米ドル/円が動き出す可能性が高まっている。
目先の相場で、2011年10月31日高値の79.53円を上抜けて「買いシグナル」を発した。「はらみ寄せ」の母線の高値であった79.53円を上抜けたのだ(「ドル/円が78円乗せでも動き出さなかったワケは?『参加しないほうがよい相場』に」など参照)。
しかし、80.00円は心理的抵抗であり、現時点では、これを上抜けられるかがポイントになっている。もちろん、80.00円を上抜ける場合は、さらなる「買いシグナル」を発することになる。
なお、目先では、80.00円を上抜けられなければ、いったん調整の反落(下落)を見ることになるだろう。
それでも、「はらみ寄せ」の母線の高値であった79.53円を上抜けたことで発せられた「買いシグナル」の状態は、持続することになる。
■米ドル/円はトレンド転換したのか?
まずは、米ドル/円の週足チャートからご覧いただきたい。直近の値動きで、レジスタンスラインを上抜けてきた。
さて、これで「レジスタンスラインを上抜けた」と判断すべきか、それとも、
レジスタンスラインの傾きを緩やかにすることで、「まだ上抜けていない」と判断するべきか?
現時点では、週足チャートではレジスタンスラインを上抜けたものの、日足チャートでは、まだ「買いシグナル」とは断定できないと考えている。
それは、チャートポイントの79.53円と、心理的抵抗の80.00円の両方に注目すべきだと考えるからだ。
つまり、79.53円も80.00円も上抜けて行く場合は、必ずストップ・ロス・オーダー(損切り注文)を置いて、勇気を持って「買い」でついて行くべきだと考えている。
(出所:米国FXCM)
現時点では、79.53円は上抜けたが、80.00円はまだ上抜けておらず、非常に微妙な状況になっている。
79.53円を上抜けたことで「買いシグナル」を発した状態ではあるが、80.00円の上抜けを確認してから、「買いポジション」を作ればよいだろう。
それは、80.00円を明確に上抜けることができない場合、いったん調整の反落(下落)を見ることになるだろうと考えるからである。
直近の値動きは、76.00円レベルから79円台後半まで、一気に上昇している。目先の上昇スピードが非常に速かったために、このあたりでいったん、調整の反落(調整の下落)があってもおかしくはない。
米ドル/円は2007年6月以来、現時点まで、ずっと「米ドル安・円高」のトレンドを続けてきた。ごく最近に至るまで、一度として転換したことはなかった。
まる4年以上もの間、「米ドル安・円高トレンド」のままであったが、いよいよ、それが転換する(転換した?)可能性が出てきた。
上の週足チャートに緑の破線(太線)でレジスタンスラインを示したが、米ドル/円は、2007年6月からごく最近に至るまで、ずっと、このレジスタンスラインに従って下落していた。
このレジスタンスラインを明確に上抜ける場合は、「買いシグナル」が点灯する。
しかし、それで、すぐに「トレンド転換」とは言い切れない。
今までの緑の破線(太線)のレジスタンスラインの傾きが緩やかになるだけで、トレンド転換が起こらない場合もあり得るということに、留意すべきである。
■引き続き、86.00円を明確に上抜けられるかに注目
続いて、米ドル/円の日足チャートをご覧いただきたい。
(出所:米国FXCM)
米ドル/円は、2011年3月のG7(主要7ヵ国)による協調介入をきっかけに上昇が続き、それまでのチャートポイントであった84.50円を2011年4月上旬に明確に上抜け、それからすぐに85.50-55円の高値をつけた。
この時点では上昇傾向が強く、次のターゲットとして、2010年9月15日に行われた日本の当局による単独介入の際につけた85.94円の高値が意識された。つまり…
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)