だが、116.00円を上抜けて上伸したものの、高値は123円台ミドルにとどまり、改めて上値が重い展開に移行した。
そして、2011年5月6日にチャートポイントだった116.00円を下に割り込み、一転して「売りシグナル」を発した。
ちなみに、2011年3月29日以降も116.00円は重要なチャートポイントだったと考えているが、その後の値動きを含めて全体を俯瞰(ふかん)すると、ユーロ/円は上限が124円レベル、下限が105円レベルの「ボックス相場」を形成したと見ている。
そして、ユーロ/円は、下限の105円を下に割り込んだ時点で「売りシグナル」を発した。それに伴うごく目先の下値メドは100.00円レベルであったと考えている。
実際のところ、その「売りシグナル」どおりに、2011年12月30日に100.00円を割り込み、再び「売りシグナル」を発した。
(出所:米国FXCM)
しかし、100.00円を割り込んで97.00円近辺まで急落したものの、その後は現執筆時点で110円台まで急反発している。この大きなリバウンドにより、紫の破線で示した中長期のレジスタンスラインを上抜けた。
つまり、トレンド転換の可能性が出てきたということである。
なお、週足チャートに、中長期のレジスタンスラインとして紫の破線を表示した。これを明確に上抜ける場合は、ストップ・ロス(損切り)を巻き込み、もう一段の上昇となる可能性がある。
また、前述したように、筆者は高値更新で、中長期のレジスタンスラインを上抜けたと考えている。これにより、赤の枠で示したように、現在の相場は下限が97円レベル、上限が124円レベルの「ボックス相場」と見ることもできるだろう。
■急騰→急落後の高値更新は「買いシグナル」に
続いて、ユーロ/円の日足チャートをご覧いただきたい。
2011年3月18日朝方に行われたG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)の電話会議で、協調して「円売り・米ドル買い」の市場介入を行う合意がなされた。
この時点で、目先でユーロ/円の売りポジションを保有していた場合は、いったん買い戻しをして、ポジションをスクエアにするのがセオリーだった。実際のところ、G7による協調介入が実施されてからのユーロ/円は、激しく上昇した。
(出所:米国FXCM)
協調介入後のユーロ/円は、まずは2011年3月29日に116.00円を超えて上昇し、一気に123円台まで急伸して、123.33円の高値をつけた。
その後は大きな上下動を繰り返し、123円台から116円台に急落した。その116円台から、今度は121.80円近辺(121.81円)まで急騰するといった乱高下状態だった。
全体を見れば、2011年4月以降のユーロ/円は、緑の破線(太線)で示したレジスタンスラインに沿って下落したと言えるだろう。なお、緑の破線(細線)は、緑の破線(太線)の平行線である。
さらに、121円台からは116円台に再び急落したが、2011年5月6日にチャートポイントだった116.00円を下に割り込み、今度は「売りシグナル」を発した。
ところが、ユーロ/円は目先で上昇に転じて、この緑の破線(太線)で示したレジスタンスラインを上抜けたので、もう一段、上昇する可能性があった。
105円を上抜けてから、一気に110円近辺まで上昇した動きは、そのためだったのだろう。
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