なお、2月下旬に110円近辺まで上昇した後、105円台までいったん急落し、それから再び上昇して、現在は高値を更新してきている。こういったケースでの高値更新は「買いシグナル」だ。
ユーロ/円のショート(売り持ち)派は、いったん損切りを敢行し、しばし様子見に転じるところである。
■100円割れ以降を「ボックス」と考えるには無理が出てきた
日足チャートでユーロ/円を俯瞰(ふかん)すると、2011年3月頃から4月頃は、上限が124円レベル、下限が116円レベルの「ボックス相場」を形成していた。チャートには、その上限と下限を青の破線で表示した。
そして、この「ボックス相場」は下抜けており、今度は上限が118円レベル、下限が113円レベルの「ボックス相場」に移行した。その形状は、日足チャートにピンクの破線で表示した。
さらに、この「ボックス相場」を下抜けると、次は上限が114円レベル、下限が108円レベルの「ボックス相場」に移行した。チャートには、その上限と下限を青の破線で表示した。
(出所:米国FXCM)
ユーロ/円は、2011年9月8日に下限の108円を割り込んで「売りシグナル」を発した。
筆者は、その後は上限が108円レベル、下限が100円レベルの「ボックス相場」を形成すると考えていた。チャートには、この「ボックス相場」をピンクの破線で表示した。
しかし、2011年10月31日の「円売り・米ドル買い」の市場介入で、ユーロ/円は上値メドだった108円台を大きく上抜けて、111円台ミドルまで急騰した。
ところが、ユーロ/円は下落に転じて、節目の100.00円を割り込むと97.00円レベルまで急落した。現在も「ボックス相場」と考えるならば、下限が97円レベルであることは明らかだ。
だが、 97円台から強烈な反発が起きており、「ボックス相場」であると考える場合、今のところ、その上限がはっきりしない。
すなわち、100.00円を割り込んでからの相場を「ボックス相場」と考えるには無理が出てきた。別の考え方をする必要があるようだ。
■112円台に乗せるなら、勇気を持ってユーロ買い・円売り!
下に示した3つ目のユーロ/円の日足チャートをご覧いただきたい。
直近の、短期のレジスタンスラインを青の破線で示したが、ご覧のように上抜けている。つまり、その時点で、短期の「買いシグナル」が点灯したと考えている。
この短期の「買いシグナル」が点灯した時点では、トレンド転換の可能性には気がつかなかった。
したがって、目先の上昇は調整反発に過ぎないと判断し、「買い」でついて行かないほうがよいと考えていたのだが、トレンド転換の可能性が出てきたため、上記の判断は誤りということになった。
(出所:米国FXCM)
この日足チャートに、短期のサポートラインとして緑の破線を表示した。これを割り込む場合は「売りシグナル」となる。
だが、このまま割り込まずに、昨年10月31日の介入の際につけた111円台ミドルの高値を上抜ける場合は、「ダブル・ボトム」を完成させて、さらなる「買いシグナル」を発することになる。
したがって、上値のチャートポイントは111円台ミドルとなるが、これを明確に上抜けて112円台に乗せるような場合は、勇気を持って、「ユーロ買い・円売り」でついて行くところとなる。
(2012年03月21 東京時間03:05記述)
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