■上昇は一時的なリバウンドにすぎず、引き続きユーロ売り
500ポイントのボックス相場を下に割り込んだ場合のターゲットを完璧に達成し、そして安値1.2300ドル割れ(1.2285-90ドルレベル)を見たあとのユーロ/米ドルは、リバウンド(反発上昇)している。
しかし、この時点でユーロ/米ドルが下げ止まったとは考えていない。よって引き続き、やるならば「ユーロ売り・ドル買い」と考えた。
再掲載した下記の週足チャートに示したように、約1600ポイントの大きな「フラッグ」を想定すると、1.1900ドル近辺(ないし1.1850ドル近辺)まで、短時間で急落する可能性が引き続きあることに、最大限留意する必要を感じたからだ。
(出所:米国FXCM)
なお、下の日足チャートには、大雑把にこの「フラッグ」を「赤の破線」で表示した。
タイミングとしては、この「フラッグ」を形成するにしても、もっと時間がかかる可能性もある(=傾きが緩やかになる可能性もある)。
(出所:米国FXCM)
■「便宜的なストップ・ロス」で自衛することが大切
「ユーロ売り・米ドル買い」をする場合に、現時点でのチャートを見る限りでは、明確なストップ・ロスの水準は引き続き1.28ドル台前半程度で、変わっていない。
しかし、現状水準と比べるとそれが遠すぎることは、十分に理解できる。
こういったケースでは、持ち値(コスト)の100ポイント上とか200ポイント上にストップ・ロスを置き、それがつくようならば改めて「ユーロ売り・米ドル買い」を行なう、といった「便宜的なストップ・ロス」で対処するべきだろう。
「便宜的なストップ・ロス」は、自らを守るための大切なテクニックと考える。
こういった「綾(あや)」は、このところのユーロ/米ドル相場でも頻繁に起こるが、「綾(あや)を狙ってのユーロ買い」は、やらない方がよいと考える。
やるならば、トレンドに従い「ユーロ売り」だ。
ただし、すでに「夏休み相場」であることを意識して、ポジションは、小さくすることが大切である。
■新たなフラッグの出現で1.1550ドルまで下落の可能性も
続いて、別のラインなどを表示した下の日足チャートをご覧いただきたい。
直近の値動きで、もう1つ別の「フラッグ」を形成する可能性が出てきた。
この「フラッグ」を黒の破線で表示している。
(出所:米国FXCM)
起点を1.3300ドル程度、ネック・ラインを1.2300ドル程度と考えると、その下落幅は、約1000ポイントになる。
リバウンド(戻り高値)を1.27ドル台ミドルと考えると、このフラッグのターゲットは、1.1750ドルになる。
1.2750-1000ポイント=1.1750
また、この「フラッグ」は、起点を1.3500ドル程度と考えることもできる。上のチャートには、赤の破線で値幅だけ表示した。
同様の考え方をすると、その下落幅は約1200ポイントになる。
1.2750-1200ポイント=1.1550
だから、この場合のターゲットは、1.1550ドルになる。
当面のところは、モデレート(moderate、節度のある、穏健な)なパターンをあえて選び、「小さいフラッグ(黒の破線)」を想定するべき、と考える。
「小さいフラッグ」のターゲットを達成した時点で、改めて「大きいフラッグ(赤の破線)」のパターンのあるやなしやを判断すれば良い、と考える。
目先の値動きで、もう少しユーロ/米ドルがリバウンド(反発上昇)する場合でも、「一番右の黒の破線」がそのまま右にシフトするだけで、その形状は変わらない。
繰り返しになるが、「便宜的なストップ・ロス」を駆使しての「ユーロ売り・米ドル買い」をすべきところと考える。
「夏休み相場」に突入しているので、ポジションは小さめにして、無理をしないことも重要である。
(2012年08月01日 東京時間03:45記述)
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