ユーロ/円に関しても考え方に変化はなく、根本的な内容は8月17日(水)のコラムのコメントと同じだ(「介入があっても目新しいシグナルはない。ユーロ/円の下落トレンドに変化なし!」を参照)。
代わり映えしないが、「根本的な内容はこれまでと同じ」ということは「前々から述べていたことが正しかったと確認できる」ということだと思っている。
つまり、「その後の値動きで、前々から述べていたことが正しかったと確認できた」ということであり、基本的には「ユーロ売り・円買い」で戦うべきだと考えている。
■現在も「売りシグナル」が継続中で、トレンドは「下落」
それでは、ユーロ/円の300本足(300週分)の週足チャートからご覧いただきたい。
ユーロ/円は、2006年半ばから2008年半ばにかけて、下限が149円レベル、上限が170円レベルの「ボックス相場」を形成した。
この「ボックス相場」は結果的に「ヘッド&ショルダー(※)」を完成させ、その後の大暴落(クラッシュ)の原因となった。週足チャートには、この「ボックス相場」をピンクの水平線で表示している。
また、2008年の大暴落(「ヘッド&ショルダー」のクラッシュ)の後、2008年後半から2010年4月まで、ユーロ/円は上限が140円レベル、下限が112円レベルの「ボックス相場」を形成した。週足チャートには、その上限と下限を青の水平線で表示している。
その後、2010年5月に下限の112.00円を下に割り込んだことで、ユーロ/円は再び「売りシグナル」を発した。「ボックス相場」を下抜けたのだから、さらなる急落があっても不思議ではない状態が続いた。
しかし、112.00円を割り込んでからのユーロ/円は、2010年4月ないし5月頃から今年の3月28日(月)に至る期間、今度は下限が105 円レベル、上限が116円レベルの「ボックス相場」を形成した。週足チャートには、その下限と上限を緑の水平線で表示している。
そして、3月29日(火)に上限の116.00円を上抜けて、この時点で「買いシグナル」を発した。
だが、116.00円を上抜けて上伸したものの、高値は123円台ミドルにとどまり、改めて上値が重い展開に移行した。
そして、5月6日(金)にチャートポイントだった116.00円を下に割り込み、一転して「売りシグナル」を発した。
その後もトレンド転換を示唆する動きはなく、現在も「売りシグナル」が継続している。つまり、トレンドは「下落」である。
ちなみに、3月29日(火)以降も116.00円は重要なチャートポイントだったと考えているが、その後の値動きを含めて全体を俯瞰(ふかん)すると、ユーロ/円は上限が124円レベル、下限が105円レベルの「ボックス相場」を形成していると考えている。
そのために、116.00円は緑の水平線(細線)で表示した。
(※編集部注:「ヘッド&ショルダー」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされている。人の頭と両肩に見立てて「ヘッド&ショルダー」と呼び、仏像が3体並んでいるように見えるため「三尊」と呼ぶこともある)
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