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「失業率9%」は大きな意味を持つ数字!
米雇用統計後にドル高となったワケとは?

2011年02月08日(火)東京時間 14:28

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 米国雇用統計という注目度の高い経済指標の発表前から米国の金利がレンジを上放れ始めたのは、その意味でわかりやすいと思います。

スピード調整がほぼ一段落し、米国の金利は上昇を再開する準備が整っていたのであって、その意味では、米国雇用統計が「米金利上昇」といったシナリオに水を差すものでなければ、それで十分だったのかもしれません。

■マーケットが「失業率サプライズ」に反応したワケとは?

 ただ、それは失業率のポジティブ・サプライズが無意味だということではありません。これはこれで、とても重要な意味がありました。

 すでに「その気」になっていた米国の金利上昇&米ドル高を後押しするといった点では、とても意味あるものだったことは間違いないと思います。ひと言で言うと、米国の利上げに現実味を与えたということです。

 そもそも、失業率は米国の金融政策ととても密接な関係のあるものです。「資料3」をご覧ください。

 これは、失業率と米国の政策金利であるFFレートを重ねたものですが、失業率はちょっと加工を施しているものの、それにしても、両者がほぼ重なり合って推移してきたことがわかるでしょう。

 これを見るかぎり、米国の金融政策は失業率しだいということなのです。

資料3

 そのような失業率からすると、この「資料3」は現在、FFレートが大幅なマイナス金利でなければならないことを示しています。

 ただ、実際のところは、米国のFFレートはゼロであってマイナスではありません。その足りない分が量的緩和でカバーされています

 したがって、量的緩和によるカバーを考慮しなければ、FFレート引き上げ、つまり利上げが可能になるためには、失業率はピークから2%程度も下がらなければならないことを「資料3」は教えてくれています。

 つまり、一時10%以上まで上昇した失業率が7%台まで下がらないと、本来的にFRB(米連邦準備制度理事会)は利上げができないということになります。

 ただ、今回の場合、FRBは利下げ以外に量的緩和も実施しています。

 また、米国の労働状況の構造変化なども加味すると、「FEDウォッチャー」と呼ばれる専門家の間では、失業率が必ずしも7%台まで低下しなくても、9%程度まで低下したら利上げへの転換は可能になるとの見方が一般的になっていました「期待はずれの雇用統計でも、ドル/円は1月陽線引けとなりそう! そのワケとは?」を参照)

 ここまでお読みいただいたければ気づかれた方も多いと思いますが、米国の「失業率9%」という数字は、利上げへの転換の最低条件だったのです

 もちろん、9%まで失業率が低下したから即利上げということではありませんが、失業率が9%まで低下しないことには利上げの話などできない、そういった大きな意味を持つ数字だったのです。

 それが今回、大方の予想にほとんどなかった「失業率9%」が、あっさり実現してしまったのです。

米ドル高へ期待が持てそうだが、気になるところも…

 「大方の予想にほとんどなかった」と言いましたが、それは言い過ぎではないと思っています。

 なぜなら、最初に発表された失業率の結果は、昨年11月が9.8%、昨年12月が9.4%で、それが、この1月に9%となったのです。

失業率がたった2カ月で0.8%も低下したのですから、ほとんど予想できない「超サプライズ」と言える結果だったと思います。そして、「超サプライズ」で一気に、米国の利上げの最低条件をクリアしたのです。

 この「超サプライズ」といった言い方が大げさなものではないということを、米国の金融政策を決めるFOMC(米連邦公開市場委員会)の失業率見通しを参考にして考えてみましょう。

 基本的に、FOMCは四半期に1回の割合で主要な景気見通しを公表するようになりましたが、「資料4」のように、昨年11月に公表した直近の見通しにおいて、失業率は2011年末に9%前後に低下するとの見方を示していました

資料4

 要するに、FOMCで2011年末と予想されていた9%への失業率低下が、なんと2011年の初めに実現したのですから、「超サプライズ」といっても大げさではないと思います。繰り返しますが、「失業率9%」という数字は、利上げへの転換において最低限の条件と見られているものです。

 このように見てくると、そもそも米国の金利上昇再開の下地ができ上がっていたということがあるにしても、利上げに現実味を持たせる「失業率9%」の意味は大きいです。その意味では、雇用統計の結果を受けた米国の金利上昇、米ドル高はこの先も期待が持てるものだと思います。

 ただし、少し気になるところが2つあります。

 1つ目は、米国の長期金利が3.6%を超えて上昇し、再び「上がり過ぎ懸念」が強まっていることです。90日移動平均線からのカイ離率は、プラス30%が経験的な「上がり過ぎ限界圏」のところ、直近ではプラス20%を大きく超えています。

 もう1つの懸念材料は、「失業率9%」という単月の結果がどれだけ信用に値するかということです。

 「失業率9%」は利上げへの転換の最低条件ですが、単月の結果ではなく、どれだけ定着性のあるものなのかを見極める必要性があることは当然でしょう

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吉田恒の「データが語る為替の法則」
吉田 恒 (よしだ・ひさし)

1985年、立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長、また、投資情報事業を展開するT&Cグループの持ち株会社であるT&Cホールディングス取締役などを歴任。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。また、「M2J FX アカデミア」の学長も務めている。
一方、国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的におこなっている。2000年のITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年の円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。著書に『さよなら円高』『YENの悲劇』(ともに廣済堂出版)、『投資に勝つためのニュースの見方、読み方、活かし方』(実業之日本社)、『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)、共著に『通貨大動乱』(総合法令)がある。また、DVDに『こうすればFX予想は当てられる!』(パンローリング)がある。

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