■ゴールデン・ウィーク中はポジションを取らない方がよい
基本的な考え方(スタンス)に変化はない。
ただし、ゴールデン・ウィークは特殊な期間のため気をつけた方がよい、と今年も感じている。
4月27日(金)の日銀の政策決定会合が大きく注目されていたが、個人的には日銀の政策に大局の流れを変える力はない、と考えているため、さほど気にしていなかった。
むしろ個人的には、「年間スケジュール(=年中行事・毎年決まりきったこと)」であるゴールデン・ウィークが始まることの方が重要と考えていた。
ゴールデン・ウィーク中はポジションを取らずに休暇に集中することが大事だ、と思っている。
つまり、休む時は何もかも忘れてゆっくりと休めばよい、という考えだ。
毎年、ゴールデン・ウィークの前後に「今年はどうだろうか?」と、見直したり再考してみるのだが、結果的に毎年同じ結論になる。
今年のゴールデン・ウィークも今のところは同じ結論である。
今年のゴールデン・ウィーク・マーケットでは、米ドル/円が円高気味に推移している。
重要なチャート・ポイントである米ドル/円の80.00円も、抵抗らしき抵抗もなく、あっさりと下に割り込んだ印象だ。
これは、ゴールデン・ウィーク中は市場参加者が極端に少なく、通常のマーケットとは違うことが原因だと考えている。
「ゴールデン・ウィーク中はポジションを取らない方がよい」が持論だが、そうは言ってもゴールデン・ウィーク中でもマーケットは勝手に動くし、重要なイベントもたくさんある。
ゴールデン・ウィーク明けにニュースや経済指標を確認する作業は重要と考えている。
特に今年は、5月6日(日)に仏大統領決選投票と、ギリシャの総選挙を控えているところに要注意だ。
■米ドル/円の月足チャートから見るトレンド転換の兆し
米ドル/円の月足チャートで中長期のトレンドを確認していただきたい。
2007年6月の高値124円台から始まった米ドル/円の下落トレンドを示すレジスタンス・ラインを、上に抜けたことが読み取れる。
(出所:米国FXCM)
現在の月足チャートを見る限りでは、トレンドが下落トレンドから上昇トレンドに転換したと言える。
しかし、気をつける必要があるのは、以下の2点だ。
まずは、米ドル/円が現時点での高値である84円程度、ないしは高値85~86円程度をつけてから下落に転じる場合は、中長期のレジスタンス・ラインの傾きが緩やかになるだけで、下落トレンドから上昇トレンドに転換しないケースもありえるということ。
そしてもう1点は、現時点で「下落トレンドから上昇トレンドに転換した」と仮定しても、その上昇トレンドを示すサポート・ラインを引くことがまだできない、ということ。
つまり、「下落トレンドから上昇トレンドに転換した」と仮定しても、その上昇のスピードはまだわからないのだ。
■上昇のスピードが極端に早いところに注意
次に、米ドル/円の週足チャートを見ると、明確にレジスタンス・ラインを上に抜けたと言える。
(出所:米国FXCM)
この値動きで、レジスタンス・ラインを上に抜けたと判断するべきか?
それとも、レジスタンス・ラインの傾きが少し緩やかになっただけで、まだ上に抜けていないと判断するべきか?
私見では、80.00円を上に抜けたことでレジスタンス・ラインを上に抜けた、と判断している。
つまり、重要なチャート・ポイントだった79.53円と、同じく重要なチャート・ポイントだった80.00円を上に抜けて行く場合は、勇気を持って「買い」でついて行くことを考える。
もちろん「買い」でついて行く場合は、必ずストップ・ロスを置くことも考える。
実際80.00円を明確に上に抜け、84円台まで急騰したが、その値動きで76円付近から84円台に乗せるまでのスピードが極端に速い、ということが気にかかっていた。
こういった状況では、いつ何時にいったんの調整反落(調整下落)があっても不思議ではない状態、という判断をしていた。
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