■直近は豪ドルからユーロへ資金回帰が起こっている
今回は豪ドル/円の分析を行なう。
下の4時間足チャートをご覧いただきたい。
豪ドル/円は、7月下旬から8月の前半ごろまでは上昇し、8月下旬に急落している。
そして、9月上旬から再び上昇している。
この9月上旬から中旬にかけての上昇は、米国のQE3(量的緩和政策第3弾)が材料だった、と考える。
(出所:米国FXCM)
豪ドルの下落の要因は、中国経済の悪化の影響と考える。
また、欧州危機により、ユーロから豪ドルへの資金シフトが起こっていたが、直近の相場では、そのアンワインド(揺り戻し)が起こっている。
つまり、直近は豪ドルからユーロへの回帰が起こっている、ということだ。
緊急避難的に豪ドルに注ぎ込まれた資金が逃げ出している状態、と考える。
■ここ10年は55円-108円の大きなボックス相場を形成
続いて、月足チャートでは、全体のトレンドを確認しよう。
まず直近の値動きに注目していただきたい。何度か描き直した右端のサポート・ライン(緑の破線)に近づきつつある。
このラインを割り込めばトレンド転換が起こるのだが、まだもう少し時間がかかりそうだ。
(出所:米国FXCM)
いつものように過去のトレンドを見ていこう。
全体を俯瞰してみると、豪ドル/円は下値55円-上値108円の大きなレンジの中で、上下動する大きなボックス相場を形成していることがわかる。
この大きなボックス相場の中を詳しく見てみると、1992年から1995年までレジスタンス・ライン(緑の破線)に沿って下落。
1995年から1997年まではサポート・ライン(緑の破線)に沿って上昇。
1997年から2000年まではレジスタンス・ライン(緑の破線)に沿って下落。
2001年から2007年までサポート・ライン(緑の破線)に沿って上昇し、2008年には垂直に近い急角度のレジスタンス・ライン(緑の破線)が現れるような大暴落を起こしている。
その後はV字回復したものの長い上昇には至らず、2009年から現在までは、右端のサポート・ライン(緑の破線)に沿った上昇を続けながら、下値72円-上値88円(あるいは90円)の「紫の破線」で囲んだボックス相場を形成して、直近では垂れ下がる方向へ動いている。
続いて、週足チャートを…
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