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■今後のユーロ/円の動向が米ドル/円のシナリオに大きく影響

 そして、こういった「自然な成り行き」が成立する前提条件を忘れてはならない。

 なにしろ、ユーロ/円も英ポンド/円も、押し目があったら拾った方が良いということは、単にユーロや英ポンドが米ドルに対して堅調であるだけでなく、米ドル/円が「底割れ」にならない、という視点なしでは実現されなかった。

 換言すれば、現在確認されているユーロ/円、英ポンド/円の高値更新があったからこそ、円高の余地が限定されるというシナリオが証左されたと言えるから、主要クロス円、中でも特にインターバンク市場における直接取引のあるユーロ/円の上昇トレンドが維持されるかどうかが、これからの米ドル/円のシナリオにも大きな影響を与える。

世界の通貨ＶＳ円 日足

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 独断的な言い方をすれば、ユーロ/円が高値トライの状況を維持し、また、ブル基調を強めているうちは、米ドル/円に関する「底割れ」が杞憂に終わる可能性も大きい。

 この意味では、仮に米ドル/円が「底割れ」し、105円などの下値打診を試していくような市況があるなら、それは逆にユーロ/米ドルが大きく売られる局面を想定しないといけない。

■ユーロ/円は140円、ポンド/円は160円打診を引き続き有力視

 ところで、前述のように、市場コンセンサスはユーロ高の継続に傾いている。市場コンセンサスはいつかは裏切られると言われるが、少なくともユーロ/円の総崩れが見られないうちに、市場コンセンサスの間違いを言うのも性急であろう。

 この意味では、米ドル全体（ドルインデックス）は確かに「売られすぎ」の状況にあるが、すぐに修正される可能性も低いだろう。

 半面、米ドル/円は主要クロス円の堅調、また高値トライによって「底割れ」回避の状況を保てる公算が大きいから、ユーロ/円、英ポンド/円の上値ターゲットである140円と160円打診を引き続き有力視する。

ユーロ/円 日足

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英ポンド/円 日足

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 市況はいかに。