ユーロ/米ドルに関して、考え方は変わっていない(「ユーロ/ドルは三角保ち合いも、ボックスも下抜けて売りシグナル点灯。売りしかない!!」を参照)。
■「三角保ち合い」を下に割り込み「売りシグナル」が点灯した
それでは、ユーロ/米ドルの300本足(300週分)の週足チャートからご覧いただきたい。
ユーロ/米ドルは4月上旬に、赤の破線で示した中長期のレジスタンスラインを上抜け、その時点で「買いシグナル」を発した。赤の破線(細線)は赤の破線(太線)の平行線である。
ユーロが対米ドルで4月上旬に上昇した要因については、米国(=米ドル)が政策金利(短期金利)引き上げを実施しない一方で、欧州(=ユーロ)は今後も政策金利(短期金利)を引き上げるという思惑によるものだった。
そして、4月中のマーケットでは、「ユーロ買い・米ドル売り」が一段と進んだ格好となった。
だが、ゴールデン・ウィーク中の5月5日(木)に、ECBは市場予想どおりに政策金利を1.25%で据え置くことを決定したため、早期利上げ期待が後退し、ユーロ/米ドルはこの日以降は大きく急落した。
そのため、チャートには中長期のレジスタンスラインとして青の破線(太線)を、その平行線として青の破線(細線)を加筆した。
俯瞰(ふかん)して見ると、ユーロ/米ドルは2010年6月安値の1.18ドル台を起点に、ピンクの破線(太線)で示したサポートラインに沿って上昇していると言うことができる。なお、ピンクの破線(細線)はピンクの破線(太線)の平行線である。
また、ユーロ/米ドルは、青の破線(太線)のレジスタンスラインとピンクの破線(太線)のサポートラインに挟まれて、大きな「三角保ち合い(ウェッジ)」を作っていた。
そして、9月9日(金)に、このピンクの破線(太線)のサポートラインを下に割り込んだ。つまり、これまでに何度も述べてきたように、ピンクの破線(太線)を明確に下に割り込んだので、「売りシグナル」が点灯したのだ。
■「ヘッド&ショルダー」が完成する可能性は十分に高い
続いても、ユーロ/米ドルの300本足(300週分)の週足チャートだ。
ユーロ/米ドルは、中長期のチャートの形状から「ヘッド&ショルダー(※)」の可能性を考えていたが、ユーロが1.18ドル台から大きく上昇しているので微妙になっていた。
(※編集部注:「ヘッド&ショルダー」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされている。人の頭と両肩に見立てて「ヘッド&ショルダー」と呼び、仏像が3体並んでいるように見えるため「三尊」と呼ぶこともある)
個人的な思惑だが、5月4日(水)の高値である1.4940ドルが右肩の高値となるケースを想定して、「ヘッド&ショルダー」の「3つの山」が示唆されていると考える。
「ヘッド&ショルダー」は、それが完成した時点で粛々と対応すればよいのだから、この時点で「ヘッド&ショルダー」を想定するのは時期尚早だったのだが…
「ヘッド&ショルダー」はネックラインを明確に割り込んだ時点で対応するべきで、「ヘッド&ショルダー」を作るかもしれないといった予見(予測)でポジションを取ると、失敗することがよくある。
しかし、「ヘッド&ショルダー」が完成する可能性は十分に高いと引き続き考えている。
それでも、当初考えていたパターンよりも、完成する時期は大きく先送りされた。
繰り返すが、「ヘッド&ショルダー」は、それが完成した時点で粛々と対応すればよいだけのことだ。
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