■ユーロ/米ドルの下落はここまでセオリーどおり
今週は、ユーロ/米ドルの分析を行なう。まずは、下記の日足チャートをご覧いただきたい。
チャートの前半部分では、「短期のサポート・ライン」を割り込む場合に「売りシグナル」を発し、「短期のレジスタンス・ライン」を上に抜ける場合には、「買いシグナル」を発している様子を表示した。
また、チャートの後半部分に、「高値1.3500ドル-安値1.29ドル台ミドルの約500ポイントのボックス相場」を「黒の破線」で表示した。
(出所:米国FXCM)
5月上旬のユーロ/米ドルは、「短期のサポート・ライン」を割り込み、「売りシグナル」を発し、そしてボックス相場のネック・ライン(=下限)1.29ドル台ミドルを割り込み、さらなる「売りシグナル」を発した、と考える。
そして、その「売りシグナル」どおりに下落し、1.25ドル台前半を見た時点でほぼターゲットを達成した、と考える。
■三角保ち合いを下に抜け、「売りシグナル」が点灯
再掲載した下の日足チャートの右端に、「短期のレジスタンス・ライン」(青の破線)と、「短期のサポート・ライン」(緑の破線)を表示している。
その時点でのユーロ/米ドルは、小さな「三角保ち合い(ウェッジ)」を形成していた、と考える。
(出所:米国FXCM)
そして、小さな「三角保ち合い(ウェッジ)」ととらえるならば、「ユーロ売り・米ドル買い」をする場合の、この時点でのストップ・ロスは、1.33ドル台ミドル~1.3400ドル近辺になる。
この「三角保ち合い(ウェッジ)」に関しては、2012年5月7日(月)の値動きで、「短期のサポート・ライン」(緑の破線)を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
以下に説明するとおりだが、1.2950ドル近辺のネック・ラインを明確に下に抜けたので、さらなる「売りシグナル」を発したことになる。
再掲載した下の日足チャートを見ると、この「三角保ち合い(ウェッジ)」の値動きは、「小さなヘッド&ショルダー(三尊形)」を形成していたようにも見える。
(出所:米国FXCM)
ちなみに、さらに相場が横ばいに推移して、山が4つになっても、5つになっても、このような形状を指して「ヘッド&ショルダー(三尊形)」と呼ぶ。
「ヘッド&ショルダー(三尊形)」は、見ようによれば「ボックス相場」ととらえることができる。
この「ヘッド&ショルダー(三尊形)」が、明確に否定されるのは、高値1.3500ドルを上に抜ける場合、つまり、ボックス相場を上に抜ける場合である。
客観的に純粋に分析をするならば、この「ヘッド&ショルダー(三尊形)」(=ボックス相場)のネック・ライン(=基準となる下限)は、1.3000ドル近辺か、あるいは1.29ドル台ミドル程度(=1.2950ドル近辺)と考える。
「ヘッド&ショルダー(三尊形)」のセオリーでは、ネック・ラインを割り込んだら「売りのシグナル」である。
つまり、1.29ドル台ミドル程度(=1.2950ドル近辺)を下に抜ける場合は、「売りのシグナル」となる。
ネック・ライン(1.29ドル台ミドル)から、「ヘッド&ショルダー(三尊形)」の高値(1.3500ドル近辺)までの値幅は、約500ポイントだ。
「ヘッド&ショルダー(三尊形)」が完成した場合のターゲットは、ネック・ラインから、その値幅(約500ポイント)下落したところになる。
1.2950-500ポイント=1.2450
だから、ターゲットは「1.2450ドルないし1.2500ドル近辺」となる。
なお、ターゲットは少し甘めに算定するのがセオリーだ。
「ヘッド&ショルダー(三尊形)」の高値を1.3500ドルとして、ネック・ラインを1.2950ドルとすると、その正確な値幅は550ポイントであるから、
1.2950-550=1.2400
と考えて、ターゲットは1.2400ドル近辺と考えることもできる(大同小異でたいして変わらないが…)。
どちらをターゲットと考えても構わないと思っていたが、1.2500ドルにせよ、1.2400ドルにせよ、「売りシグナル」を発して以降の下落で、安値1.2300ドル割れ(1.2285-90ドルレベル)を見たので、その時点でターゲットは完璧に達成した。
■上昇は一時的なリバウンドにすぎず、引き続きユーロ売り
500ポイントのボックス相場を下に割り込んだ場合のターゲットを完璧に達成し、そして安値1.2300ドル割れ(1.2285-90ドルレベル)を見たあとのユーロ/米ドルは、リバウンド(反発上昇)している。
しかし、この時点でユーロ/米ドルが…
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