吉田恒さんの当コラム「データが語る為替の法則」は通常火曜日に更新していますが、今回は8月4日(木)の為替介入を受けて、緊急特別寄稿をしていただきました。(ザイFX!編集部)
米ドルが、3月に記録した76.25円という最安値更新含みとなる中で、日本政府は8月4日、約3ヵ月半ぶりの円売り・ドル買い介入に踏み切りました。
これで米ドル安は終わったのか、それともまだなのか。価格的に重要な目安は、81円を超えられるかどうかだと思います。
■介入当日の動きは「教科書」どおりだった
昨年、2010年以降、日本政府は2010年の9月と2011年の3月に2回円売り・ドル買い介入を行いました。
この2回の介入直後、米ドルは介入当日に3~4%の急反発となりました。今回も、介入当日に米ドルは77円程度から一時80円台に乗せるなど、最大反発率は約4%に達しました。
その意味では、ここまでの米ドルの動きは、介入直後の動きとしては、とても「普通」だと言えるでしょう。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 30分足)
■一気に81~82円までの上昇を望むのは期待しすぎ
そもそも、介入初日に、一気に81~82円まで米ドル一段高を望むのは、「過大な期待」なのです。
ただ、少し気になるのは、介入直後の米ドル反落です。過去2回の介入では、さすがに介入から1週間程度は「介入効果」が持続したようで、米ドル反落は限られ、2%以上の反落は起こりませんでした。
今回、介入後の米ドル高値は80円をちょっと越えたところでしたから、その後の78円半ばを割り込んだ動きは、2%以上の米ドル反落ということになります。
今回の場合、とくに3月のG7(先進7ヵ国)協調介入と大きく異なり、欧米から支持を得られていないことから介入効果に懐疑的な見方が多いようです。
その意味では、米ドル反落が2%以上に広がっていくようなら、過去2回の介入より、円高阻止の効果が切れるのが早いということで、警戒する必要はあるでしょう。
逆に、81円を米ドルが超えていくようなら、円高阻止介入は成功の可能性が高くなるのではないでしょうか。
なぜなら…
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