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欧州の「ごまかし」「詭弁」に惑わされるな!
ギリシャ問題は小康状態のように映るだけ

2012年03月14日(水)14:05公開 [2012年03月14日(水)14:05更新]

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■欧州は「ごまかせるだけ、ごまかそう」という腹なのか!?

 ガソリン価格が急騰している。その主な原因は、イランの核開発疑惑をめぐる中東情勢の緊張によるものだ。

 同じように、危機的状況に追い詰められているのが、欧州の不良債権問題である。

 投資家の目には、ギリシャの破たんが先送りされたことからユーロが高止まりし、欧州危機は小康状態を保っているように映る

 だが、それはあくまでも表面上のことだ。水面下では、ギリシャはもちろん、スペインもイタリアも、財政は悪化の一途をたどっている。

 その一方で、ユーロ安を背景にドイツのひとり勝ちが続いており、ユーロ圏内の格差は拡大するばかりだ。

 欧州危機はユーロ圏内の問題なのだから、本来は、欧州の人々こそユーロを売るべきであるが、それをせず、むしろサポートに回っている。

 つまり、言葉は悪いが、「ごまかせるだけ、ごまかそう」という腹なのだろう。欧州の国々には、狡猾(こうかつ)なところがある

■投資家は、詭弁に惑わされてはいけない

 米国のサブプライムローン問題を思い出していただきたい。「サブプライムローン」とは、信用度(返済能力)の低い人向けの住宅ローンであり、そのため、個々の債権の貸し倒れ率は高くなる。

 だが、「たくさんまとめてパッケージにすると、貸し倒れ率が低くなる」という理屈をつけて、それに格付け会社がお墨つきを与えて広く売り出したことから、最終的には、巨大金融機関の破たんまで引き起こす大問題に発展した。

 後から考えると、「返済能力の低い人の債権をたくさん集めれば破たん率が低くなる」という理屈はおかしい。ある種の詭弁(きべん)に過ぎない。

 同じように、今回のギリシャの問題も、「すでにギリシャは破たん状態にあるが、欧州各国が協調してギリシャに融資を行い、ギリシャ自身が緊縮財政をとれば破たんから逃れられる」と、欧州首脳が詭弁を弄しているように見える。

 立場上、破たんを口にできない事情は理解できるにせよ、ウソはウソである。

 私見だが、今回、ギリシャに追い貸しした資金は返済不能になるとみている。だから、被害額は拡大すると考えている。

 日本も、バブル時代に同じようなことを経験している。

 たとえば、日本長期信用銀行は、バブル崩壊により多額の不良債権を抱えた企業に追い貸しして「融資先は破たんしていない」と強弁した。だが、結局のところ、自らが破たんに追い込まれた。

日本国内の私企業の過剰融資、米国内の不良債権問題、ユーロ圏内の国家レベルの破たん隠しと、規模こそ異なるが、根っこにあるものは同じだ。

投資家は今、為政者の詭弁に惑わされず、ダメなものはダメだと冷静に判断する姿勢が求められている

■月足では、現在は「高値圏での乱高下」を見せている

 ユーロ/米ドルについて、基本的な考え方を変える必要はない。大局的に判断すれば、「ユーロ売り」で戦うべき「ユーロ/ドルの調整反発は1.35ドルまでか。大局的見地では『ユーロ売り』に変更なし!」など参照)

ユーロ/米ドル 月足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM)

 まずは、ユーロ/米ドルの月足チャートからご覧いただきたい。

 ユーロ/米ドルは、0.8200ドル近辺の安値から1.6000ドル近辺まで大きく上昇した。そして、1.6000ドル近辺で高値をつけてからは、安値は1.2000ドルレベル、高値は1.6000ドルレベルのゾーンで、大きく上下動を繰り返している。

 この大きな上下動については、個人的には「高値圏での乱高下」だと判断している。いつもではないが、一般的には、この「高値圏での乱高下」は「売りシグナル」となる。

 つまり、この大きな上下動は、いずれ、ネックライン(下限)を下に割り込むという示唆と推測している。当然ながら、1.2000ドル近辺のネックラインを割り込む場合は、その後に大きく下落するだろう。

2007~2008年頃から、頻繁にトレンド転換が起きている

 続いて、ユーロ/米ドルの週足チャートをご覧いただきたい。

 ここで留意していただきたいのは、かなり長い期間の週足チャートを見ても、上記の月足チャートで見た「高値圏での乱高下」の部分だけしか表示されていないことである。

 つまり、ユーロ/米ドルは、2007~2008年頃から現在にいたるまで、かなり激しく大きな上下動を繰り返しているということに注意が必要だ。

ユーロ/米ドル 週足(クリックで拡大)

(出所:米国FXCM)

 言い方を変えれば、2007~2008年頃から現在まで、かなり頻繁にトレンド転換が起こっているということだ。

 通常は、これほど頻繁にトレンド転換は起こらない。現在の相場は、異常な状態なのである。

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松田哲の「FX一刀両断!」
松田 哲 (まつだ・さとし)

早稲田大学法学部卒業。三菱信託銀行、フランス・パリバ銀行、クレディ・スイス銀行などを経て、オーストラリア・コモンウェルス銀行のチーフ・ディーラーとして活躍。現在は松田トラスト&インベストメント代表取締役として、法人・個人向けコンサルティング業務を行っている。著書『外貨崩落』(技術評論社)などで米ドル/円相場、クロス円相場の下落を見事的中。近著に『1勝9敗でも勝てる松田式FX!』(ダイヤモンド社)がある他、『FXで稼ぐ人はなぜ「1勝9敗」でも勝つのか?』(技術評論社)、『FXの教科書』(扶桑社)、『投資で浮かぶ人、沈む人』(PHP研究所)、『FX「シグナル」を先取りして勝つ!』(技術評論社)などの著書がある。

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