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田向宏行
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米国GFT創業者ゲーリー・ティルキン氏
に聞く(1) アメリカFXはじめて物語

2010年10月18日(月)14:42公開 (2010年10月18日(月)14:42更新)
ザイFX!編集部

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 ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、シティバンクなどなど、マーケット関連のニュースなどで、金融先進国である米国の投資銀行や商業銀行に関する情報はよく伝わってくる。

 ただ、同じ金融機関でも、米国のFX会社は、日本のFXファンにとって意外となじみが薄い存在ではないだろうか。

 そこで、今回は米国の有力FX会社GFT(グローバル・フォレックス・トレーディング、Global Forex Trading)の創業者であり、代表取締役社長/CEOであるゲーリー・ティルキン氏が来日した機会をとらえ、同氏に米国FX業界の歴史と現状などについて聞いてみた。

■米国にFX業界が存在していなかった時代

 大学を卒業してからメリルリンチでコモディティ(商品)のトレーダーをやっていたティルキン氏。そこから独立して最初は自宅でコモディティのブローカーをやっていたが、そのうち小さなオフィスを開き、FXの業務をスタートさせたそうだ。

 それが1997年のことだった。

 ちなみに、小さなオフィスがあったのはウォール街ではなく、カナダとの国境沿い、5大湖に面したミシガン州。そして、今でもGFTの本社はミシガン州にある。

 その頃の米国FX業界はどんな状況だったのだろうか?

 「1997年当時、米国にFX業界は存在していないようなものでした。いくつかの会社はありましたが、それは当局の規制の対象になっていなかったのです。

 私たちはFXという金融商品を取り扱う最初期の会社だったわけです。

 当時、取引所で行われていた通貨の取引は非常に煩雑なものでした。だから、通貨取引を取引所ベースでやり続けていくことは困難だろうと私たちは考えていました」

■取引所では大声で叫びながら注文を入れていた

 ここでさらにティルキン氏の話を聞く前に、為替の取引について、そして、その中の「FX」について今一度整理してみたい。

 まず、為替取引のうち、銀行間で行う為替の取引はかなり昔から行われていた。国境を越えた資本の移動や貿易に外国為替はつきもの。これが昔からあったことは自明のことだろう。

 この他に米国では通貨先物取引が行われていた。日経225先物が上場されていることなどで日本の投資家にもおなじみのCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)には通貨の先物も上場されているのだ。

CMEに通貨先物が上場されたのは1972年というから結構古い。この通貨先物のポジションが日本のFXトレーダーの間でも話題になる「IMM通貨先物ポジション」だ(※1)。

 ややハードルは高いようだが、個人もCMEの通貨先物を取引することは可能なようだ。だから、1997年以前の段階で米国の個人が為替の取引をすることも可能だったのだが、それは今のような「FX」ではなかったということになる。

 ティルキン氏が「取引所での通貨の取引」(※2)と言っているのは、このCMEの通貨先物のことなのである。けれど、それが煩雑だったというのはどういうことなのか?

 「当時の通貨先物は、顧客がブローカーに電話をかけ、ブローカーはそれを書き取り、取引所のフロアから大声で叫びながら注文を入れていくといった状況でした。あまりにも非効率なやり方で取引が行われていたのです。

 そのため、取引所の外で取引を行う“店頭外国為替市場”に大きな可能性があることに気づきました」

(※1 「IMM通貨先物ポジション」はたとえば、吉田恒さんのコラム「ドル・キャリー取引による大相場が展開。米ドルは記録的な売られ過ぎに!」などでも取り上げられている)

(※2 日本では、こののち、“取引所に上場されたFX”という特異な存在である「くりっく365」「大証FX」が登場した)

■「FX」という言葉はちょっとおかしい!?

 「FX」という言葉にはよく考えてみると、おかしなところがある。「FX」は英語だと「Foreign eXchange」の略だと言われるが、「Foreign eXchange」とは日本語に訳せば「外国為替」ということになる。

 一方、「FX」を日本語で正式に表現すると、「外国為替証拠金取引」だ。
 そして、ここまで見てきたように、「外国為替の取引」=「外国為替証拠金取引」ではないのである。なぜなら、「外国為替の取引」には銀行間の取引や通貨先物取引などもあり、FX(外国為替証拠金取引)はそうした中の一つに過ぎない、ということになるからだ。

 1997年にティルキン氏が米国で始めたFXとは、個人が比較的気軽に参入できるような為替取引の新たな一形態だったと言える。

 それはFXファンのみなさんがご存じのとおりの「FX」、つまり、顧客がFX会社に証拠金を預け、それを担保に顧客とFX会社が為替の取引をするものだった。

■ビジネスは世界中に拡大していった

 ティルキン氏が創業したGFTは「取引所に上場されている先物のブローカー」から「個人向けの為替の店頭取引(つまり、FX)」を行うようになり、さらに「オンラインでFXを提供」するようになっていく。

 「オンライン取引に移行するにあたって、私たちは独自のソフトウェアを導入しました。これが最終的にDEALBOOK(ディールブック)というソフトウェアになりました。

 私たちは独自のソフトウェアを所有するはじめてのFX会社でした。

 そして、私たちのビジネスは成長を重ねていき、オフィスも米国だけでなく、豪州、日本、英国、ドバイ、シンガポールと拡大していきました。特に英国ではCFDを取り扱うことができ、これによって商品のラインナップがさらに充実していきました」

GFTが世界的に拡大していく中、2006年に日本に設立されたのがGFT東京支店。そこで使える取引ツール・DEALBOOKの現在のモデルは「DEALBOOK360」というものだ。

GFT120種類以上もの通貨ペアが取引でき、1000通貨単位から取引ができることなどが大きな特徴となっている。

 そして、「DEALBOOK360」はかなり珍しいものも含め多彩なテクニカル指標が表示できる高機能のダウンロード型専用取引ツールだ(その他にウェブサイトやモバイルでも取引は可能)。
DEALBOOK360(クリックで拡大)

 また、他の日本のFX会社・証券会社でも、サザインベストメント内藤証券エイチ・エス証券安藤証券などがGFTのFX取引システムを採用している。

 また、CFDでも、ドットコモディティ楽天証券インヴァスト証券SBI証券エイチ・エス証券内藤証券岡藤商事などがGFTの取引システムを採用しているのだ。

 このように“GFT系”と呼ばれるシステムは日本のさまざまな会社でも採用されているのである。

「米国GFT創業者ゲーリー・ティルキン氏に聞く(2) 米国人は米ドルを売っている?」へつづく)

(取材・文/ザイFX!編集部・井口稔)
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