■1時間足チャートでは、窓を空けて上昇しているようだが…
まずは、ユーロ/米ドルの1時間足チャートをご覧いただきたい。
1時間足チャートを見ると、「窓(Gap)」を空けて上昇しているように見える。しかし、今回のこのパターンは、「窓(Gap)」ではない。
(出所:米国FXCM)
日足チャートで見るとはっきりするが、このパターンでは「窓」にならないのだ。
以下のチャートは、5月28日(月)の東京時間午前中における日足チャートだ。
今回のケースでは、その形状から判断するならば、5月28日(月)の東京時間朝方の時点では「はらみ寄せ」を作っている。
(出所:米国FXCM)
ご覧のとおり、5月25日(金)の日足のレンジは「安値1.2495ドル-高値1.2602ドル」である。
5月28日(月)の日足が、東京時間朝方の時点では、スッポリと、5月25日(金)の日足のレンジ内に収まっている。
つまり、5月25日(金)の日足が母線となって、5月28日(月)の東京時間朝方の時点では、日足で「はらみ寄せ」を形成していた。
■「はらみ寄せ」を上抜けしたが、結局下落に転じた
しかし、5月28日(月)の欧州市場の時間に、5月25日(金)の高値1.2602ドルを上に抜けたので、日足チャートでの「はらみ寄せ」も、その時点でなくなった。
(出所:米国FXCM)
「はらみ寄せ」のセオリーでは、「母線の上値を抜けたら『買い』、母線の下値を抜けたら『売り』」となる。
つまり、
・1.2602ドルを上に抜けたら「買い」
・1.2495ドルを下に抜けたら「売り」
となる。
5月28日(月)のマーケットでは、1.2602ドルを上に抜けたので、その時点では、「買いシグナル」を発したのだが、上値は、1.2625-30ドルレベルで頭を抑えられて下落に転じた。
この目先の「買いシグナル」は、フェイル(=失敗)となった。
■大局で判断すれば、引き続き「ユーロ売り」で戦うべき
ユーロ/米ドルに対する基本的な考え方はまったく同じだ。今のところ、考え方を変えない方が良い、と判断している。
大局で判断すれば、「ユーロ売り」で戦うべき、と考えている。
次にユーロ/米ドルの月足チャートをご覧いただきたい。なお、月足チャートのコメントは、このところの内容と同じだ。
月足チャートで見ると、ユーロ/米ドルは0.8500ドル近辺(安値は、0.8200ドル近辺)から、1.6000ドル近辺まで大きく上昇している。
1.6000ドル近辺の高値をつけて以降は、安値1.2000ドル程度-高値1.6000ドル程度のゾーンで、大きく上下動を繰り返している。
(出所:米国FXCM)
この「安値1.2000ドル程度-高値1.6000ドル程度のゾーンでの大きな上下動」は、個人的には「高値圏での乱高下」だと判断している。
いつも必ずではないが、一般的に「高値圏での乱高下」は「売りのシグナル」だ。
つまり、この大きな上下動はいずれネック・ライン(=下限)を下に割り込むことを示唆しているのだろう、と推測している。
当然ながら、このネック・ライン(=下限)は、1.2000ドル近辺であり、ここを割り込む場合は、その後で「大きく下落する」と考えている。
なお、上のチャートにはピンクの破線でサポート・ラインを追加した。2007年ごろから現在(2012年)に至るまで、大きく、頻繁に、激しい上下動を繰り返したことを示すためだ。
まだ、ネック・ラインと想定する1.2300ドルないし1.1850ドルには届いていないが、月足チャートを見てわかるとおり、1.26ドル台のこのところの安値を更新して、1.2500ドル割れをみている。今のところ、安値は1.2495ドルだ。
1.26ドル台のこのところの安値を更新したことで、その時点で「売りシグナル」を発していると言える。
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