■大手金融機関への公的資金注入に道義的な問題あり
そもそも、何も変わらないだけでなく、大手金融機関の経営判断の失敗を、公的資金(税金)で救う政策は道義上、正しくない。
民間企業が経営判断を誤った場合に、政府が税金で助けるのは不公平だ。公的資金を入れるに際し、根拠となる法律を整備したのだが、それは、万民を納得させるものではない。大手金融機関だけを特別に救済する整合性のある理由を、いまだに聞かない。
大手金融機関が破綻したら大変だ、ということは想像できる。大手金融機関が破綻すれば、連鎖倒産が起こるだろう。また、預金者の損失、といった問題を抱える。
そこで、放っておいたら大変なので、米政府が、国の政策として救済することを決めた。
しかし、どこに、その判断の基準を置くのか、非常にあいまいだ。
責任は、誰が取るのか?
誰が判断するのか?
その判断は正しいのか?
きちんと検証する必要がある。
日本が過去に、金融機関に公的資金を注入したことをあげて、日本の場合は過去にどうであったとか、こうであったとかアピールしているが、米国は眼中にないようだ。
G7の際にも、日本はそういったことをアピールしたが、米国は何も返事をしていない。
自国のことは自国で判断する、といった様子が見える。
日本も、米国にアドバイスするといったパフォーマンスはみっともないからやらない方がよい。採択されないアドバイスは、日本国民向けのパフォーマンスにすぎず、見苦しい。
■日本は金融危機を招いた米国の責任を追及すべき!
日本もアドバイスをするのではなく、米国の責任を追及するくらいの態度が望まれる。金融不安の震源地は、米国ではないか! 世界株安の原因を招いたのは、米国市場ではないか! 原油市場の乱高下も、米国市場ではないか!