今回は、豪ドル/円の現状分析を行う。
月足→週足→日足の順に見ていくことにしよう。
■上昇と下降が2~3年から5~6年で繰り返されている
まずは、豪ドル/円の月足チャートで大きなトレンドをご確認いただきたい。
豪ドル/円は、1992年から1995年まで緑の破線のレジスタンスラインに沿って下落し、1995年から1997年まで緑の破線のサポートラインに沿って上昇し、1997年から2000年まで緑の破線のレジスタンスラインに沿って下落し、2001年から2007年までは緑の破線のサポートラインに沿って上昇した。
そして、2008年には大暴落したが、2009年から2010年にかけて、今度は緑の破線のサポートラインに沿って上昇を続けた。
現在は、緑の破線のサポートラインを下抜けて「売りシグナル」を点灯させ、下降トレンドに転換した状態である。
こうした動きを俯瞰(ふかん)してみると、豪ドル/円はボックス相場的な動きをしており、上昇と下降が2~3年から5~6年のサイクルで繰り返されているということが読み取れる。
このこと(周期)から見ても、直近の上昇トレンドは終わり、下落トレンドに転換したと判断している。
■日本の介入が豪ドル/円に与えた効果は限定的だった
続いて、豪ドル/円の週足チャートをご覧いただきたい。
まず、下値が88円、上値が108円の「ボックス相場」の中で「ヘッド・アンド・ショルダー」を作り、下値の88円を下に割り込むと55円まで大暴落していることがわかる。
大暴落後は、1本目のピンクの破線のサポートラインに沿って上昇を開始し、この上昇は2010年春ごろにサポートラインを下抜けたことで終わり、下落トレンドにいったんは転換したものの、青の水平線で示した72円でサポートされ、再び上昇に転じた。
その結果、2本目のピンクの破線のサポートラインが現れた。
しかし、今年3月に米ドル/円が急落したことにつられ、豪ドル/円も大きく下落し、この2本目のサポートラインを割り込んだ。筆者は、その時点で「売りシグナル」を発したと考えているが、G7(主要7カ国)が米ドル/円で協調介入を行った影響を受けて、豪ドル/円も90円まで強烈に担ぎ上げられた。
ただ、介入の効果は限定的で、トレンドを転換させるほどの力はなかった。徐々に勢いを失って垂れ下がり、再び2本目のサポートラインを割り込んで、「売りシグナル」を発した。
さらに、便宜上引いた3本目の赤の破線のサポートラインも割り込み、青の水平線で示したターゲットの72円まで大きく下落した。最安値は72.05円だった。
ターゲット達成後は強烈に反発している。なお、その際に3本のサポートラインを上にブレイクしているが、これはすでに破られているために意味を持たない。
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)