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米雇用統計が多少改善してもドル買いとは
ならない!ドル/円はいずれ80円を割り込む

2010年11月10日(水)東京時間 13:25
■1~2カ月で劇的に米国の景気が回復することはない

 基本的な考え方は変わっていない。

 先週は、外国為替市場にとって最も重要なイベントが集中していた。

 まず、11月2日(火)の米国における中間選挙では、与党の民主党が議会下院で過半数を割り込む歴史的な大敗を喫し、オバマ大統領は「私に責任がある」と敗北を認めた。

 翌3日(水)にはFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催され、追加金融緩和策として、2011年6月までに総額6000億ドルの米国の長期国債(10年物国債)を購入することが決められた。

 市場の事前予想は半年で5000億ドル程度だったため、この結果は期待以上だったということになる。

 そのため、FOMCの結果発表直後の為替相場は大きく変動した。だが、大勢としては、流れは変わっていないと考えている。

 そして、FOMCに合わせるかのように日程が前倒しされた日銀の金融政策決定会合では、金融資産買い取り基金の詳細が決められた。

 日本国債の購入はもちろん、REIT(不動産投資信託)など値下がりリスクのある資産も購入することが決められ、日本においても金融緩和が行われることになった。

 この日銀の金融政策決定会合については、為替相場に大きなインパクトを与えることはさほどないものの、無視するわけにもいかないだろう。

 さらに、週末の5日(金)には米国の雇用統計の結果が発表され、注目の失業率は事前予想どおりの9.6%となった。

 ノンファーム・ペイロール(非農業部門雇用者数)は事前予想よりも良かったが、たいしたことはない数字だと考えている。

多少改善された数字が出たとしても、1~2カ月で劇的に景気が回復して雇用環境が改善することはない。したがって「誤差」の範囲に過ぎないと受け止めている。

 それは、FOMCの追加の金融緩和策決定に裏付けられている。

雇用環境が改善しないから量的緩和策がとられたのであり、今回のノンファーム・ペイロールの数字をもって、米ドル買いとはなりにくいと見ている。

 中間選挙、FOMC、雇用統計と米国の最重要イベントが続き、「宴の後」のような気分になるが、11月はクリスマス休暇前に、最後にひと踏ん張りするところだ

■80円割れには、まだ少し時間がかかるかもしれない

 さて、まずは米ドル/円の日足チャートをご覧いただきたい。
米ドル/円 日足(クリックで拡大)

 緑の破線(太線)は現在のレジスタンスラインであり、その平行線を緑の破線(細線)で表示した。

 このチャートから読み取れるのは、今年4月頃から現在に至るまで、米ドル/円が緑の破線(太線)で示したレジスタンスラインの傾きに沿って、一定のスピードで下落してきたと断定できることだ。

 今年4月頃から始まっているのだから、7カ月もの間、レジスタンスラインに従って、一定のスピードで下落しているということになる。

 このところの相場で、米ドル/円は何度も80円台前半を見ている。

 米ドル/円の歴史的最安値は1995年につけた79.75円であり、その歴史的最安値に、あと50銭程度に迫ったことになる。

 筆者は、80.00円をいずれ割り込むと引き続き考えている。

 ただし、80.00円は心理的な「抵抗」になっており、これを割り込むには、まだ少し時間がかかるのかもしれない。歴史的にも、心理的にも、大きな節目であり、簡単に突き抜けることは難しいかもしれない。

 しかし、米ドル/円の下落がこのところのスピードで続くならば、今日にも、あるいは今週中にも、70円台があって不思議ではないとも考えている。

■80円割れでも日本の当局が介入できない可能性も!?

 10月のG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)とG20(20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議)を終えて、日本の財務省と日銀は、市場介入を実施し難い状況に追い込まれたと見ている。

 G7とG20では、日本当局の「円売り・米ドル買い」介入は批判の対象になった。

 日本の当局による市場介入が行われたのは9月15日(水)の1日だけで、その後は実施されていない。

 個人的には、米国や欧州の協調(賛同)が見られないので、今後、日本政府・日銀が「円売り・米ドル買い」の介入を再度行うのは難しいだろうと見ている。

 今回の市場介入は、9月15日(水)だけで終わりとなるだろう。

 実際のところ、日銀が事後的に、定期的に発表している「月ごとの介入金額」で、今回の介入が9月15日(水)だけだったことが確認されている。

 ただし、米ドル/円が80.00円を割り込み、さらなる急落の可能性が出てくる場合は、「スムージング・オペレーション」の大義を掲げて、日本政府・日銀が「円売り・米ドル買い介入」を行う可能性は残っている。

 それでも、80.00円を割り込んで70円台を見ても、欧米からの反発に配慮する必要があるならば、口先介入だけで、日本政府・日銀が「円売り・米ドル買い介入」を実施できない可能性もある。

 また、80.00円を割り込んで70円台を見るような場合は、それなりのストップ・ロス(損切り)が行使され、「米ドル売り・円買い」が出るだろう。

 9月15日(水)に介入が行われる前から、次のことを繰り返し明記してきた。

・日本当局の単独介入によって米ドル/円が反発上昇する場合は、その上昇したところで「米ドル売り・円買い」をすべきだ。

・現在の与件から判断すれば、日本の単独介入は絶好の売り場を提供するだけだ。


 前述したように、今後、日本当局が介入を実施できない可能性はある。

 だが、80.00円を割り込むような局面で「スムージング・オペレーション」の大義を掲げて、日本の当局が「円売り・米ドル買い」の介入を行う場合があれば、その上昇したところで「米ドル売り・円買い」をすべきだと考えている。
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松田哲の「FX一刀両断!」
松田 哲 (まつだ・さとし)

早稲田大学法学部卒業。三菱信託銀行、フランス・パリバ銀行、クレディ・スイス銀行などを経て、オーストラリア・コモンウェルス銀行のチーフ・ディーラーとして活躍。現在は松田トラスト&インベストメント代表取締役として、法人・個人向けコンサルティング業務を行っている。著書『外貨崩落』(技術評論社)などで米ドル/円相場、クロス円相場の下落を見事的中。近著に『1勝9敗でも勝てる松田式FX!』(ダイヤモンド社)がある他、『FXで稼ぐ人はなぜ「1勝9敗」でも勝つのか?』(技術評論社)、『FXの教科書』(扶桑社)、『投資で浮かぶ人、沈む人』(PHP研究所)、『FX「シグナル」を先取りして勝つ!』(技術評論社)などの著書がある。

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