とてもおもしろいFX会社が日本に上陸してきた!
・1通貨単位で取引可能
・土日も取引できる(※)
・毎秒スワップ金利を付与
どうだろう? 従来のFXの常識を打ち破る、画期的なサービスではないだろうか。こうしたサービスを提供しているのがOANDA(オアンダ)だ。
(※本記事公開後にOANDA Corporation、OANDA Japanはサービス内容を変更。2012年7月7日以降は土日取引ができなくなった)
■日本で新たにサービスを開始したOANDA
OANDA Corporationは米国に本拠を置くFX会社。同社はシンガポール、ロンドン、ドバイなど世界的に事業を展開しているが、その日本法人がOANDA Japanである。
これは従来あった株式会社My外貨がOANDA Japan株式会社へ名称変更されたもの。そして、8月22日からOANDA Japanは「OANDA fxTrade」のサービス提供を開始した。
今回、ザイFX!は米国OANDA Corporationの共同創業者であり、社長&CEOであるマイケル・スタム氏が来日した機会をとらえ、インタビューを行った。その内容をお届けしよう。

■たった1通貨単位の取引がなぜできるのか?
1通貨単位の取引……これは誤植ではない。
1万通貨単位ではなく、間違いなく1通貨単位だ。
米ドルでいえば1ドル、つまり80円弱の金額をOANDAでは取引できるのである。
FXファンならご存じのことと思うが、ここでFXの取引単位についてちょっとおさらいしておくと、今の日本のFX会社では1万通貨単位の取引が主流。
ザイFX!では初心者にはこれより少ない1000通貨単位の取引をずっと推奨してきた。1000通貨単位で取引できるFX会社は次第に増えてきているが、それでもまだ少数派に止まる(「1000通貨単位で取引できるFX会社はここだ!」参照)。
もっと少ない100通貨単位取引が可能な口座もあることはあるが、それはマネーパートナーズの「パートナーズFXnano」ただ一つという状況だ。
日本ではそんな状況なのに、たった1通貨単位の取引? そんなことが実際可能なのか?
「株式は1株でトレードできるでしょう? 為替も1ドルで取引できなくてはおかしいのでは?
1も100万もデータベース上のデータ量は同じ。テクノロジー的には何の変わりもありません。
創業時のOANDAでは1セントから取引できました。ただ、そうすると取引量がものすごく多くなったので、最低取引単位を引き上げて1ドルにしたのです」

実はスタム氏はOANDAのトップを務めるとともに、カナダ、トロント大学の教授でもある。大学での専門はコンピューター・サイエンス。「1も100万も同じ」と涼しい顔で言い切るのは、いかにもコンピューター・サイエンスの専門家らしい!? といったところだろうか。
しかし、たった1ドルの取引を可能にして、OANDAのビジネスは成り立つのか?
「1ドルトレードでは、OANDAの利益は少ないです。
けれど、ユーザーとしては便利でしょう。たとえば、1000円ぐらい口座へ入金して取引して、確信がもてれば、その時はじめて本格的に資金を投入するようなこともできます。
我々は、長期間に渡ってお客さまに満足いただくことを目指しているのです」
■なぜ、OANDAは土日にも取引できるのか?
では、土日の取引はどうだろう?
FXはよく「24時間取引ができる」と言われるが、完全に24時間取引できるわけではない。日本時間でいえば、土曜日の早朝から月曜日の早朝は取引できないのが普通だ。
アラブ地域は金曜が休日など西欧社会と休日が異なるため、土日の取引ができるようだが、欧州や北米、そして日本では土日取引ができるFX会社はOANDA以外にない。
OANDAはなぜ土日に取引できるのだろう?
「逆に、なんで他のFX会社は土日取引をやらないんでしょう? ただ、コンピューターをつけておけばいいだけなのに…」
スタム氏は冗談交じりにこう話すが…。FX会社は顧客から受けた注文をインターバンク市場に流す、いわゆる「カバー取引」を行うもの。
銀行が営業していない土日はカバーを取れるとは思えないので、FX会社も営業できないように記者には思えるのだが…。それとも、OANDAはアラブ地域の金融機関とつないで、カバー取引しているのか!?
どうもそうではないようだ。
「OANDAが土日取引を提供しているのは、リスクマネジメントができているからです。
土日は流動性が低いためまず、スプレッドがワイドになります。
また、ユーザーが取引することで、為替レートが変化します。そのこと自体がリスクマネジメントになるのです。
これは平日、OANDAを含めインターバンクのマーケットメーカー(おもに外資系銀行)が行うリスクマネジメントとなんら変わりはありません。カバー取引だけがリスクマネジメントではないのです(※)。
(※ただし、OANDA Japanは米国のOANDA Corporationに対して、フルにカバー取引を行っている)

■レートが変化すれば、際限なく売られることはない
スプレッドがワイドになるという話はわかりやすい。けれど、値動きによってリスクマネジメントを行うという話はちょっとわかりにくい。
これは、どうも次のようなことらしい。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)