■1.1850ドル~1.2300ドル程度ゾーンにネック・ライン
当然ながら、このネック・ライン(=下限)は、1.2000ドル近辺のことで、ネック・ライン(=下限)を割り込む場合は、その後で大きく下落すると考えている。
チャートには、サポート・ライン(ピンクの破線)を加筆した。2007年頃から現在(2012年)に至るまでで、大きく、頻繁に、激しい上下動を繰り返したことを示すために、加筆した。
ネック・ラインと想定する1.2300ドル程度を完璧に割り込み、安値は1.20ドル台ミドルをつけている。
しかし、ネック・ラインは1.1850ドル~1.2300ドル程度のゾーンのどこかにあると推測できるが、まだ明確にネック・ラインを割り込んだ、とは言えない状態が続いている。
ただし、月足チャートを見てわかるとおりに、1.26ドル台のこのところの安値を更新した時点で「売りシグナル」を発しており、その「売りシグナル」が有効な状態が続いている。
ネック・ラインは上述のとおりに、具体的な為替レート(数値)では事前に断定できないが、1.1850ドル~1.2300ドル程度のゾーンのどこかにあるはずだ。
この1.1850ドル~1.2300ドル程度のゾーンのどこかにあるネック・ラインを割り込んだ場合は、激しくユーロ/米ドルが急落することで、事後的にわかるはずだ。
ただし、ネック・ラインと考えられる一番下のレートは、当然ながら1.1850ドル近辺である。
つまり、1.1850ドルを割り込むまで相場が走らない場合もあり得る。すなわち、ウジウジとした相場つきが続く可能性もあるということだ。
しかし、突如として激しくユーロ/米ドルが急落するケースも十分にあり得るので、要注意だ。
1.20ドル台までの下落をみたが、この程度の下落スピードではネック・ラインを割り込んだ場合の急落とは言えない、と考える。
ネック・ラインを割り込んでの急落は、もっと激しい値動きを想定している。
■現在のユーロ/米ドル相場は、異常な状態が続いている
続いて、ユーロ/米ドルの週足チャートをご覧いただきたい。
週足の分析については、チャートは更新しているが、内容はこのところのコメントと同じである。
かなり長い期間のユーロ/米ドルの週足チャートを見ても、先に月足チャートで見た場合の、「高値圏での乱高下の部分」だけしか表示していないことに、留意する必要がある。
(出所:米国FXCM)
つまり、2007年、2008年頃から現在に至るまでのユーロ/米ドルは、かなり激しく大きな上下動を、頻繁に繰り返している、ということに注意が必要だと考える。
別な言い方をすれば、2007年、2008年ごろから現在までのユーロ/米ドルは、かなり頻繁にトレンド転換が起こっているということだ。
通常は、これほど頻繁にトレンド転換は起こらないのだが、現在の相場は異常な状態が続いているということである。
■2011年4月にレジスタンス・ラインを上抜けるも、すぐ急落
ユーロ/米ドルは、2011年4月上旬に中長期のレジスタンス・ライン「赤の破線(太線)」を上に抜けた。
なお、「赤の破線(細線)」は「赤の破線(太線)」の平行線である。
(出所:米国FXCM)
このレジスタンス・ライン「赤の破線(太線)」を上に抜けた時点では、「買いのシグナル」を発したと考える。そして、その「買いシグナル」のとおりに急騰した。
しかし、2011年5月5日以降大きく急落し、改めて中長期のレジスタンス・ライン「青の破線(太線)」が出現した。
なお、「青の破線(細線)」は「青の破線(太線)」の平行線である。
(出所:米国FXCM)
■2011年9月にサポートラインを割り込んだが、その後急騰
俯瞰して見ると、ユーロ/米ドルは2010年6月の安値1.18ドル台を起点に上昇している。
そのサポート・ラインは、「ピンクの破線(太線)」で示すことができる。
なお、「ピンクの破線(細線)」は、「ピンクの破線(太線)」の平行線である。
ユーロ/米ドルは、レジスタンス・ライン「青の破線(太線)」と、サポート・ライン「ピンクの破線(太線)」で挟まれて、大きな「三角保ち合い(ウェッジ)」を作っていた。
そして、2011年9月9日に、このサポート・ライン「ピンクの破線(太線)」を下に割り込んだ。
(出所:米国FXCM)
このサポート・ライン「ピンクの破線(太線)」を明確に下に割り込む場合は、「売りシグナル」である。
つまり、ユーロ/米ドルはサポート・ライン「ピンクの破線(太線)」を割り込んだ時点で、「売りシグナル」を発した。
「売りシグナル」を発したユーロ/米ドルは、1.31ドル台にまで大きく下落したのだが、2011年10月下旬にユーロ危機に対する包括案が合意に達したことを材料に、1.42ドル台にまで急騰した。
しかし大局で見れば、週足チャートに表示したレジスタンス・ライン「青の破線」を上に抜けない限り、トレンドは変わらない。
ユーロ/米ドルは、2011年10月下旬に1.42ドル台にまで急反発したが、2011年10月31日に1.38ドル台にまで急落したことで、改めて「売りシグナル」を発したと考える。
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