毎年、ゴールデン・ウィークやクリスマス・シーズンになると、「相場を休んだほうがよい」と言い続けている(「取引するなら『米ドル売り・円買い』だが、「クリスマス相場」は休むのが賢明」など参照)。
今年も「ゴールデン・ウィークは相場を休んだほうがよい」と考えてる。
■市場参加者が少なくなるのはリスクとなる
外国為替市場の場合、1年のうち、ある一定の時期は「休んだほうがよいシーズン」となる。
もちろん、そういったシーズンであっても、この相場は「売りだ!」とか、「買いだ!」といった、しっかりとした思惑があるならば、その売買を妨げるつもりはまったくない。
しかし、外国為替市場の参加者が少なくなるクリスマス・シーズンやゴールデン・ウィークは、一般的には、動意が薄く、売買は活況とはならない。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
こういった市場参加者が少なくなることが決まっているシーズン(時期)に、何かしらの重大事件が起こってマーケットが荒れると、不測の事態になる。
市場参加者が少ない場合、相場の展開を読み切れない。過去の経験則が役に立たなくなるためだ。
市場参加者が多いときは、それなりに、過去の経験則やらデータが通用するが、市場参加者の少ない場合は当てはまらなくなる。
■マーケットが薄いと、乱高下しやすくなる
具体例を挙げよう。
ランダムに1000人がいた場合、お昼ごはんを食べる時間は、ほぼ正午前後に集中する。
しかし、それでも、何人かは「ダイエット中で、昼食は抜きです」とか、「仕事が忙しくて、昼飯が4時になっちゃった」とか、「昼はミーティングがあるので、今日は10時半にブランチだった」とか、「子供が熱を出して病院に行っていたので、昼食をとれなかった」とか、必ず、標準偏差から外れる人がいる。
とはいえ、1000人いれば、その大半は、お昼ごはんを正午前後にとっているだろう。
しかし、サンプルが少ない場合、たとえば10人のサンプルの場合、先ほどのような都合の人がいた場合に、偏差に与える影響は大きくなる。
サンプルが5人になったら、全員が正午前後以外の時間に、昼食をとっているケースもあり得るだろう。
外国為替市場にも、同じことが言える。
だから、市場参加者が少ないときは、過去の経験則が当てはまらず、不測の事態が起こりやすい。マーケットが薄くなって、リクイディティ・リスク(流動性リスク)が高くなり、乱高下しやすくなる。
それを理解して、さらに、それをも読んで、相場に臨みたい人を止めるつもりはないが……
「年間スケジュール」を知っていれば、ムダなリスクは避けられる。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)