行き過ぎた相場、その極端なケースを「バブル」と言いますが、「バブル」の転換点は後になってからでないとわからないものです。
とくに、経験的には、バブル破裂が始まった最初の20営業日程度は、相場の転換に対する「最後の抵抗」が起こるようなのです。
ちなみに、金(ゴールド)相場のこの間の高値は、終値ベースだと8月23日(火)に記録しており、その日から20営業日以上がすでに経過しました。
もし、金相場がバブルだったなら「最後の抵抗」がそろそろ終わり、バブル破裂が本格化し始めるタイミングに入りつつあってもおかしくはありません。
■「金バブル」破裂が本格化するか、重大局面を迎えている
バブル破裂相場といえば、何と言っても、1990年1月からの日本株バブルの破裂でしょう。この時は、1990年から日経平均株価の急落が始まりましたが、いったん下げ止まり、戻り高値をつけたのは、下げ相場が始まってから23営業日目でした。
また、バブル破裂とまで言えるかはともかく、金相場が近年3割もの急落に向かったのは2008年3月からでした。この時も、下落が始まった後にいったん相場が戻す場面もありましたが、「資料4」のように、戻り高値をつけたのは21営業日目でした。
こういったことから感じられるのは、バブル破裂相場に対する最初の強い抵抗は、20営業日程度で息切れする可能性があるということです。

行き過ぎた相場の転換も、しょせん、後になってからでなければわからないものです。
ITバブル破裂は、今から振り返ると2000年3月から始まったものなのですが、日銀は2000年8月にゼロ金利を解除し、利上げに踏み切っていました。
これは、ITバブル破裂から半年近くたったところでも、バブルが破裂したという認識が当時の政策当局者の中にさえ、必ずしもなかったことを示しているでしょう。
このように見てくると、最近の金相場がバブルで、その転換に向かうなら「最後の抵抗」を過ぎつつある可能性があります。
折りしも、今週は注目のFOMCが予定されているわけですが、この結果などを見極めながら、金という「安全資産バブル」破裂が本格化するか、重大局面を迎えている可能性があるのではないでしょうか?
■FOMCを機に為替相場は大きく変わるのか?
これまで、金利の上昇や金相場の下落がいよいよ始まるのではないかということをご説明してきました。
もし、予想どおりの展開に向かうならば、米国金利の上昇に連れる形で米ドル/円も上昇し、「安全資産」の下落で、安全通貨である円も下落に向かうことになると考えています。
たとえば、金利と米ドル/円の関係ならば、「資料5」の日米2年債利回り差と米ドル/円の関係、そして、安全資産バブル破裂局面での円安なら、「資料6」が参考になるでしょう。


いずれにしても、今週のFOMCを前後して、為替相場でこの間の米ドル安・円高が大きく変わり始める可能性があると思っています。
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