■米ドル/円が急落し、むしろ下値リスクが大きくなった
まずは、米ドル/円の日足チャートをご覧いただきたい。
これは300本足(300営業日分)のチャートだ。
米ドル/円は、チャート・ポイントであった84.50円を明確に上抜けており、4月6日(水)には、85.50-55円の高値をつけている。
次のターゲットは、日本の当局(日銀・財務省)が単独介入を行った際につけた2010年9月15日の85.94円である。
つまり、85.94円を明確に上抜けることができるか、否かということだ。
ただし、為替レートのチャート・ポイントは正確な数値ではなく、目安、メドとして、86.00円を明確に上に抜けられるかに注目すればよい。
米ドル/円は4月に入ってから、このところの上昇過程において、85.94円(86.00円)に届くことなく下落に転じた。
目先の高値は、前述した4月6日(水)の85.50-55円であったようだ。
しかし、引き続き、85.94円を明確に上抜けることができるか、否か、86.00円を明確に上抜けられるかに、最大限の注意を払う必要がある(「ドル/円がトレンド転換する可能性は高い!86.00円突破ならば「買い」から入る戦術へ」を参照)。
なお、マーケットの与件の変化により、米ドル/円は急落しており、現状は、むしろ下値リスクのほうが大きくなっている。
■約6カ月続いた「ボックス相場」が終了した
日足チャートを見てわかるように、米ドル/円は、2010年9月下旬から2011年3月15日(水)までの約6カ月間、80.00円から84.50円の安値圏での「ボックス相場」を形成した。
3月16日(木)に80.00円を下に割り込み、3月17日(金)に76.25円の歴史的安値をつけていることから、前述のように「3月15日(水)まで」と記述している。
この期間は、ピンクの水平線で表示した84.50円のレジスタンス・レベルが、有効であるか、否かに注目した(「84.50円のレジスタンスが効いている!この上にストップを置いてドル売り・円買い」を参照)。
その後、4月1日(金)に84.73円の高値をつけて、84.50円のレジスタンス・レベルを一時、上抜けた。
だから、4月1日(金)の時点で、このチャート・ポイントは絶対的なものではなくなった。
つまり、80.00円から84.50円の安値圏での「ボックス相場」は、4月1日(金)時点で、下にも、上にも、両方ともブレイクされ、もう関係がなくなったということだ。
そういった状況下で、86.00円(85.94円)のチャート・ポイントだけが生き残り、いまだに有効ということになる。
■4月5日の「買いシグナル」は正しかった
続いて、米ドル/円の日足チャートについて、直近のものの拡大版をご覧いただきたい。
4月1日(金)時点で84.50円を上抜けたことで、目先の「買いシグナル」を発したが、その翌営業日となる4月4日(月)は調整の下落となっている。
なお、4月1日(金)の高値は84.73円、安値は83.12円であり、調整の下落となった4月4日(月)の日足は、4月1日(金)の日足にスッポリと収まっている。
つまり、典型的な「はらみ(はらみ寄せ)」を形成した。日足チャートには、「はらみ寄せ(1)」と表示している。
「はらみ(はらみ寄せ)」のセオリーは、母線(この場合は4月1日の日足)の高値を抜けたら「買い」、母線の安値を抜けたら「売り」となる。
翌日の4月5日(火)の米ドル/円は、母線の高値であった84.73円を上抜けた。その時点で、再度、「買いシグナル」が点灯した。
その後、4月6日(水)に85.53円まで上昇しているので、この「買いシグナル」は正しかったと考えている。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)