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西原宏一_メルマガ取材記事
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FX情報局

【全文書き起こし3/4】 店頭FX業者の
決済リスクへの対応に関する有識者検討会
(第2回)

2018年05月25日(金)14:26公開 (2018年05月25日(金)14:26更新)
FX情報局

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「【全文書き起こし2/4】 店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会(第2回)」からつづく

前々回前回に続き、金融庁にて2018年3月12日に行われた「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会(第2回)」の全文書き起こしをお届けします。

【参考記事】
【全文書き起こし1/4】店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会(第2回)
【全文書き起こし2/4】 店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会(第2回)

 この有識者検討会(第2回)の参加者は以下のとおりです。

第2回「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」参加者

 
池尾和人氏 慶應義塾大学経済学部 教授



|
 
上柳敏郎氏 東京駿河台法律事務所 弁護士
勝尾裕子氏 学習院大学経済学部 教授
黒沼悦郎氏 早稲田大学法学学術院 教授
坂勇一郎氏 東京合同法律事務所 弁護士
永沢裕美子氏 Foster Forum 
良質な金融商品を育てる会 事務局長
※少し遅れて参加
松井秀征氏 立教大学法学部法学科 教授
弥永真生氏 筑波大学ビジネスサイエンス系 教授



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星野昭氏 三菱東京UFJ銀行 金融市場部長
伊藤渡氏 東京金融取引所 代表取締役専務
山崎哲夫氏 金融先物取引業協会 事務局長
鬼頭弘泰氏 GMOクリック証券 代表取締役社長
小川裕之氏 SBI証券 取締役経営企画部長
※本来は高村正人社長がオブザーバーだが、今回は欠席。小川氏が代理として出席
松田邦夫氏 セントラル短資FX 代表取締役社長
緒方健太郎氏 財務省国際局為替市場課長
重本浩司氏 日本銀行金融市場局為替課長

※金融庁配布の資料を基本としつつ、ザイFX!編集部が一部実情にあわせて、追記、変更を行っています。

※メンバー、オブザーバーの所属先は、第2回「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」時のもの。

 今回の書き起こしは全4回のうちの3回目であり、有識者のメンバーによる討議の前半を対象としています。

 書き起こしについては細心の注意を払っておりますが、録音した音声が必ずしも鮮明ではない部分もあり、書き起こした文に誤りのある可能性もないとは言えません。その点はあらかじめ、お断りさせていただきます。そして、話し手の言い回しを厳密にそのまま再現しているとは限らず、意味が違ってしまわない範囲で、どうしても冗長となりがちな話し言葉を簡潔な表現にしている部分もあります。

 文中に挿入した小見出しはザイFX!編集部で作成したものです。

 有識者検討会は配布された資料に基づいて行われています。文中にはその資料を適宜挿入しました。資料は金融庁の以下のウェブページでも見ることができます。

【参考ページ】
店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会(金融庁公式サイト)

 また、有識者検討会(第2回)の議事録も上記、金融庁のウェブページで公開されています。にもかかわらず、ザイFX!がこの全文書き起こしを公開している経緯については、以下の記事をご参照ください。

【参考記事】
【全文書き起こし1/4】 店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会(第2回)

 なお、著作権法第三十二条では、国などが一般に周知させることを目的として作成した著作物は、説明の材料として新聞などに転載してよいとされています。

 では、全文書き起こしの続きをどうぞ(ザイFX!編集部)。


池尾和人座長(慶応大学経済学部 教授。以下、「池尾座長」と記載) それでは討議に移りたいと思います。まずはメンバーの方々から、どなたからでも結構ですので、ご質問あるいはご意見等がございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。では、上柳さん。

■上柳弁護士:顧客に損失を生じさせない欧州の規制案とは、どんなしくみなのか?

上柳敏郎メンバー(東京駿河台法律事務所 弁護士。以下、「上柳メンバー」と記載) ありがとうございました。いろいろ伺いたい感じはするのですが、なるべく絞ります。

 山﨑さんにおうかがいしたいのが2点ありまして、1つ、17ページのところで諸外国の規制案も含めてご紹介いただいておりますけれども、特に私、興味を持ちましたのが17ページ下のほうの④のESMA(※)です。

(※編集部注:「ESMA」とは「European Securities and Markets Authority(欧州証券市場監督局)の略称)

店頭FX業者の決済リスクに関する海外の規制動向②(クリックで拡大)
店頭FX業者の決済リスクに関する海外の規制動向②

※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第2回)の資料1「金融先物取引業協会資料」より、17ページの「店頭FX業者の決済リスクに関する海外の規制動向②」を掲載

上柳メンバー 損失を生じさせない仕組みを義務付けるというのですけれども、これが具体的にどのような仕組みなのか。それについて協会のほうとして、どのように評価されているのか、伺えればと思います。

 さらに、アメリカの取引データを全部提出させるというのは、興味深いと思いました。いずれにしても、このように総合的な取り組みをしているというところは、たいへん注目できるところではあると思いました。

■上柳弁護士:ストレステストの結果を経営に反映させていくために、金先協会はどのような対応をしているのか?

上柳メンバー もうひとつは35ページ、ストレステストを新たにやっていただいており、上から3行目ですが、それを「経営に反映していくことを求めており」と書かれています。具体的にどのようなことなのか、フォローアップはどうされているのか、あるいは対応しているのか、伺えればと思います。協会についての質問は以上です。

ストレステスト⑥(クリックで拡大)
ストレステスト⑥

※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第2回)の資料1「金融先物取引業協会資料」より、35ページの「ストレステスト⑥」を掲載

池尾座長 では、山崎さん、お願いします。

■金先協会:損失を証拠金の範囲内に限定するのが欧州の規制案だが、まだ案の段階であり、実施されるかどうかはわからない

山崎哲夫オブザーバー(金融先物取引業協会 事務局長。以下、「山崎オブザーバー」と記載) ありがとうございました。それでは簡単にご説明させていただきます。

 まず17ページ、未収金発生のところでご指摘いただきました、ESMAによる、特にネガティブ・バランス・プロテクションという仕組みです。私どもが理解している範囲で、これはESMAの市中協議文書に書いてある文章、簡単にご説明いたします。

店頭FX業者の決済リスクに関する海外の規制動向②(再掲載・クリックで拡大)
店頭FX業者の決済リスクに関する海外の規制動向②

※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第2回)の資料1「金融先物取引業協会資料」より、17ページの「店頭FX業者の決済リスクに関する海外の規制動向②」を掲載

 山崎オブザーバー 要は証拠金があります。証拠金の中で当然ながら損が発生していきますと、どんどん証拠金が評価損という形で減っていきます。評価損が減ってきた場合に、ESMAには、口座全体とポジションごと、2つの選択肢があったのですが、ポジションごとでするのは少し業者の負担が大きすぎるということで、口座全体の中で最終的に口座に残っていた証拠金、その範囲内で損失を確定させようと。

 言い換えてしまいますと、証拠金がゼロになった時点でリスクが投資家から業者のほうに移転する。そういうような仕組みです。ただ、これはあくまでもまだ提案というところですので、これが実際になるかどうかはまだ分かりません。

 あと、取引データのところで、先生のほうからご指摘いただいておりますが、アメリカのNFA、これは先物取引を所掌する自主規制機関です。

 もともと取引所のデータチェック、これをこの機関はずっとしておりました。ですのでその仕組みの中に、新たにこの店頭FXのデータを徴求してチェックするという発想があって、これが実施されたと理解しています。

 ちなみに私ども、本邦のグループは私どもの自主規制として、データの徴求はしていないのですが、データの保存を業者に義務付けております。3年間のデータ保存というところを、自主規制によって義務付けております。何かあれば私どもは、その時点でデータを提供して検証するという体制をとっております。

■金先協会:ストレステストはまだ2年間の実績しかない。これをブラッシュアップさせていく段階

 山崎オブザーバー 35ページ、ストレステストの結果の対応です。経営に反映していくことを求めているところですが、先ほどの私の説明の中で申し上げましたように、まだ2回、2年間の実績しかありません。

ストレステスト⑥(再掲載・クリックで拡大)
ストレステスト⑥

※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第2回)の資料1「金融先物取引業協会資料」より、35ページの「ストレステスト⑥」を掲載

 山崎オブザーバー この規則を施行したのが昨年10月です。当然ながらストレステストを、先ほどもご説明しましたように、業者の資本金とリスクをチェックしていくことは、非常に重要なポイントだったことは理解しています。

 ただ、業者の方々は、大きいところから小さいところまでと、こちらにご出席いただいています方は非常に大手のほうですが、中小のほう、逆に小さいほうもあります。ルールとして一律にやっていかなければいけないというところですので、適用に対してより厳しいものを求めていくというのは、今後検討していかなければいけない部分だなと思っています。

 また、施行させていただきまして、私どもの監査のほうで120%割れの業者に対してモニタリングをして、それを当局と状況ごと情報を共有していく過程の中で、新たに、実効的にどういうガバナンスを高めていけばいいかというような課題を見つけて、それをブラッシュアップしていくという段階だということで、ご理解いただきたいと思います。

池尾座長 では黒沼さん、お願いします。

■黒沼教授:金先協会が定めたロスカット水準に例外を設けてあるのはなぜか? ロスカット基準を下回ってもよい、ということを意味しているのか?

黒沼悦郎メンバー (早稲田大学法学学術院 教授。以下、「黒沼メンバー」と記載) いろいろご質問したいことがあるのですけれども、とりあえず未カバーポジションのリスク管理とロスカットについて、お伺いしたいと思います。

 まず協会の資料の、24ページにロスカット制度が説明されています。基準を下回らないようにロスカット水準を定めることを定義されている一方、ただし書きで例外を設けています。

 これはロスカット基準を下回ってもよい、ということを意味しているのかと伺いたいと思います。

ロスカット制度②(クリックで拡大)
ロスカット制度②

※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第2回)の資料1「金融先物取引業協会資料」より、24ページの「ロスカット制度②」を掲載

黒沼メンバー そして次の25ページ、協会の規則よりも厳格な水準でロスカットルールを運用している業者が多いということですが、これは例外が認められていると、それを下回る基準でやっているところもあるということなのか、ということをお伺いしたいと思います。

ロスカット制度③(クリックで拡大)
ロスカット制度③

※「店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会」(第2回)の資料1「金融先物取引業協会資料」より、25ページの「ロスカット制度③」を掲載

 そしてGMOクリック証券さんに…

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