■目先は79円台~82円台程度の「ボックス相場」が続きそう
目先の米ドル/円は82円台が重く、垂れ下がってきた印象だ。
引き続き、80円台前半や79円台では介入警戒感が強く、その水準を「売る」のは心理的な抵抗があるだろう(「ドル/円はトレンド転換の可能性高いが、目先80円台までの下押しはあり得る」を参照)。
一方、直近の相場では82円台まで買い上がっている。この上昇の過程で、米ドル/円を買い持ち(ロングポジション)にした市場参加者も多いことと思う。
この直近の上昇過程で、81円台後半や82円台を買った(ロングにした)市場参加者は、80.00円を割り込んで79円台を見るような展開になると、損切り(ストップ・ロス)を余儀なくされると推測できる。
そのような展開になるか、ならないかは、81円台後半や82円台にどれほどの買い持ち(ロングポジション)がたまっているかにかかっている。
つまり、再度の80.00円割れがあるか、否かは、この損切り(ストップ・ロス)がつくか、否かということだ。
筆者は、米ドル/円が目先、引き続き、79円台から82円台程度の小さな「ボックス相場」を形成すると見ている。
つまり、介入警戒感が強いので、80.00円を割り込んでも長続きしないのではないかと、今のところは考えている。
米ドル/円が、79円台から82円台程度の小さな「ボックス相場」のインサイド(内側)にある間は、たいして重要ではない。
チャート・ポイントの86.00円を上抜けて上昇する展開になるのか、それとも、明確に79円台を下抜けて、下落する展開になるのかが重要な問題(テーマ)である。
今のところ、まったく判然としない。わからないときは、相場をやらない勇気も大切だと考えている。
なお、前述のように、目先の米ドル/円は引き続き、79円台から82円台程度の小さな「ボックス相場」を形成すると見ているが、80.00円を割り込むと損切り(ストップ・ロス)がかなり出ると見込まれるため、下落スピードが加速すれば、想定外の値動きになる可能性もある。
そのような値動きになる場合でも、78円台では「円売り・米ドル買い」の市場介入が実施される可能性が高い。したがって、相場が大きく荒れるパターンを考えるべきだ。
引き続き、米ドル/円が80円台や81円台にある間は、ことさらに何かする必要は、今のところはないと考えている。
■86.00円を明確に上抜けるかに最大限の注意を払うべき
それでは、米ドル/円の日足チャートをご覧いただきたい。
これは300本足(300営業日分)のチャートだ。
米ドル/円は4月5日(火)に、チャート・ポイントであった84.50円を明確に上抜けた。翌4月6日(水)には、85.50-55円の高値をつけている。
その時点での次のターゲットは、2010年9月15日に行われた日本の当局(日銀・日本の財務省)による単独介入の際につけた高値の85.94円だ。
85.94円を明確に上抜けることができるか、否かということだ。
ちなみに、為替レートのチャート・ポイントは正確な数値ではないため、1つの目安、メドとして、86.00円を明確に上抜けられるかが注目された。
しかし、4月6日(水)以降、米ドル/円は85.94円(86.00円)に届くことなく、下落に転じた。この4月6日(水)につけた85.50-55円が目先の高値となった。
時間が経過して、結果として見るならば、4月6日(水)に85.50-55円の高値をつけてから80.00円割れまで、一方的に(一方通行で)下落したと言ってもよいだろう。
しかし、それでも、85.94円を明確に上抜けることができるか、否か、86.00円を明確に上抜けるかに、引き続き、最大限の注意を払う必要がある。
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