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ドル・円・ユーロの明日はどっちだ!?

ザイFX!で振り返る2009年(1)
【為替・経済の動き編】

2009年12月24日(木)16:58公開 (2009年12月24日(木)16:58更新)
ザイFX!編集部

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 今年、2009年も残すところ、あとわずかとなりました。

 読者のみなさんはこの1年どんな年だったでしょうか? また、この1年、FXのトレード成績はいかがだったでしょうか?

 さて、このコーナーでは“ザイFX!的に”2009年を振り返ってみたいと思います。第1回の今回は「為替・経済の動き編」。さらに第2回は「FX業界編」、第3回は「ザイFX!の動き編」を予定しています。

 ではまず、第1回「為替・経済の動き編」から参りましょう。
 

■ドバイ・ショックをキッカケに米ドル/円84円台へ

 日本のFXトレーダーが一番関心を持っているのはやはり米ドル/円。

 米ドル/円は1月に87円台の安値をつけたあと、4月にはいったん101円台をつけるまで反発したが、その後は下落基調となり、11月の終わりにいわゆる「ドバイ・ショック」をキッカケとして急落。1月の安値87円台を割れ、ついには一時84円台をつけるまで大きく下落した。
米ドル/円 日足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足

 ザイFX!のコラムでは、この「ドバイ・ショック」直前に松田哲さんが絶妙のタイミングで米ドル/円の「フリー・フォール宣言」をしたことが記者には特に印象深かった。

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■民主党政権誕生! 藤井財務相発言で為替乱高下

8月の衆院選で民主党が圧勝、ついに自民党との政権交代が実現した。そして、新たに発足した鳩山内閣で財務大臣となったのが藤井裕久氏。

 その藤井財務相、就任直後の発言は市場では「円高容認」と受け取られ、円高が進行したことがあった。その後も藤井発言を材料に、何かと為替が動く展開に…。

 11月に米ドル/円が急落し、84円台に突入した際は、「場合によっては為替介入もあり得る」ことを匂わせるような発言を藤井財務相がすると、今度は円高が止まり、米ドル/円は反発に転じた。

 また、財務相の発言といえば、自民党政権時代の2月に中川昭一財務・金融担当相(当時)がG7終了後の記者会見で乱れ、円安が進むという“事件”もあった。

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■米国経済は暗闇の中から光明が見えてきた?

 1月のオバマ大統領就任式は新大統領への期待で大きく盛り上がったものの、「100年に一度の危機」と言われる中、米国経済はまだ病み上がりの状態だった。

 米国資本主義の象徴的存在とも言えるゼネラル・モーターズ(GM)は6月についに破たん。また、10月の米国失業率は10.2%と10%の大台に到達した。米国失業率が10%台に達したのは実に26年ぶりのことだった。

 ただ、こうした中で、オバマ政権は史上最大規模の景気対策を行い、金融安定化策も実施。その効果が出始めたのか、年後半にかけては良い経済指標も出始めるようになった。

 12月に発表された11月の雇用統計は非農業部門雇用者数が市場予想をはるかに上回る-1.1万人となり、このあたりから米ドルは反発に転じている。

 また、こうした流れを先取りするかのように、米国の株価は3月を底に一貫して上昇基調となっている。とはいえ、今後、米国の景気がいわゆる「二番底」に陥ることを懸念する声もいまだ根強い

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■ドルキャリートレードにより、米ドル安が進む

 2008年秋のリーマンショック以降、投資家のリスク回避指向により、基軸通貨である米ドルが買われる展開となった。米ドルの総合的な強さを表すドルインデックスは2009年3月に高値をつけている。

 しかし、そこからは当面の大きな危機は潜り抜けたという安心感が広がり、リスクを取る動きが出てきた。その中で、米ドルは政策金利が0.00%~0.25%という超低金利通貨として、売られる立場となった。

 非常に安いコストで調達できる米ドルを売って、それを高い利回りが期待できる資産に替えて運用を行う「ドルキャリートレード」が広がったのだ。

 その結果、3月以降、11月終わり頃まで米ドル安が進み、ドルインデックスは下がる一方となったが、そこからは反発。
ドルインデックス日足(12/18現在)
(出所:米国FXCM)

 このような動きを受け、ドルインデックスは底打ちしたという見方も出ている。たとえば、陳満咲杜さんはドルインデックスはもう底打ちしたという見解だ。

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■資源国、新興国の株や通貨が上昇

 前述したドルキャリートレードが進む中、3月頃以降は投資家の間にリスクを取る動きが徐々に広がっていった。株が買われ、原油や金などのコモディティ(商品)も買われた。特に資源国、新興国の株や通貨の上昇が目立った。

 米ドルと逆の動きをするとされる金価格の上昇も今年後半になるにつれ、市場の大きな話題となった。米ドル安が進む中、金価格は11月に1200ドル台をつけるまで上昇した。

 ただ、その後は米ドルが上昇に転じ、金価格は下落に転じている。

 2009年の中盤に商品価格が強い動きをする中、これと連動するような形で資源国通貨は上昇したが、その代表格は豪ドルと言えるだろう。

 豪ドル/円は2月に55円台の安値をつけたあと、10月には85円台をつけるまで大きく上昇している。
豪ドル/円 週足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 週足

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■政策金利はどん底へ。一部の国はいち早く利上げ開始

 経済危機、金融危機が迫り来る中、2007~2008年にかけて、主要国は利下げに転じ、昨年暮れから今年前半にかけて、政策金利は「下がるところまで下がった」形となった。

 米国は2008年12月に0.00%~0.25%まで下がり、そこから横ばい、日本は2008年12月に0.1%まで下がり、そこから横ばい、ユーロ圏は2009年5月に1%まで下がり、そこから横ばい、英国は2009年3月に0.5%まで下がり、そこから横ばいといった具合だ。

 そうした中、2009年4月に3%まで下がって、そこから横ばいとなっていた豪州は2009年10月に0.25%の利上げに転じると、3カ月連続で利上げし、現在、政策金利は3.75%まで上がってきている。

豪州は景気が堅調に推移する中、先進国の中でいち早く利上げに転じた形となる。

 利上げに加え、前述した商品価格の上昇もあり、豪ドルが総じて強かったのは前述したとおりだ。

 その他、ノルウェーも2009年10月に1.25%→1.5%と利上げに転じている。各国の景気はまだら模様で差が出てきた状態。それが政策金利の動きの違いになって現れているようだ。

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■ユーロは終盤に来て不安材料が出てきた

 ユーロ/米ドルは長期上昇トレンドが昨年、2008年に崩壊。とんでもない暴落が起こったが、2009年3月に1.24ドル台の安値をつけたあとはハッキリ上昇に転じ、11~12月には1.51ドル台をつけるまで回復した。

 今年の中盤はユーロが非常に強かったのだった。

 しかし、前述した「ドバイ・ショック」でドバイの政府系企業に貸し込んでいたのはユーロ圏の金融機関が多かったこと、財政危機に陥ったギリシャ国債が格下げされたことなど、年末に来て、ユーロへの不安材料が目立つようになってきた。
ユーロ/米ドル 週足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足

 こうしたことから、ユーロ/米ドルは12月になって1.51ドル台から1.42ドル台まで急落している。

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■くりっく365で南アフリカランド/円暴落“事件”

 10月30日(金)のNYクローズ間際(日本時間では10月31日)、くりっく365で南アフリカランド/円のビッド(投資家が売れる価格)が11.5円付近から8.5円付近まで、非常に短時間の間に暴落するという“事件”が起こった。

 これは週明け、11/2(月)の為替相場にも影響し、朝方大きく円高が進行する要因となった。

 その後、くりっく365で投資家に対する救済措置が発表されたものの、一部の投資家がくりっく365を運営する東京金融取引所を集団提訴しようという動きもある模様。

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「ザイFX!で振り返る2009年(2)【FX業界編】」へつづく)

(ザイFX!編集部・井口稔)
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