引き続き、米ドル/円の基本的な考え方は変わっていない(「80円割れの後、米ドル/円はどうなる?急落しても78円台では介入の可能性高し!」など参照)。
2007年6月以来、ずっと「米ドル安・円高」のトレンドが続いており、これは現在に至るまで、一度として転換したことはない。
まる4年もの間、「米ドル安・円高トレンド」のままであり、このことが大前提となる。
ただ、目先の米ドル/円はこう着状態にあり、やりようがない。
■まる4年間も「米ドル安・円高」のトレンドが続いている
まずは、米ドル/円の週足チャートをご覧いただきたい。これは300本足(300週分)のチャートだ。
現在のレジスタンスラインを緑の破線(太線)で示したが、米ドル/円は2007年6月から現在に至るまで、このレジスタンスラインに従って下落している。
だから、週足チャートを見るかぎりは、「米ドル安・円高トレンド」で変わっていないことになる。
しかし、米ドル/円が足元で、この緑の破線(太線)のレジスタンスラインに迫っていることも事実であり、明確に上抜けるような場合は「買いシグナル」が点灯する。
繰り返すが、緑の破線(太線)のレジスタンスラインは、現時点ではまだ有効であり、上にブレイクすることも、ブレイクされたこともなく、現在のトレンドは「米ドル安・円高」のままで変化はない。
つまり、2007年6月から現在に至るまでの4年間、「米ドル安・円高トレンド」のままで、今のところ、一度も「反転のシグナル」を発したことがないということになる。
さて、米ドル/円を週足チャートで見ると、今回の下落の起点が2007年6月高値の124円台であることが見て取れる。
米ドル/円は、2007年6月高値の124円台からレジスタンスラインの傾きに従って、一定のスピードで下落を続けていることになるが、3月18日(金)にG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)で協調介入の合意がなされたことで、反転の兆し(トレンド転換を示唆するシグナル)の可能性が出てきた。
今のところ、この協調介入は米ドル/円の相場水準を押し上げることを意図していないと考えているが、76.25円の歴史的最安値を更新することなく、このまま「横ばい」を続ければ、時間の経過に伴ってレジスタンスラインを上抜ける可能性が出てくる。
なお、週足チャートで「明確な反転の兆し」と言うには、このレジスタンスラインを上抜ける必要を感じている。
■引き続き、86.00円を明確に上抜けられるかに注目!
続いて、米ドル/円の日足チャートをご覧いただきたい。これは300本足(300営業日分)のチャートだ。
米ドル/円は、4月上旬にチャートポイントであった84.50円を明確に上抜けており、それからすぐに85.50-55円の高値をつけている。
この時点では上昇傾向が強く、次のターゲットとして、2010年9月15日に行われた日本の当局(日銀・財務省)による単独介入の際につけた85.94円の高値が意識された。
つまり、4月上旬の時点では、85.94円を明確に上抜けられるか、否かに注目が集まっていた。
ちなみに、為替レートのチャートポイントというのは正確な数値ではない。だから、目安(メド)として、86.00円を明確に上抜けるかが注目された。
しかし、米ドル/円は85.94円(86.00円)に届くことなく下落に転じており、目先の高値は4月6日(水)につけた85.50-55円となった。
時間が経過してからチャートを見ると、4月6日(水)高値の85.50-55円から80.00円割れまで、一方通行で下落していることがわかる。
しかし、それでも、85.94円を明確に上抜けることができるか、86.00円を明確に上抜けられるかということに、引き続き、最大限の注意を払う必要がある。
現状水準を80円レベルと考えると、86.00円までは6円しかない。通常の値動きならば5~6円は大きな値幅だが、ひとたび何か相場を動かすニュースや材料が出れば、この程度は、ほんの数秒で突破する距離(値幅)に過ぎない。
ゴールデン・ウィーク後半からのユーロ/米ドルの値動きが好例で、ほんの1~2日でも、数百ポイント以上の値動きを見せている。
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