米ドル/円が『動き出した』可能性が高まっている(「はらみ寄せ上抜けのドル/円は重大局面!80円を明確に上抜けるかが次のポイント」を参照)。
2011年10月31日高値の79.53円、すなわち、「はらみ寄せ」の母線の高値を上抜けたことで、「買いシグナル」を発した。
加えて、2月下旬には、心理的抵抗であった80.00円も上抜けており、さらなる「買いシグナル」を発している。
■いったん調整の反落があっても不思議ではない状態
冒頭のように、米ドル/円は2つの「買いシグナル」を発したが、一方で、目先で76.00円近辺から急上昇してきたことも事実である。
その上昇スピードが極端に速かったこともあり、いったん調整の反落(下落)があっても不思議ではない状態だ。
したがって、大負けを避けるためのストップ・ロス・オーダー(損切り注文)を必ず入れた上で、勇気を持って、少額で「米ドル買い・円売り」を行うことがセオリーだと考えている。
ごく目先の値動きを追って振り返ると、米ドル/円は81円台ミドルの高値をつけた後、いったん80.00円近辺まで急落したが、そこでサポートされて、再び81円台に乗せている。
なお、この値動きは「高値圏での上下動」であって、「高値圏での乱高下」と呼ぶには小さ過ぎると考えている。
「高値圏での乱高下」ならば「売りシグナル」となるが、今のところ、この上下動を乱高下と言うには「かわいらし過ぎる」と思っている。
もちろん、今後の展開によっては、「高値圏での乱高下」と呼ぶにふさわしい状態になる可能性も残っており、予断は禁物だ。
そのことよりも、どうしても気になっているのが、冒頭で書いた「76.00円近辺から目先の高値である81円台ミドルまでの上昇スピードが速かったこと」である。
上昇スピードが速かったために、このあたりで、いったん調整(下落)があってもよい状態(状況)であり、調整があるほうが普通だと考えている。
ちなみに、今回の76.00円近辺から81円台ミドルまでの上昇の過程で、重要なチャートポイントは79.53円と80.00円だった。
79.53円と80.00円を上抜けて「買いシグナル」を発したのだから、逆に、80.00円と79.53円を明確に下抜ける場合は、目先のロングポジション(米ドル/円の買い持ち)は、いったん損切りを敢行するべきだ。
なお、米ドル/円は、下落トレンドから上昇トレンドに転換した可能性が高いと筆者は考えているが、現時点では、トレンド転換と断定するにはまだ早すぎる。
もし、米ドル/円が上昇トレンドに転換しているならば、利益を上げるチャンスは、今後、何回でもある。このステージで、無理に「ロングポジション」をキープする必要はない。
■80円を上抜けたことで、レジスタンスラインを上抜けた
まずは、米ドル/円の週足チャートからご覧いただきたい。直近の値動きで、レジスタンスラインを上抜けてきた。
さて、これで「レジスタンスラインを上抜けた」と判断すべきか、それとも、
レジスタンスラインの傾きを緩やかにすることで、「まだ上抜けていない」と判断するべきか?
私見だが、80.00円を上抜けたことで、「レジスタンスラインを上抜けた」と判断している。
79.53円と80.00円の両方を上抜けたのだから、勇気を持って、「買い」でついて行くのがよい。そして、「買い」でついて行く場合は、必ずストップ・ロスを置くべきである。
ただ、80.00円を明確に上抜けたものの、76.00円近辺から80円台に乗せるまでのスピードが極端に速かったことから、いつ何時に、調整反落(調整下落)があっても不思議ではない状態になっている。
(出所:米国FXCM)
米ドル/円は2007年6月以降、2012年2月上旬まで、ずっと「米ドル安・円高」のトレンドを続けてきた。ごく最近に至るまで、一度として転換したことはなかった。
まる4年以上もの間、「米ドル安・円高トレンド」のままであったが、いよいよ、トレンド転換した可能性が出てきた。
上の週足チャートに緑の破線(太線)でレジスタンスラインを示したが、米ドル/円は、2007年6月からごく最近に至るまで、ずっと、このレジスタンスラインに従って下落していた。
このレジスタンスラインを明確に上抜ける場合は、「買いシグナル」が点灯する。
しかし…
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