しかし、この青の破線で示したサポートラインを下に割り込む場合は「売りシグナル」となり、明確に下に割り込む場合は「売り」でついていくべきだった。
実際のところ、チャートに示したように、青の破線を明確に下に割り込んだので、「売りシグナル」が点灯したと考えている。
(出所:米国FXCM)
その後、「売りシグナル」を発して下落したものの、1.39ドル台からはリバウンド(反発上昇)した。それでも、引き続き、1.4940ドルの高値を更新していないので、ユーロ/米ドルの「売りシグナル」が持続している状態だ。
ユーロ/米ドルを俯瞰(ふかん)すると、2011年3月頃から9月上旬までの間、下値が1.39ドル台ミドル、上値が1.49ドル台ミドルの「ボックス相場」を形成していた。
上のチャートには、ピンクの水平線で「ボックス相場」の下値と上値を示し、約1000ポイントの「ボックス相場」を紫の破線で囲んで表示した。
もし、「ボックス相場」の下値を明確に下にブレイクする場合は「売りシグナル」が点灯する。戦術としては、下値の1.3968ドルを下に割り込んだ時点で「売り」となる。
その場合は「ボックス相場のセオリー」に従うと、ボックスの高値と安値の値幅分、ボックスの下値から約1000ポイント下落したところがターゲットになるため、ターゲットは1.2900ドル近辺となる。
実際のところ、日足チャートのように、2011年7月12日に1.3968ドルを割り込んだ。これにより「売りシグナル」が点灯した。
さらに、1.3836ドルを割り込んで安値を更新した時点で、再び「売りシグナル」が点灯したことになるが、この時点では、ギリシャ問題に対する対症療法的な政策で、1.3836ドルから大きく反発上昇した。
つまり、2011年7月中旬の「売りシグナル」の点灯は、典型的な「フェイル(だまし)」であった。
■「ボックス相場」を下抜けた場合のターゲットを達成した
「フェイル(だまし)」であるのか、否かは、後でわかることで、その時点ではわからない。
だから、ここは「フェイル(だまし)」であろうとも、「売り」でついていくところだ。
こういったケースでは、ストップ・ロス(損切り)がついて実損が出るだろうが、それでよい。個人的には、こういったところで損を出さないと、利益も出せないと考えている。
日足チャートを見てのとおり、2011年7~8月の夏休み相場を経て、9月上旬に1.3968ドルを割り込み、その時点で「売りシグナル」を発した。
さらに、2011年7月12日の安値である1.3836ドルも割り込んだ。安値更新の時点で、再び「売りシグナル」を発したことになる。
1.3836ドルを割り込んでから、ユーロ/米ドルは1.31ドル台まで下落した。しかし、ターゲットである1.29ドル台には届かずに反転した。
調整反発の上値メドとして、日足チャートに示した1.3968ドル(あるいは1.4000ドルレベル)を見ていたが、現地時間2011年10月26日に行われたEU(欧州連合)首脳会議で、ユーロ圏の債務危機打開に向けた包括策が合意に達したことを材料に、節目の1.4000ドルを上抜けた。
この時点では、売り方はいったん損切りを敢行し、改めて売り場を探すところだった。
大局での「ユーロ売り戦略」に変化はないが、最近のユーロ/米ドルは、欧州債務危機に関する材料で大きく振幅しており、無理をするのは危険だ。
ところが、日足チャートに示したように、緑の破線で示した短期のサポートラインを割り込み、「売りシグナル」を発した。
あまりにもアップダウンが激しく、右往左往するが、ここは「ユーロ売り」でついて行くところだった。
これだけ振幅が激しいのだから、改めて、1.41ドル台や1.42ドル台があれば、そこも売る覚悟がないと、サポートラインを割り込んだ1.38ドル台で売るのは難しい。ストップ・ロスは、今回の戻り高値である1.4246ドルよりも上に置く必要があった。
また、1.41ドル台や1.42ドル台、あるいは1.40ドル台でも売ることができるように、ポジションをコントロールするべきだ。
1.38ドル台で再度「売りシグナル」を発したが、ストップ・ロスは1.42ドル台に置かざるを得ず、かなり遠い。よって、1.42ドル台にストップ・ロスを置くにふさわしい水準でも売れるように、ポジションをコントロールするべきであった。
なお、ユーロ/米ドルは、2011年12月14日に節目の1.3000ドルを割り込み、1.2945ドルまで下落した。
これにより、下値が1.39ドル台ミドル、上値が1.49ドル台ミドルの青の破線で囲んだ「ボックス相場」を下抜けた場合のターゲットを完全に達成したと判断している。
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