2012年2月16日(木)から2011年分所得税の確定申告の受付が始まった。けれど、「FXの損益はどうやって申告したらいいの?」と悩んでいる人もいるのでは。
そこで、今回は月刊マネー誌『ダイヤモンドZAi』3月号から、FXの確定申告について解説した記事をお届けしよう。
今や年齢や職種を問わず多くの人に人気のFX(外国為替証拠金取引)だが、店頭取引と取引所取引では課税方法が違う。それぞれをしっかり理解して申告しよう!

■FXの損益通算には経費が認められる!
個人向けの金融商品としてすっかり定着したFX(外国為替証拠金取引)。その利益は当然ながら課税対象だ。所得としては「雑所得」に分類される。
FXには取引手数料やセミナー受講料などの経費が認められているので、儲けから経費を差し引いた金額が利益ということになる。

証券会社やFX取扱業者から入手できる「期間損益報告書」に記載の決済損益とスワップを合算、経費を自分で計算して差し引いたものが雑所得金額となる。ちなみに、決済していない建玉とスワップポイントは、課税の対象にならないので注意しよう。
FXの確定申告は、給与所得のあるなしで、必要かどうかの条件が異なる。
サラリーマンやOLなどの給与所得者なら、年収2000万円以下でFXを含めた雑所得の合計が20万円超の場合は確定申告が必要。主婦や学生などの扶養家族の場合は、雑所得の合計が38万円を超えると要申告。年金生活者は年金所得とFXの利益を合わせて38万円超なら申告が必要となる。

FXには店頭FXと取引所FX(くりっく365と大証FX)の2種類がある。その利益はいずれも「雑所得」なのだが、店頭FXは総合課税、取引所取引は申告分離課税となる。それぞれのメリット・デメリットは後述するが、課税方法に違いがあることは押さえておこう。

■2種類のFXの間では損益通算ができない
FXには総合課税の店頭FXと、申告分離課税の取引所取引の2種類がある。取引所取引は、金融商品取引所の「くりっく365」と「大証FX」の2つ。

総合課税の店頭FXは、FX以外の所得も合算した額に応じて税率が15~50%(住民税を含む)まで変わり、他の総合課税の金融商品や、他社の店頭FXとの損益の通算もできるが、過去の損の繰り越しはできない。

「くりっく365」「大証FX」は申告分離課税なので、商品先物などの取引所取引との損益が通算できる。税率はFXで得た利益に対して一律20%。株や投信と同様に3年間の損失繰り越しができるのがポイントだ。
店頭FXと取引所取引では課税の種類が違うので、損益の通算はできないことはしっかりと覚えておこう。
次ページでは「くりっく365」「大証FX」の取引所取引で損が出た時の解説と、申告方法をわかりやすく図解した記入マニュアルを大公開!
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