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西原宏一・大橋ひろこの「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」

FOMCは利上げでも、ドル/円は上がらず。
今週もセル・ザ・ファクト狙いで戻り売り継続

2017年12月18日(月)13:03公開 (2017年12月18日(月)13:03更新)
西原宏一&大橋ひろこ

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■FOMC利上げでセル・ザ・ファクトへ

先週(12月11日~)はFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されました。結果は予想どおりの利上げ。


発表後、米ドル/円はセル・ザ・ファクトで下落。112円割れ寸前まで下がりましたが、米税制改革法案のニュースで反転したところで先週(12月11日~)は終わりました。

【参考記事】
FOMCは予想どおりでセル・ザ・ファクト! 米上院補欠選挙で共和党敗北。影響は?(12月14日、西原宏一)

今回の利上げサイクルでは5回目の利上げ。今年(2017年)だけだと3月、6月、12月と3回目の利上げでしたが、1年を通して見ると米ドル安が進んでいます


利上げしても米10年国債利回りがついてこないため、米ドル/円は上がらないし、むしろセル・ザ・ファクトで売られてしまいます。

米長期金利(米10年物国債利回り) 日足
米長期金利(米10年物国債利回り) 日足

(出所:Bloomberg)

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:Bloomberg)

一方、米国債利回りの低下は株にはポジティブですから、米国株市場ではNYダウ、S&P500、ナスダック総合指数の主要3指標が揃って過去最高を更新しました。

NYダウ 日足
NYダウ 日足

(出所:Bloomberg)

S&P500 日足
S&P500 日足

(出所:Bloomberg)

ナスダック総合指数 日足
ナスダック総合指数 日足

(出所:Bloomberg)

12月19日(火)に下院、20日(水)に上院で採決が行われる予定の米税制改革法案はいかがですか?

■米税制改革法案は今週半ばにも成立へ

米税制改革法案については、ルビオ議員が賛成に回ったことが好材料とされましたが、もともと反対だったわけではなく修正を求めていただけ。成立間近であることは変わりません。

 

成立後、セル・ザ・ファクトとなる可能性を見ているのは、これまでも話してきたとおりです。注目は米国株の反応。利益確定売りが出るようなら米ドル/円の下げも強まりそうですが…。

米議会絡みでは、12月22日(金)に暫定予算が期限切れとなります。一部政府機関のシャットダウン(閉鎖)を避けるためには新たな予算の成立が必要です。


これまでも最悪の事態を回避してきましたから、今回も大丈夫なのでしょうが、一応注意しておきたいですね。

米議会はまだ忙しいですが、今週(12月18日~)末はもうクリスマスイブ。週後半から休暇に入る欧米勢が増えてきて為替市場の参加者も減っていきます。

■「リバーサルレート」の質問に黒田総裁はどう答えるか

在韓アメリカ人が少なくなるクリスマス休暇を狙って対北朝鮮で米軍が動くのではとの憶測もありましたが、米朝高官の発言を見ていると対話ムードも出てきました。


先週(12月11日~)は国連安保理の閣僚級会合に北朝鮮代表が出席。言葉の上では非難の応酬でしたが、会合に出てきたこと自体、水面下では対話を模索しているのかなと想像させます。


ただ、今週(12月18日~)、19日(火)から23日(土)までペンス米副大統領がイスラエルやドイツなどを訪問します。北朝鮮や中東の地政学リスクには引き続き警戒が必要ですね。

それから、12月21日(木)には日銀の金融政策会合と黒田総裁の記者会見が開催されますね。


今年(2017年)1年、政策変更のなかった日銀ですが、今回もそうなるのでしょう。

注目は記者会見でしょうか。黒田総裁がスイスでの講演で「リバーサルレート」(※)に言及して以降、初めての会合ですよね。


政策的な意図がなかったとすでに否定していますが、記者会見では関連した質問が多く飛びそう……。

(※編集部注:「リバーサルレート」とは、金利が一定水準を下回ると金融仲介機能に悪影響を及ぼすとする理論のこと)

【参考記事】
IMMの円ショートが2013年以来の高水準! 上昇できないドル/円は、戻り売りを継続へ(11月20日、西原宏一&大橋ひろこ)

アメリカやユーロ圏、イギリスなどが金融緩和の出口へ進んでいるなか、日本だけが取り残された形となっています。


来年(2018年)の日銀は出口が取りざたされる機会が増えそうですね。

【参考記事】
もしも黒田さんが日銀総裁を辞めたら…!? 生保買いがあっても米ドル/円は戻り売り!(11月27日、西原宏一&大橋ひろこ)

■セル・ザ・ファクトを狙って戻り売り

それから、先週(12月11日~)のCBOE(シカゴオプション取引所)に続き、今朝(12月18日)からは、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)でビットコインの先物取引が開始されました。

米ドル/ビットコイン 現物&CME先物 5分足
米ドル/ビットコイン 現物&CME先物 5分足

(出所:Bloomberg)

CME上場への期待からか現物とFX価格が60万円も乖離するなどの混乱も見られますし、相変わらずボラティリティが高いですね。


ビットコイン/米ドルが1万ドル到達に湧いたのが先月(11月)末なのですが、もう2万ドルが間近に迫っています。

ビットコイン/米ドル 日足
ビットコイン/米ドル 日足

(出所:Bloomberg)

稼いだ人も多いでしょうから、税金には気をつけてほしいですね。さて、今週(12月18日~)は税制改革法案、つなぎ予算の米議会での審議、それにペンス副大統領の外遊、日銀会合といったイベントが注目ですね。

米税制改革法案が成立するのかどうか。成立すれば米国株で利益確定売りが出るかどうかがポイントになります。


「米税制改革法案、成立へ」といったヘッドラインで買われる場面もあるかもしれませんが、成立後のセル・ザ・ファクトを想定して今週(12月18日~)も米ドル/円の戻り売りを継続したいと思います。

(構成/ミドルマン・高城泰)

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