■投資家の資産は100%保全されている
2012年3月5日(月)、MF Global FXA証券は、事業継続が困難との判断から、2012年4月5日(木)をもって廃業することを発表した。

MF Global FXA証券に証拠金を預けている投資家のなかには、「自分の資産はどうなるのだろう?」と不安に感じている人もいるかもしれない。
現在、FX会社には、投資家がFX会社に預けた証拠金について、その全額を信託銀行などの第三者金融機関に預ける「信託保全」が義務づけられている。
このため、投資家の資産は100%保全されているはずなのだ。
ちなみに、FX会社の証拠金の預け先としてどのような金融機関があるのか興味のある人は、以下の比較サイトでも確認できる。
ご参考まで。
今回、廃業を発表したMF Global FXA証券も、投資家の資産については、日証金信託銀行へ全額信託していた。
投資家の預けた資産は確実に保全されているはずなので、過度に心配する必要はないだろう。MF Global FXA証券では、顧客の資産を「順次遅滞なく返還」すると発表している。
■資産を預けている人は手続きが必要な場合も
ただ、MF Global FXA証券に資産を預けている人は、ポジションの有無によって、以下のとおり手続きが必要となる場合がある。
(1)ポジションを保有していない場合
ポジションを保有していない人は、2012年3月10日(土)午前6時(日本時間)までに出金依頼、口座解約の手続きが必要だ。
MF Global FXA証券によると、期日までに出金依頼をしない場合、MF Global FXA証券で残高の返還、口座解約の手続きを2日後の3月12日(月)より順次行っていくとのこと。
(2)ポジションを保有している場合
一方、ポジションを保有している人は、2012年3月17日(土)午前5時(日本時間)までにポジションの決済および出金依頼、口座解約の手続きが必要だ。
期日までに手続きしない場合、MF Global FXA証券で、未決済のポジションを自動的に決済したうえで、残高の返還、口座解約の手続きを行うとのことだ。
ポジションの決済をせず、期日までそのままにしておくと、3月17日(土)午前5時(日本時間)時点のマーケットレートで決済されることになる。
そのときのレートで利益が出るのであれば問題ないが、損失が発生する場合もあるので注意が必要だ。
また、入金については3月16日(金)午後5時まで受け付けているとのこと。
一応、ギリギリまで取引はできるわけだ。
■MFグローバル・ホールディングスは2011年10月に破産
MF Global FXA証券は2000年にエフエックスアジアとして設立。その後、FXA証券に社名を変更したあと、2007年に米国金融大手のMFグローバル・ホールディングスの傘下に入り、2009年には社名を現在の「MF Global FXA証券」に変更した。
そのMFグローバル・ホールディングスが2011年10月31日(月)に破産法適用を申請した。
比較的最近の話なので、記憶に残っている人も多いと思う。
MF Global FXA証券は、その直後の2011年11月1日に監督官庁に営業休止を届け出て、新規口座開設申し込みを停止した。
そして、来る4月5日にMF Global FXA証券は廃業するという事態となったわけだ。
親会社のMFグローバル・ホールディングスが破産したころと言えば、欧州債務危機が引き続き問題とされていた時期だ。
もし、MFグローバル・ホールディングス破産の背景に、この欧州債務問題があったとすれば、ここにきて、その影響が日本のFX業界にも及んだことになる。
最近、マーケットにもようやく明るい兆しが見え始めてきた。
それだけに、仮に、欧州債務危機の影響が日本のFX業界にも波及してきたのであれば、今回のMF Global FXA証券廃業でなんとか踏みとどまってほしいものだ。
(ザイFX!編集部・鈴木成夫)
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