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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

ドル/円以外でドル安がさらに進行。
流れに逆らわず、相場は相場に聞け!

2009年06月05日(金)16:47公開 (2009年06月05日(金)16:47更新)
陳満咲杜

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前回は、ドル安トレンドの継続と目先のポジション整理の可能性を予測したが、結果は正誤半々となった「米ドルのベア・トレンドはなお継続だが売りポジション整理のリバウンドはある」参照)

■予想を上回って、ドル安がグングンと拡大

 ドル安トレンドはほぼ調整なしで進み、特に、対英ポンド、対豪ドル、対ユーロなどのメジャー通貨に対してドルの下落幅は拡大した。ようやくポジション整理と見られる調整が起こったのは、一昨日、6月3日のことである。

 ただ、ドルは円に対してだけは堅調な地合いを保っていたため、英ポンド/円、豪ドル/円をはじめとして、クロス円(ドル以外の通貨と円との通貨ペア)相場は揃って高値更新となった。
米ドル vs 主要通貨 日足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル vs 世界の通貨 日足

 私は2月下旬からドル安を予測し、その時点で想定していたターゲットはすべて達成されている。新たに設定した目標でさえも達成されようとしているが、自分の取引では、必ずしも設定した目標に対する値幅を取れていないのだ。

 自分が設定したにもかかわらず、ターゲットについていけないのは、何かしらの「邪魔」が入ったに違いない。それは他ならぬ、「お勉強」した「知識」である。

前回の記述に合わせるように、自分ではいったんドルのショートポジションを閉じていた。逃がした魚は大きかった「米ドルのベア・トレンドはなお継続だが売りポジション整理のリバウンドはある参照)

 仮に、自分が「COT(※)レポート」のデータやセンチメント指数の存在を知らず、オプション・マーケットの動向を読むことなく、単にトレンドフォローのみで取引をしていたならば、先週末からのドル暴落に便乗して、ひと儲けできたはずだ。

※編集部注:「COT(コミットメント・オブ・トレーダーズ)レポート」は、CFTC(全米先物取引委員会)が毎週金曜日15時30分(米国東部時間)に公表しているもの。CFTCは各先物市場の上場商品について建玉を公表するように義務づけており、各取引所が毎週火曜日の取引終了後の建玉枚数を報告し、CFTCがそれらを集計している。

■相場についていくには「反射神経」が重要か

 このケースから、少なくとも2つのことについて、改めて勉強をさせていただいた。

 まず、相場は行き過ぎの習性があるため、統計データをトレーディングの根拠として取引するのはリスクを伴うということ。

 次に、たびたび指摘しているように、トレーダーにとって「お勉強」した「知識」が逆に邪魔になる場合もあって、頭でっかちになると相場についていく「反射神経」が鈍くなる恐れがあるということ。

 だから、今でもロンドンやスイスの銀行では、ディーラーを募集する際に大学生、大学院生ではなく、高校卒に限定するところもあるそうだ。一昔前では、日本の銀行ももっぱら体育会系の学生を募集していたそうで、ある意味では納得できることだ。

 それでは、先週末からの相場をトレンドフォローのみで追随できただろうか? ユーロ/ドルと英ポンド/ドルの相場を例に挙げて見てみよう。
 
■「上昇フラッグ」の高値更新で値幅取りの機会はあった

 まず、右肩上がりの上昇トレンドを描いているユーロ/ドルから見てみることにしよう。
ユーロ/米ドル 日足(クリックで拡大)
(出所:米国FXCM

 先週末の時点では、「上昇フラッグ」と呼ばれるフォーメーションの整理局面から抜け出そうとしていた。このフォーメーションが成立したのかどうかは、その後の高値更新の有無によって確認できる。

 すると、先週末に高値更新の場面があった。つまり、素直にトレンドフォローの原則に基づいて高値買いを実践すれば、それなりに値幅を取れたはずである。

 実際、このようなフォーメーションの形成とその後の高値更新による上昇トレンドの継続は5月中旬にも発生しており、このパターンは繰り返されている。

■「上昇チャネルの上抜け」で買いシグナルは出ていた

 次に、英ポンド/ドルの相場を見てみたい。

 5月25日から28日まで、日足の罫線はすべて「寄り付き同事線」(以下のチャートの赤円で囲まれた部分を参照)となっている。これは、モメンタムの一服か相場の迷いを示唆する足型である。
英ポンド/米ドル 日足(クリックで拡大)
(出所:米国FXCM

 特に、27日の罫線は「トウバ」と呼ばれる足型で、上昇トレンドのトップに出現した場合はトレンドの終了を示唆している。つまり、その後の反落のリスクが大きい。翌28日は陰線引けで、本来ならば反落してもおかしくない罫線の組み合わせであった。

 しかし、英ポンドは反落せずに逆に高値を更新したため、そこで買いのシグナルが発信されていたのだ。ちなみに、以前は上昇チャネルの上限だったラインが、それを上抜けたことにより、一転してサポートラインの役割を果たしたということも見逃せない。

■相場は相場に聞け!

 相場は法則どおりに動いてはくれない。法則と逆の方向に行くがゆえに、トレーダーは相場のトレンドとモメンタムに追従するしか方法はない

 前述した罫線の法則も「知識」の部類に入るが、法則どおりに動かず、逆に行ってしまった場合には、そちらへついて行けば、なまじ法則どおりに取引するよりも、取引に成功する確率が高いという「逆法則」もある。だから、罫線の法則が間違ったものではないことを強調しておきたい。

 また、各市場の統計データが相場の加熱を示しているにもかかわらず、それでもなお相場が加速した場合、相場のほうが正しいということになる。これも「逆法則」の1つであろう。

 結局、相場は生き物なのだ。相場とうまく付き合うには、相場の呼吸に合わせるしか道がない。その分、常に自分のロジック、知識、予測、ストラテジーなどを相場の現状と照らして、「逆法則」のケースに当てはまるかどうかをチェックしなければならない。

「相場は相場に聞け」ということわざの真髄はここにあるのではないかと思う。
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