
豪州とNZに対する金利見通しの格差が拡大している。
そこで今回は、それぞれの理由を概観したい。
■豪中銀は利上げ急いでいない
豪州の中央銀行であるRBA(豪準備銀行)は6月7日(火)、政策金利を4.75%に据え置いた。この金利据え置き自体は市場予想のとおりだ。
ただ、これに先立って、著名なRBAウォッチャーであるマッカラン氏が7月利上げの可能性を指摘するなど、市場は次回会合で金利が引き上げられる可能性を織り込みつつあった。

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しかし、RBAが公表した声明文では「現在の緩やかな刺激スタンスは引き続き適切」とされ、前回会合での声明文と同じ文言が踏襲された。
つまり、利上げを急いでいない旨が示された。
■労働市場はRBAのスタンスを支持している
6月9日(木)に公表された5月分の豪州の雇用統計は、失業率が4.9%で前回から横ばいとなった。
また、雇用者数変化は0.78万人増と回復を示したが、前回分が当初発表の2.21万人減から2.94万人減に下方修正されており、ネットで見ると、雇用者数はほぼ増加していないことが明らかとなった。
これは、上段で示したRBA声明文における「現在の緩やかな刺激スタンスは引き続き適切」との文言をサポートする結果であり、RBAは利上げを急いでないとの見方が改めて確認されたと言える。
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