高金利通貨として知られているトルコリラ。値動きが激しく、リスクが大きい反面、高金利通貨ならではのスワップ金利(スワップポイント)が魅力ですよね。
ザイFX!では、2015年4月7日(火)よりトルコリラ/円のチャートを掲載し、ザイスポFX!でもこれまでに何度もトルコリラ/円を扱うFX会社について紹介してきました。
【参考コンテンツ】
●FX会社徹底比較!:トルコリラ/円が取引できるFX会社はここだ!
【参考記事】
●高額スワップも魅力! トルコリラ/円の為替チャートをザイFX!で掲載開始!
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そんななか、ヒロセ通商がこれまで1000通貨あたり6000円だったトルコリラ/円の必要証拠金額を、2017年2月27日(月)から半額の3000円に引き下げました。
これを機に(?)、必要証拠金をはじめとして、FX各社のトルコリラ/円の最新のスワップ金利やスプレッドなどのスペックをあらためて比較してみたいと思います。
■非常事態宣言継続中でも底堅いトルコリラ/円
トルコといえば、2016年7月のクーデター未遂と非常事態宣言が記憶に新しいですよね。
【参考記事】
●非常事態宣言&格下げでも意外に底堅い? FXプライムが新規参入したトルコリラの今
この非常事態宣言は、つい最近の2017年1月に3カ月の延長が発表され、まだ継続中です。こうした不安定な政情を受けてか、トルコリラ/円の動きを週足で見ると、長期的に下落しています。いくらスワップ金利が高くても、これだけ下がっていると、トルコリラ/円買いは怖い感じもします。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:トルコリラ/円 週足)
ただ、日足を見てみると、必ずしも下落一辺倒ではありません。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:トルコリラ/円 日足)
年明けすぐ、非常事態宣言の延長が発表されたタイミングで29円あたりまで大きく下落していますが、2月に入ってからはむしろ上昇した場面もあり、意外と底堅いと見ることもできます。
ザイスポFX!では以前、ヒロセ通商[LION FX]を取り上げ、トルコリラ/円のスワップ金利とレート下落を比べて、元本割れのしきい値がどこなのかを探った記事を掲載したことがあります。
【参考記事】
●スワップ金利41万円!? トルコリラ/円は40円→5円まで下落しても元本割れしない!?
その結果、上記の【参考記事】のタイトルにもあるように、トルコリラ/円が5円まで下がっても、スワップ金利のプラス分との差し引きで元本割れしないという結果が出ました。
もちろんこれは、「ヒロセ通商[LION FX]のこの時点での条件なら……」というただし書きつきの極端な例ですし、急激に変動するリスクは知っておくべきです。
けれども、トルコリラ/円の最近の底堅さを考えると、スワップ金利を狙ってトルコリラ/円を買いに出るチャンスはまだまだ十分にあるといえるのではないでしょうか。
■ヒロセ通商の新しい必要証拠金は他社と比べると……?
冒頭でも触れたように、そのヒロセ通商[LION FX]のトルコリラ/円の必要証拠金が、2017年2月27日(月)から引き下げられました。
必要証拠金は、「定額で変動しないケース」と「実勢価格に対する比率で算出するため変動するケース」とがあります。通常は変動するケースが多いのですが、ヒロセ通商[LION FX]の場合は定額。その額が、1000通貨あたり6000円から3000円になりました。
先ほど、トルコリラ/円のレートは30円台半ばと書きましたが、便宜上30円として考えると、1000通貨ということは日本円にして3万円分。ここからヒロセ通商[LION FX]の必要証拠金率を算出すると、これまでの6000円は20%、引き下げ後の3000円は10%にあたります。
ということは、レバレッジも5倍から10倍にアップしたことになりますね。
![ヒロセ通商[LION FX]の1000通貨あたりの必要証拠金の変更](/mwimgs/f/d/-/img_fd2c43ef6781c6a66293dbd30b2e90b727109.jpg)
こうして見ると、たしかに必要証拠金額は下がったのですが、これはレバレッジ10倍(必要証拠金率10%)という水準です。FX取引を行っている人なら、「ん? 待てよ」と思ったのではないでしょうか。
そうです、これはトルコリラ/円に限らないのですが、レバレッジ規制で2011年8月1日以降はレバレッジが最大25倍(必要証拠金率なら4%)までとされましたよね。
そして、通常の通貨ペアなら、規制内の最大値であるレバレッジ25倍(必要証拠金率4%)で取引できるのが一般的です。そう考えると、レバレッジ10倍、つまり必要証拠金率10%というのは、まだまだ高い率だといえるのです。
ただ、必要証拠金率が高いからといって、必ずしも取引がしにくいというわけではありません。同じ必要証拠金率でも、最低取引単位が多ければそれだけ必要証拠金も高くなりますし、スワップ金利やスプレッドなど、他の要素も判断材料としてチェックする必要があるでしょう。
そこで、トルコリラ/円を扱っている主要FX口座の最新スペックを比較してみたいと思います。
■大きな差がなくなった各社のスワップ金利
まずは、気になるスワップ金利に注目してみましょう。
口座名 | スワップ 金利 |
スプ レッド |
最低 取引 単位 |
必要 証拠 金率 (額) |
レバ レッジ |
手数料 |
---|---|---|---|---|---|---|
ヒロセ通商 [LION FX] |
86円 | 4.9銭 原則 固定 |
1000 通貨 |
― (定額 3000円) |
10倍 | 無料 |
FXプライム byGMO [選べる外貨] |
86円 | 8.0銭 原則 固定 |
1000 通貨 |
4% (1200円) |
25倍 | 無料 (1000 通貨は 30円) |
くりっく365 | 84円 | 平均 4.8銭 |
1万 通貨 |
4% (1万 2000円) |
25倍 | 無料 |
セントラル 短資FX [FXダイレクトプラス] |
82円 | 8.0~ 18.0銭 |
1000 通貨 |
10% (3000円) |
10倍 | 無料 |
サクソバンク証券 [スタンダードコース] |
80円 | 平均 4.4銭 |
5000 通貨 |
8% (1万 2000円) |
12.5倍 | 無料 |
外為 どっとコム [外貨ネクストネオ] |
80円 | 7.0銭 原則 固定 (例外あり) |
1000 通貨 |
4% (1200円) |
25倍 | 無料 |
SBI FX トレード |
62円 | 4.8銭 原則 固定 |
1通貨 | 4% (1.2円) |
25倍 | 無料 |
※必要証拠金は、各社の最低取引単位と必要証拠金率をもとに1トルコリラ=30円で計算
2017年3月7日現在でのトップは、ヒロセ通商[LION FX]とFXプライム byGMO[選べる外貨]の86円でした。
ただ、トップとはいえ、このスワップ金利が他社に比べて突出しているかというと、先ほどの表を見るとわかるように、SBI FXトレード以外は80円台に集中していて、各社でそれほど大きな差はないのがわかります。
かつては、100円を大きく超えることもあり、各社で10円単位の差があったこともあるトルコリラ/円のスワップ金利ですが、現在は当時に比べると落ち着いてきているようですね。
【参考記事】
●驚愕!トルコリラ/円スプレッドが最狭水準に! スワップ金利は倍以上の115円へアップ!
ヒロセ通商[LION FX]は、スワップ金利でFXプライム byGMO[選べる外貨]と並んでいますが、スプレッドも比較的狭くなっていて、一歩リードといったところでしょうか。
ただ、先ほども触れたように、必要証拠金についてはヒロセ通商[LION FX]のほうが不利で、なかなか決着がつかないのです。ということで、次はその必要証拠金という切り口で各社のスペックを比べてみましょう。
先ほどのスワップ金利の表を必要証拠金でソートし直したものが…