節目であることはたしかですね。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:Bloomberg)

米大統領就任式を通過してトランプラリーが再開する可能性もありますか?

十分あるでしょう。先週、1月11日(水)の記者会見が決まっていない、昨年(2016年)末時点では「米大統領就任式前後で調整があるのでは?」との見方がコンセンサスでした。


ところが、先週の記者会見をきっかけにして早めに調整が始まっています。

 

米ドル/円の前回高値118.66円をつけた12月15日(木)から1カ月が経過し、時間的にはそろそろトレンドが再開してもいい時期です。

【参考記事】
トランプ氏の記者会見は期待はずれだが、国境税に注目! 中期ドル買いの好機到来(1月12日、西原宏一)

いずれにせよ、本日(1月16日)はアメリカが休日ということもあり、米大統領就任式前日あたりからの動きがメインでしょう。


それまではニュースのヘッドラインに振り回されないように注意しながら、1月20日(金)に集中したいですね。

 (構成/ミドルマン・高城泰)

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